ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

恋愛系の詐欺などに引っかかる人の状況がきわめて端的にまとめられていないか

2022-09-28 00:00:00 | 書評ほか書籍関係

先日、地元の図書館で次のような本を借りました。現在読んでいる最中です。

冤罪をほどく: “供述弱者”とは誰か

中日新聞による編著で、「取材班デスク」として秦融氏が著者代表としてお名前を出しています。つまり滋賀県で起きた冤罪事件についての本で、冤罪被害者の女性は、知的障害と発達障害があり、いわゆる「供述弱者」だったとされます。

アスペルガー症候群 思春期からの性と恋愛

それでこの事件で特異だったのは、冤罪被害者の女性が、担当した刑事に恋心を持ったということです。さすがにそれは「なぜ? 本当に?」ですが、そのような心理について、こちらの本からの引用として、次のような指摘が引用されています。原著では、すべて一続きのものです。それを引用者は、一文ごとに分けたわけです。丸数字は、便宜上私がつけました(p.92~96)。引用文は、③のかっこなどを活用するため、中日新聞の本からの引用とします。したがって、元の本での「」は、『』とします。原著では、p.98~p.99にあります。

①最初の友だちさえなかなかできなくて、そのために引っかかりやすくなる

②ぼくらに会わなければ良い人で通せていたような人たちまで、あまりに無防備なぼくらを見ているうちに、つい、わがまま心を刺激されてしまう

③”友情”のためとはいえ『これ以降は譲らないぞ』というライン(を持てない)

④彼らはきみから『ちょっとだけ』と借りていったお金で車を買っておきながら、その車で、出資者であるきみを轢いて意気揚々と去っていくかもしれないのだ

⑤異性と付き合ったこともなく、この先もモテる望みはなさそうだと思っている人は、『もしかしたら、おつき合いに発展するかも?』というえさをまかれたら、たちまちまいってしまう

⑥相手が魅力的で、カリスマ性のある異性となると、さらに危ない

⑦友だちだと思っていた人たちに、身ぐるみ剝がされてしまうことにもなりかねない

いかがでしょうか。私これ読んで、思わず「うーん、結婚詐欺ほかの恋愛系詐欺に引っかかる人間の心理や状況を、きわめて端的にまとめているなあ」と感心してしまいました。恋愛系詐欺に限らず、一部のカルト系の組織(宗教ほか)に過度に入れ込んでしまい、人生を棒に振る人間の状況も、このような側面にまとめることができないか。

私が思い出したのが、歌手崩れに引っかかって全財産を貢いで一文無しになり、生活保護受給者になった某女性です。こちらでご紹介しました。

金をためられる人、財産を残せる人は、けっきょく金にシビアなのだと思う(追記あり)

①→友人はいたようですが、男性にもてるというタイプではなかった。

②→歌手崩れの人間に異常に入れ込んでしまい、後戻りできなくなった。

③→歌手崩れと飲食店を始めて、男の言うままに金を出した。

④→その飲食店は完全に失敗し、大赤字となり、まさに金をどぶに捨てたようなものになった。

⑤→夫と死別した女性であり、男性経験がなかったわけではないが、夫婦仲がよかったわけではなく、その歌手崩れに異常に入れ込み、養子にするとまでいった。

⑥→歌手崩れなだけあって歌はうまいしなかなかハンサムだったらしい。

⑦→全財産を失い、生活保護受給者になった。

というわけです。すべてが当てはまりそうです。

ほかにもたとえば、ゴム会社の社員が、会社の金をキャバクラ嬢に貢いで、逮捕・実刑となった事件はどうか。

①→写真で見た限りでは、とても女にもてそうな人間に見えない

②→キャバクラ嬢に異常に入れ込んでしまい、後戻りできなくなった。

③→キャバクラ嬢から病気療養のためなどといわれて、その言うままに金を出した。

④→その金は会社の金を横領したもので、もちろん返ってはこない。

⑤→キャバクラ嬢に本気で入れ込んでいた。

⑥→顔は知らないが、たぶんそれ相応の美女だったのだろう。

⑦→警察に逮捕、実刑判決となった。現在出所しているだろうが、一生を日陰ものとして過ごすのだろう。

という感じです。なんと合致するのか(笑、他人事だから笑えるのです)。

そしておそらくこれは、昨今話題の統一協会オウム真理教、あるいは非宗教系のカルト組織(幸福会ヤマギシ会とか)などに加入する人たちにも当てはまる心理ではないか。人間、恋愛ばかりでなく何らかの対象に入れ込んじゃうと、信じがたいような愚かな行動をするということがありえます。なお上の引用の続きで、カリスマ性のある人物として、

チャールズ・マンソン

が出てきます。つまりは、麻原彰晃文鮮明というような連中と同類と考えてよろしい。文鮮明の場合そこまではいきませんでしたが、麻原の場合自分の道連れに、12人もの弟子が、刑場に消えたわけです。ほかにも、裁判になったら死刑は免れなかったと思われる人物もいるし、彼らに殺された教団内外の被害者多数。

上の引用は、発達障害者の対応について記されているものですが、私は、上の女性やゴム会社の社員が発達障害かどうかは知りません。知るわけもありませんが、そうだと判断する材料がないのでわからない。正直発達障害めいた部分はあるのかもしれない。しかしたぶん上のような状況は、発達障害でなければ無縁であるというものでもないですね。むしろ関係ないと考えるべきではないか。心の隙間に忍び込むということがあるでしょう。少なくともオウム真理教や統一協会などの熱心な信者・活動家がみな発達障害ということもないはず。

いずれにせよこういうのは、状況がよろしくなくなったら、だれでも引っかかる可能性はあると思ったほうがよさそうですね。最終的に人殺しとか死刑とかになる人間がそうそういるとも思いませんが、連合赤軍だって、その構成員がみんながみんな、そんなにひどい人間というものでもないでしょう。


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