ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう

2020-02-03 00:00:00 | 社会時評

先日、伊藤詩織著「Black Box」という本を読みました。非常に興味深い本でしたが、この件で、かなりすさまじい闇の部分が、彼女に性犯罪をした山口敬之に対して発布された逮捕状が、警視庁刑事部長(当時)だった中村格により執行停止になったというくだりです。中村自身、逮捕状の執行停止をしたこと自体は認めているので、その理由はともかく、彼が山口を恣意的に救済したことは確かです。

ところで中村のWikipediaには、出典が書かれていないので、事実かどうかの確認ができないという難点はありますが、次のような記載があります。

ラ・サール高等学校卒業時に学業成績が10位以内の者に贈られるラ・サール賞を受賞するほどの秀才であっただけでなく、秀才揃いの同校の中でもプライドの高さが際立った印象を周囲が強く受けていた。

東京大学の法学部に進んだ中村が、どういう理由で警察庁という官庁を自分の就職先に選んだのか、その理由や事情は知りません。あるいは司法試験を受けて裁判官や検察官になるという選択肢もありだったでしょうが、理由はともかく、彼なりの正義感や自尊心、日本を彼なりの考えで、よくしていきたいという思いはあったかと思います。

で、そういう人が、これも最終的な理由は定かでありませんが、性犯罪をした人間への逮捕状を、自分の決済で執行停止ですかあ? あまりに愚劣でひどすぎませんかね。それで、上の伊藤著書に次のようなくだりがあります。

>私は今回、この本を出すにあたり、中村氏への取材を二回、試みたが失敗に終わった。出勤途中の中村氏に対し、「お話をさせて下さい」と声をかけようとしたところ、彼は凄い勢いで逃げた。人生で警察を追いかけることがあるとは思わなかった。(p.247)

読んでいて実に情けないですね。それは居直ったら完全な異常者かもですが、自分の娘くらいの年齢の女性ジャーナリストに追及されて、走って逃げ出すというのは、恥もここに極まったりでしょう。中村に子どもがいるか知りませんが、いたとしたらたぶんその子どもは、自分の父親の姿にあまり感心はしないでしょうね。

それでですよ、プライドがきわめて高かったという高校生の時代、あるいは大学生、もしくは警察庁に入庁したばかりの時代に、現在の中村格の無様で無残な姿をみていたら、おそらく中村は、「ああいうクズにだけは、自分は絶対なりたくない」と思ったんじゃないんですかね。警察官僚のトップになれるなら、ぜひ同じことをしたいとはたぶんですが、考えなかったんじゃないんですかね。その程度には、若き日の中村はまともな人間だったでしょう。いやー、初心忘れるべからずなんていう古典的な格言を、こいつほど体現している人間も珍しいんじゃないんですかね。まったくもってどうしようもない馬鹿でクズです。こういう成績が良くて仕事もできる馬鹿でクズというのは、本当に始末に負えませんね。まあもちろんこういうクズを利用する側にも大きな問題はあります。安倍晋三とか菅義偉などという連中のクズぶりには、あらためて心底からうんざりさせられるというものです。

コメント (20)
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