アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

静謐

2010年01月20日 | 読書日記 その7
「美しいもの」  赤木明登著 新潮社

「時々、僕が漆を始めた理由を尋ねられることがあるけど、答えはいつも同じで、「漆は静かだから」。反対にうるさいものが苦手で、都会に行くと、まあ楽しいけれど、耳にも目にもうるさくって疲れてしまう。」(本文より)

先日、著者の「美しいこと」を紹介しましたが、その本よりも3年ほど前に書かれたものです。
美しいものを創る14人を紹介しています。

僕は物欲というものは少ない方だと思いますが、それでも美しいものを持っていたいという欲望はあります。
僕にとっての美しいものとは、日常に使えてモノに対する職人の心構えというものが見えかくれするものです。
それでいて一般庶民が頑張れば手にすることができる値段であり、それを手にした時に静謐(せいひつ)さを感じ取れるものでなければならない。

美しいものは声を発することはないけれど、静けさを自己主張する。
いや、ひっそりと佇んでいるだけなのかもしれない。

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岡木太郎氏

2010年01月17日 | 読書日記 その7
100117

「僕は幸福のタネを描いているんだ。
 それを見た人が、発芽させようが育てようが僕の知ったこっちゃない」


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裸の王様

2010年01月15日 | 読書日記 その7
「ファッション中毒(スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた)」  ミシェル・リ-著

ラルフ・ローレンの言葉が載っています。
「僕は服をデザインしているんではない、夢をデザインしているんだ」

ファッション界が大きくなるほど、商業的になる。
もはやそこには夢など無くなっているのかもしれない。

経済不況の最中、夢よりも今日の生活の方が大事になる。
夢が存在していた時、今日一日の生活よりも夢の方が大事だった。

リーマンショックから、何か違う価値観が生まれることを期待していた人は多かった。
その価値観は生まれたのだろうか。

夢を身にまといポーズを決めてみたい。
価値観とは、こういったことではないのか?
それが出来ないのならば、「裸の王様」の方がよっぽど正直者だ。

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中流意識

2010年01月14日 | 読書日記 その7
「無名仮名人名簿」 向田邦子著 を読む

「自分は中流である、と思っている人が91パーセントを占めているという。
 この統計を新聞で見たとき、私は学校給食の影響だと思った。
 毎日一回、同じものを食べて大きくなれば、そういう世代が増えてゆけば、そう考えるようになって無理はないという気がした。」(「お弁当」本文より)

著者が小学生の頃、弁当を持ってこない子がいて、忘れた、お腹が痛いという理由で一緒に食べず、砂場で遊んでいたりボールを蹴ったりして時間を潰していたそうです。
その子に弁当を分けたりする先生や生徒もおらず、同情したりすれば、かえって気まずくなったりして、今思えばそれでよかったのだと回想する。
先生の弁当を見ても、それほど豪華とはいえず、薄給なのか、生徒に遠慮してなのか、粗末なものであったらしい。

現代は給食費を払える家庭でありながら、それを払わない親がいるというのがニュースになったりする。
向田邦子に云わせれば、中流意識の崩壊といったところか。

漬け物やメザシが一つしか御飯の上にのっていない弁当を持って、給食に食べていた時代があった。(この本に書かれている)
逆にコンビニで売れ残った弁当を、なんのためらいもなく捨て去る時代がある。

昔のようには戻れないとはよく云われる。
よほど精神が成熟していないと、そのようなことはできないだろう。

ただ、昼食の時間に校庭でひとりで遊んでいる子供がいた、ということは忘れてはいけないとことだと思う。

追記
向田邦子のエッセイには、いつも考えさせられるなあ。
30年以上前のものだけど・・


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羅針盤

2010年01月13日 | 読書日記 その7
「美しいこと」  赤木明登著 新潮社

塗師(ぬし)である著者が15人のものつくりの人と出会い紡ぎだしていきます。
前にも著者の本は紹介しました。(http://masagoro.mo-blog.jp/masa/2007/09/post_f029.html)

世の中には、美しいこと、美しいもの、美しい人がいるものだなあと気づかせてくれます。
そのことに気づかないのは、僕自身がそのようなことに無頓着でいたためだろう。

羅針盤は、いつも美しいことに向けておかないといけないと思う。
そして僕も美しいものを紡ぎ出す人でありたい。

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