「ヒグマが育てる森」(前田菜穂子著)を読む
1960年代までは、ヒグマは絶滅してもらいたいと考えていた道民も多かったといいます。
近年までは、森にいってもヒグマに出合わないものという認識で、どうしてヒグマと出合うようになったかは、針葉樹の植林で人里まで現れるようになったそうです。
昔は、どんぐりが絨毯を敷き詰めたように森に存在していて、ヒグマにとっては人里に下りてこなくてもよく、現在のような状況を招いたのも人の存在なのだろう。
ニホンオオカミも身勝手な排除思想で絶滅に追い込まれてきました。何が邪魔って排除思想を持っている人間こそ邪魔ではないかと考えます。
犬や猫を殺処分しない日本の方が、より住みやすいと思います。自然や動物たちを大切にすれば、その分、人の世界も穏やかになると思えます。
人とヒグマが共存できるような公的教育機関は日本にはなく、こうした認識不足が野生動物との共生を遅らせているのかもしれません。