アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

理想の部屋

2008年05月31日 | 読書日記 その4
『いつか読書をする日』という題名の映画だったと思うのですが、題名に惹かれて借りて観たことがあります。
田中裕子扮する独身の女性が長崎という町を舞台に過去の恋愛を忘れることなく暮していくという話です。

部屋一杯に飾られている本の中で「カルマーゾフの兄弟」を読んでいるシーンがありました。
なんらかの意味があると思うのですが、この本を読破していない(挫折)僕には知る由はありません。
最後の台詞が「これからどうするの」にたいして「読書をします」だったろうか。

本に囲まれた部屋の中で程よい時間を過ごしたいなと思います。
安楽椅子があって、BGMは自然の音がよい、本をめくる時に作り出すゆるやかな風がコーヒーの香りを部屋一杯にまき散らす。

その部屋には時計はなく、読み終えたページで時間を知る。
だから本によって時間の進み具合は違うのだ。

いつしか出入り口のドアが本の表紙になって、僕は本の中へと自由に出入りするようにその部屋へと導かれる。
理想の部屋とは、こんな部屋だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

理想の本屋

2008年05月30日 | 読書日記 その4
『三四郎はそれから門を出た』  三浦しをん著  ポプラ社

雑文集です。
著者は理想の本屋としてこのようなことを書かれています。

「天井でゆっくりとまわるファン・・ちょっとした喫茶件バーがある。店員さんは親切で商品知識が豊富。店員さんの制服は、男性は書生風。つまり、袴をつけ、着物の下に白いシャツを着て、下駄を履いているのである。女性はカフェの女給風。大正時代っぽいレトロ調は、この本屋のオーナー(私だ)の趣味なのだ」

まちの本屋が消えゆく中、理想の本屋は自分の頭の中にでしか存在しなくなってしまった。
かくゆう僕も、ネットで注文して本屋で受け取ることが多くなった。

一日100冊の新刊本が出版され、どのように選んでいいのかも分からず、ベストセラーは放棄してしまった。
良いのもは残る、その選択肢と相性の良い批評家と信頼できる人の言葉と一期一会がたよりとなる。

本の存在は、あーなんて人生は短いのだと思わせる。
「悠々と急げ(開高健)」だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然免疫

2008年05月29日 | 雑想
今期もインフルエンザ、風邪にかかることもなく、無事に過ごすことが出来ました。

年齢を重ねるたびにナチョラルキラー(NK)細胞が少なくなるというので、免疫力低下には気をつけたいものです。(といってもどうにもならないのか?)

この細胞は人の心に例えると「良心」ということであろうか。
年齢と共に良心が減っていくということはないでろうと思うけど、これもまた気をつけたいものである。

もしおかしいなと思ったら、埃のない世界(自然)で孤独になって考えることかな。
人には孤独(薬)は必要だと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛び出る本 14

2008年05月23日 | 絵 その5
080523
『翼よ、あれがパリの灯だ』 チャールズ・リンドバーグ著 

「私はこの飛行が安全だから飛び立ったのではなかった。地上の何ものよりも、空と、飛ぶことを愛するがゆえに、ただそれだけの理由で飛んでいるのだ。」

「もう50年もたてば、だれでも飛行機で旅行することが出来るようになるであろう。しかし私は何百機もの飛行機が飛び回るなんてことを考えるのはいやだ。飛行機の発達は望むけれど、私は誰にも邪魔されない空の孤独を愛する。」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

常識人の狂気

2008年05月22日 | 読書日記 その4
『ものづくり道』 西堀栄三郎著 wac

20年ほど前に書かれた文章です。

探検家でもあった著者のアムンゼンとスコットのリーダーとしての比較論がおもしろかったです。
20世紀始め、南極点を目指して競った2つの隊。
結果はアムンゼン隊が先に到着して、そのあとにスコット隊が到着し、その帰りに全員が死亡しました。

リーダーとなるべき人間はどのように行動をし、どのように行動してはいけないのか。
僕個人は、リーダーとは平常心でいられ、ものごとを多面的に分析できる人たちと受け取りました。

その当時、南極探検に出掛けた白瀬中尉のことも書かれています。
最初は誰にも相手にされなかった白瀬中尉であったのですが、大隈重信の一声で南極に行くことができました。
著者は、「・・あくまでもそれをやり遂げようという執念をもった人間と、その非常識な夢をかなえさせてやろうという「大物」が必要なのである」と記します。

「「創造性」とは、従来常識と考えられていることとは違う「非常識でやる」ことであり「非常識にものを考える」ことであるから、それは並大抵のことではできない。世間には常識的な人間が多く、少しでも常識から外れようとすると批判したり足を引っ張ったりした挙げ句に、「馬鹿」とか「狂人」呼ばわりするからである」(本文より)

常識人のこうした狂気がほんとうは一番怖いと感じてしまいます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする