アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

サヨナラ

2009年12月03日 | 絵 その10
091203

「翼よ、北に」 アン・モロー・リンドバーグ著 みすず書房 を読む。

「それとも何代にもわたって平家建ての「紙の家」で暮してきた日本人は、わたしたち煉瓦と石の家しか知らない人間があえて閉め出してきた自然の美を語る特別な言語を、そのアルファベットを学び知っているのではないだろうか?
 それとも日本人は昔から一貫して芸術家で、わたしたち欧米の人間がおよびもつかぬほど深く自然を見ているということなのだろうか?」
「「サヨナラ」を文字とおりに訳すと、「そうならなければならないなら」という意味だという。これまで耳にした別れの言葉のうちで、このようにうつくしい言葉をわたしは知らない。Auf WiedersehenやAureoirやTill we meet againのように、別れの痛みを再会の希望によって紛らそうという試みを「サヨナラ」はしない。
・・・・・
 けれども「サヨナラ」は言い過ぎもしなければ、いい足りなくもない。それは事実をあるがままに受け入れている。人生の理解のすべてがその四音のうちにこもっている。」(以上本文より)
 
大西洋無着陸単独飛行に成功したリンドバーグの婦人の旅行記です。
夫婦で日本に来日していたことは知りませんでした。

著者の「海からの贈りもの」というエッセイを読んだことがありますが、その感受性の豊かさはこの本の中にも発見することができます。

リンドバーグは、大西洋無着陸単独飛行を成功し、アメリカンドリームを実現、時代の寵児ともてはやされ億万長者になりました。
それはリンドバーグ本人にとっては、幸せなことだったのだろうかと思うことがあります。

海と満天の星に挟まれ、心地よいエンジン音を響きかせながら飛びたいだけだったのではなかったのか。
ただそれだけでよかったのではないだろうか。
ふと宮崎アニメの「紅の豚」を思い出した。

関連ページ
http://masagoro.mo-blog.jp/masa/2008/05/post_1bec.html

コメント
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