アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

ピカソ

2009年07月31日 | 絵 その9
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小林秀雄の本をパラパラとめくっていたら、ピカソのことが書かれてありました。
ピカソの秘書サバルテスがピカソのことを書いたものを題材に、蒐集僻について語っています。

ピカソの部屋を品物の迷宮と称し、その部屋を見ずとも彼のポケットを覗けば、紙屑、釘、カギ、ボール紙、小刀、ノート、マッチ箱、タバコ、ベンジンの切れたライター、勘定書、ぼろぼろの手紙、糸、リボン、ボタン、消しゴム、鉛筆、万年筆など、こういったものが充満している。

ある時、なぜこのようなものを集めるのかと尋ねると、こうに答えたそうです。
「・・・持っているからあるので、貯めたからあるのではない。有り難いことに、手に入ったものを、棄てねばならぬ理由がどこにあるのか」

小林秀雄は、ピカソはサバルテスの質問に対して、面倒(説明が困難)だからこうに答えたのであって、絵を描くという目的であれば、ピカソにとっては全ての物が等価なのだと記しています。

よく言われることだけど男性諸君にとっては、ポケットというのは魔法の袋のようなもので、すべての物は等価として存在する。
もしかしたら、そのポケットから運悪くこぼれ落ちた物品は、直ぐさま忘れされてしまうようなものであっても、そこに存在していたという事実は、きっとあるのだろう。



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人間という悪魔

2009年07月30日 | 読書日記 その6
「柔らかな頬」  桐野夏生著  講談社

別荘で5歳の女の子がいなくなる。
母親が不倫中の出来事である。
4年後、ガンで余命いくばくもない元刑事が捜索に手を貸します。
母親の過去や色んな事情を抱えた人間たちをあぶり出す。
子供を殺したのは誰か?
その犯人は、最後まで明かされることはありません。

僕流の解釈だと、人間を描いた小説です。
だから犯人は誰かは明かさなかったのでしょう。

人と人間、人は人間を認識するが、人間は人を認識することはできない。
だから多くの悲劇が生まれ、鬼畜化した人間は多くの人を巻き込み、人を不幸にする。

ラストに、この小説で唯一人として描かれている少女が回想の中で吐く言葉は、読む者を哀しみや切なさへと突き落とします。
作者は、この言葉を吐かせたいために、この長篇を描いたのかもしれません。

追記
またまた僕流の解釈になりますが、この少女を殺したのは、この小説に登場する全ての人間ということになります。

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ベルマン・ヘッセ氏

2009年07月29日 | 絵 その9
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「幼少の頃は、虫小僧だったんだよ。
 晩年は庭仕事に精をだし、思索瞑想の日々だったな。
 私も歳をとったものだ」


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ノイズ

2009年07月28日 | 読書日記 その6
「アンチノイズ」        辻仁成著     新潮社
「恐竜は虹色だったか?」 ビートたけし著     新潮社

区役所に勤め、町中を騒音計測器を使い計測する主人公。
いつしか音に興味を示し、発生する音を町地図に記す。

恋人フミの動向に不信を抱き、盗聴器をしかける。
そこから発せられる音は、彼にどんな思いを抱かせるのか・・・

後者の本には、虫の鳴き声のことが書かれてあり、日本の虫は外国に比べてバリエーションが豊富な鳴き声を持っているそうです。
「ジーッ」とただそれだけで鳴いていたら、ただのノイズなのであろうが、日本の数限りない虫たちの鳴き音は、日本人の感性までも変えたということなのかもしれません。

音色という言葉は、もともと日本にあった言葉なのか、外国から入ってきた言葉なのかは知りませんが、多様な音があってこその音色なのであろう。

僕のHPには、「音の風景」と題して少しだけ音を載せています。
他人からしてみれば、ただのノイズでしかない音でも、僕にとってはそこには風や薫りが記されていて、目をつむれば画像が表示される。

音に対して無関心になった時に、われわれの風景は崩れていってしまうのかもしれません。

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ネット西瓜

2009年07月27日 | ロハス
090727

今では10センチ程に実っています。
あと2週間後に無事収穫できるでしょうか。


コメント (3)
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