アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

漢字の世界観

2024年07月30日 | 本と雑誌 その2

「白川静(漢字の世界観)」(松岡正剛著)を読む

・人という漢字は、左をむいているという意味。(支え合っているという意味ではないのね)

・白川氏は、文字の持つ本来の力というものを想定した。それを呪能(じゅのう)と呼んだ。呪能とは文字に込めた原初の働きのこと。

・白川氏の言葉で有名なものがあるそうです。「遊ぶものは神である。神のみが遊ぶことができた。遊とは動くことである。常に動かざるものが動くときに初めて遊は意味的な行為となる。動かざるものは神である。神隠るというように、神は常に隠れたるものである。それは尋ねることによって、初めて所在の知られるものであった」

日本はアミニズム(多神教)の国といわれますが、こういうことだったということです。白川氏は「遊」という漢字が一番好きであったと書かれてありますが、人生には遊びが必要なのであろう。

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森林で日本は蘇る

2024年07月21日 | 本と雑誌 その2

「森林で日本は蘇る(林業の瓦解を食い止めよ)」(白井裕子著)を読む

・作家の塩野七生氏は、経済大国から政治大国へ、そして文化大国が理想という。

・長い歴史と文化を持つ先進国の中でも、現代日本ほど大工を始めとする職人を社会の表舞台から裏へと追いやった国はない。

・近年で、木の値段が下がる原因の一つが補助金制度。山に木を植えて育て、道をつけ取り入れる仕事一つ一つに補助金が出る。中には、補助金は麻薬といってもらわない事業所もある。

・日本に大型林業機械を納めたメーカーの担当者は「日本に入れた機械は、ヨーロッパの3分の1しか動いていない」「日本は補助金で林業機械を買うから、ヨーロッパのように機械購入で借りたお金を働いて働いて銀行に返さなければならないという必死さがない」という。

・日本の林業は生産性は高くないが、安全性に問題がある。20歳から還暦まで40年働くと、25人のうち1人が亡くなる計算になる。

・日本の木材を輸出する場合は加工材はほとんどなく、輸入する場合は加工材が殆どである。

・森林環境税に関しても言及。目的も決まっていないのに国民は支払わされる。

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宮大工の故西岡常一氏の本の中に、宮大工は畑を作れという言葉がありました。食べ物は自分で確保せよということです。それだけ収入に恵まれていません。子供たちの学資も田畑を切り売りしてやりくりしたそうです。

それだけ職人というのは価値ある仕事をしながらも評価が低いということです。

映画監督の黒澤明氏は、監督と言われるよりも職人と言われたいと対談の中で語っていました。映画を作るにあたっていろんな職人がいます。その中の一人だという認識でしょうか。

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旅する蝶

2024年06月08日 | 本と雑誌 その2

「旅するチョウを守る
カナダ南部からメキシコまで大陸を縦断するオオカバマダラ」ナショジオ誌 2024年 1月号より

何千キロも旅をするそうですが、その速度は自転車で走るのと同じだそうです。

誰からも教わることもなく、決められたルートを飛ぶそうですが、なぜそのようなことができるのかは分かってはいないそうです。

ただこの蝶も数を減らしているそうで、多くの人たちが保護に参加して守る努力をしているそうです。

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2024年05月28日 | 本と雑誌 その2

「核のプロパガンダ(原子力はどのように展示されてきたか)」(暮沢剛巳著)

「各地に建てられた原発のPR施設、原爆の災禍を伝える広島・長崎の平和館、原子力の平和利用を訴えた万博や、第五福竜丸展示館、丸木美術館など、展示から核の戦後史を語る」(帯より)

著者自身は、原発は反対でも賛成でもないという立場でこの本は綴られています。


核の廃棄物施設の中を見ることはなかなか許可は下りないとようですが、20002年7月号のナショジオ誌には、写真付きで記事が載っています。
「現在、全米114カ所の核関連施設では、これまで先延ばしにされてきた放射性廃棄物の除去作業が進められている。小規模な施設の多くは作業を終えたが、 大規模施設はこれからという状態。商業用と軍事用の原子炉から出た、4万7000トンもの危険な使用済み燃料をどう処理するか。プルトニウム加工の工程で 出た3億4400万リットルの高レベル放射性廃棄物、何トンものプルトニウム、50万トン以上の劣化ウラン、それに膨大な量の汚染された機材や金属片、作 業衣などの廃棄物をどう処理するのか」(紹介文)

日本での放射性廃棄物(2002年)の量は、低レベル廃棄物(六ヶ所村でドラム缶約14万本、各地の原発施設で52万本保管中)、超ウラン廃棄物(約8万7000ほん)、ウラン廃棄物(約11万2000本)、医療・研究施設機関からの廃棄物(約40万本、今後50年間で35万本が増える予定)だそうです。

便利さの裏側では、こうした廃棄物が生まれてしまう現実。

⬇️「日本列島はすごい・伊藤孝著 62頁」より
奥の細道の話になりますが、曽良の日記には、旅の期間中に芭蕉は温泉を除けは3度しか風呂に入らなかったそうです。
それだけ薪というものが大事であって、枯渇していたようです。
「17世紀中盤には日本の森林は疲弊し、四老中連名の「諸国山川掟」により森林の乱開発が禁じられ植林が推奨されるほどだった(森林飽和・太田猛彦著)」

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昔は川の氾濫も多く、水の安定供給もままならなく、それでいて江戸時代は小氷河期だったそうですから、人々の暮らしは辛いものだったのでしょう。

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季節と生物 乱れ始めたリズム

2024年05月18日 | 本と雑誌 その2

「季節と生物 乱れ始めたリズム(温暖化によって生物の活動時期に変化が起きている)」(2023年 4月号)

・米国コロラド州中西部の高地では、1962年から群れで暮らすキバラマーモットの調査してきたが、冬眠の目覚めが1ヶ月早まる。
 早めに活動することにより、採食する時間が増え、脂肪を蓄え、多くの子を産んだりしている。

・北米大陸東岸のメーン湾にザトウクジラが集結する日は19日遅くなった。一方、北太平洋に消息するマアジ・シロガネダラ・アラスカメヌケの産卵は早まっている。

・1970年代、キバナカタクリは蜜を吸うフトオハチドリが中米から飛来する頃に開花し始めた。それ以降、開花が17日早まる年はよくあるが、ハチドリの飛来は12日しか早まらなかった。この傾向が続けば、どこかの時点で花が終わってしまうかもしれない。

・2015年から16年には、大型の海鳥ウミガラスは最大100万羽も餓死した。
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鳥の繁殖期には、雛の成長とともに食料となる青虫なども一緒に大きくなるという話を聞いたことがあります。こうしたサイクルも乱れてくるのかもしれません。

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