アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

誤解されるひと

2008年03月31日 | 読書日記 その3
『図説永井荷風』                   河出書房新社
『先生はえらい』          内田樹著  ちくまプリマ-新書
『万葉にみる男の裏切り、女の嫉妬』 上野誠著      生活人新書

「日本人は未だに公の席で感情を表現することが苦手である。・・
 そういう日本人が唯一、公の席で喜怒哀楽を表現する方法があった。それが、歌を詠むことである。日本人は歌を使ってその気持ちを、公の場で、表現してきたのである」(万葉にみる男の裏切り、女の嫉妬より)

 この本には、人を怒らせたり喜ばせたりするのは簡単である、と書かれています。何かをされたら直ぐに感謝の気持ちを述べれば喜ばれ、黙っていれば怒られる。

「おそらくコミュニケーションはつねに誤解の余地があるように構造化されているのです」(先生はえらいより)

「・・言葉を換えて言えば、私がもし、簡単に解ってもらえるような仕方で、皆さんが解ったという確信をすっかり持てるような仕方で、話を進めたら、誤解はどうしようもないものになってしまうでしょう。(先生はえらいより、ジャック・ラカン「精神病」から)

永井荷風という人は、スーツに下駄履き、雨も降っていないのにいつも傘を持っていたという話です。それゆえに奇人というレッテルを貼られました。

本当の奇人というのは、誤解をする人だと思うのですが、あえて誤解を受けるようなことをするというのは、人は難解であるということを表現していたのではないか、それは他者から身を守るということでのあるのかもしれません。

小林秀雄は「誤解をされないような人は、人として欠けている部分がある」といった内容のことを書いていますが、裏を返せば誤解をされないようでは心が壊れてしまうよ、と言いたかったのかもしれません。

話は戻りますが、日本人は公の場で感情を表現するのは苦手です。
それでもいいと思いますし、日本人らしく優雅に歌を詠んであげればいいと思います。
こういう価値観も必要だと感じます。

 

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普通であるということ

2008年03月30日 | 読書日記 その3
『父・藤沢周平との暮し』  遠藤展子著  新潮社

「父は物事にこだわらないのではなく、普通でいられること、平凡でいることの難しさを、私は父から教わりました。・・人を外見や持ち物(財産)などで判断することは間違っているということも学びました。偉そうに威張っている人のなかに本当に偉い人はいない、なぜなら、本当に偉い人は自分で威張らなくても周りが認めてくれるから、とも教えられました。
 父の言う普通の生活とは、平凡に、家族が仲良く、病気や怪我をしないで健康で平和に暮らせるという、ただそれだけのことです。
 普通の生活を毎日続けることが本当の幸せであると娘の私に言いつづけたのは、結核で前途を閉ざされ、家族を病気で亡くして、幸せが一瞬で崩れるという経験をした父だからこその言葉だったと、私は思っています」

普通でいることは難しい、なにをもって普通と成すのかも分からない、多くの人は普通という定義もなしに普通という言葉を使う。

藤沢周平氏の本の中には、普通の人々が数多く登場する。
武士道が苦手となにかの本で読んだ気がする。普通の人は武士道が苦手だ、だってそう簡単には死にたくないから。

普通の人は普通でいれさえすれば幸せになれると、そしてそれはほんの些細なことで崩れることもあると普通の人は思う。
だから普通の人は祈らずにはいられないのかもしれない。
自分以外の者たちのためにも・・

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永井荷風 3

2008年03月30日 | 絵 その4
080330


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永井荷風 2

2008年03月29日 | 絵 その4
080329


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永井荷風

2008年03月28日 | 絵 その4
080328b
新聞を読んでいたら「永井荷風的生き方」が注目されていると書かれていました。

即効で描いてみました。(似ていないけど)

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