暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

苔香居-1 きもの虫干しの会

2012年12月08日 | 献茶式&茶会  京都編
             
                  苔香居の長屋門

朔日稽古の翌日、苔香居(たいこうきょ:京都市西京区山田上ノ町)の
「きもの虫干しの会」と「もみじの茶会」へ四人で繰り出しました。
今年4月にTYさんに連れられて訪問して以来、お気に入りの苔香居の会です。

阪急線上桂駅から徒歩15分位でしょうか?
東海自然歩道添いにある長屋門のある大きな家が苔香居で、
約1000坪の敷地に母屋棟、座敷棟、別棟、蔵、茶室があります。
どこか懐かしく、横浜市長屋門公園の佇まいを思い出しました。

苔香居こと山口家は戦国時代より当地にあって、代々葉室家に仕え、
下山田村の庄屋や各領の庄屋を勤めた旧家です。
「苔香居」とは茶人であった先々代が付けた庵名だそうです。

             
             
                  (豪華で精密な刺繍のある訪問着)

先々代夫人の着物類、約350点を年2回、虫干しを兼ねて
公開しているのが「きもの虫干しの会」です。
婚礼衣装をはじめ、時代を映す着物、贅を尽くした着物、
夫人のセンスとやりくり上手をうかがわせる普段使いの着物や帯などが
展示され、いろいろな楽しみ方ができます。

特に感心したのは、日付、訪問場所、組み合わせた帯などがタトウにメモされ、
幾度も着てびっしり書かれているタトウもありました。
この着物にはあの帯とワンパターンになりがちですが、メモは出来ないまでも
今までにない組み合わせを心がけたい・・・と密かに思いました。
さすが、着物姿の方が多く、若いかたもステキに着こなしています。

                         

母屋棟で手打ち蕎麦とご飯セットの点心を頂きました。
特製の手打ち蕎麦が絶品で、おくどさんの蕎麦席も風情があります。
別棟に出店の洒落た名前の「カフェ サボローゾスペシャリティーコーヒー店」、
ここの珈琲が美味しくお勧めです。
深煎りの苔香居ブレンドコーヒーに東京・小川軒から取り寄せたという
ビスケットが添えられ、お互いを引き立てています。

              
              

紅葉の美しい苔香居のきもの虫干しの会に四人とも大満足でしたが、
さらにもみじ茶会へつづきます・・・。
                                 

            苔香居-2 もみじ茶会へつづく     



師走の朔日稽古

2012年12月05日 | 稽古忘備録
             
                     (南禅寺にて)

師走の朔日稽古へ茶友が東京からやってきました。
今日庵が近々大改修に入るので、今日庵での朔日稽古は
当分できなくなるかもしれない・・・とお誘いしたのです。

前日に灑雪庵へお茶のみに寄って頂きました。
Kさん、Aさんとの嬉しい再会・・・Iさまのお香を聞く会以来でしょうか。

           

できるだけ普段のままお迎えしようと、
お軸は「平常心是道」、清水音羽山良慶和尚の筆です。
花は、寒菊と黄色の嵯峨菊を竹尺八へ入れました。
主菓子は「北野大茶の湯」(老松)、濃茶は「錦上の昔」(柳桜園)です。
台子点前で濃茶と薄茶を差し上げましたが、身体と頭が思うように動かず
稽古中の真之行や大円之真より難しかったような・・・。

「紅葉も好かったし、手塩にかけた庵で美味しいお茶を頂けて
 幸せなひと時でした」とAさん。
こちらこそ拙いお点前で失礼しました(汗)。
翌日に朔日稽古が控えているので、夕食は外でご一緒しました。

             

翌日、朝8時に会館へ伺うと、受付に大勢の方が並んでいました。
Kさん、Aさん、Oさんと合流し、今日庵の朝礼へ向いましたが、すでに満席でした。
今日庵との名残りを惜しんで大勢の方が全国から参加されたのでした。
かろうじて咄々斎へ入られるお家元と大宗匠をちらっと見ることができました。

その日のお家元のお話は、今日庵の解体修理のことでした。
今日庵の建物は人間と同じで、その生命は限りがあります。
伝統ある建物を後世へ引き継いでもらうためには
建物の体力があるうちに修復を行う必要があり、
お家元は「今やらねば・・・」と決断され、総会で承認されたのでした

今日庵には最も由緒の古い又隠席と今日庵席をはじめ、多くの茶室がありますが、
時間をかけて一つずつ解体し、材を全て残し、再利用するそうです。
そのため平成の大修復が完成するのに約7年の歳月を要します。
兜門南側に新しい稽古場・平成茶室が完成しており、修復に入っても
これまでと同様に行事、稽古、講習はそちらで続けられるとのことでした。

             
                 (冬の風物詩・・鴨川のユリカモメ)

             
             
                     (敷紅葉を愛でながら)

今日庵席が満員でしたので、KさんとAさんにはそちらへ入るように勧め、
Oさんと茶道会館席へ行き、I先生のご指導を賜わりました。
「稽古とは一からはじめ十を知り 十から帰る元のその一」
という利休道歌を引かれて、真之行という十をきちんと習得することで
一へ帰っても十を学ぶことによって得られたものがその点前に必ず現れる・・・
というお話など、含蓄ある内容で、楽しく学ぶことが出来ました。

KさんとAさんも朔日稽古へ伺って多くのことを学び、良い経験ができたことを
喜んでくださって、私も安堵しました。

                         

自転車に乗って 敷紅葉

2012年12月03日 | 京暮らし 日常編
紅葉狩りに浮かれていたら、はや紅葉も終わり近くになりました。

朝の冷え込みが厳しく、お日さまが出ていてもサッと時雨が来ます。
手分けして家の掃除を済ませ、名残りの紅葉見物へ自転車で出掛けました。
先ずは腹ごしらえ、食材不足でお昼は外食です。
京大のカフェテリアもいいけれど、久しぶりに「Shizuku」へ行きました。
左京区カフェ探検に続いて2回目です。

「Shizuku」は志賀越道と白川疏水が交わる処にあり、
我が家から自転車で10分位でしょうか。
志賀越道は、京都七口の一つ、荒神口から北白川を通り、志賀峠を経て、
琵琶湖や西近江へ抜ける街道です。
京都大学が建てられたために分断されていますが、それでも古き街道の
面影がまだ残っている所があって、その風情を楽しみながら走り抜けます。

               
                    所々残る志賀越街道
               
                    街道添いにある大日如来          

白川疏水添いの桜紅葉が見える席に座り、ランチセットを注文し、
備え付けのガイドブックでこれから出かける所を相談しました。
近くには曼殊院、圓光寺、詩仙堂、狸山不動尊、金福寺、銀閣寺がありますが、
敷紅葉が見事だという「圓光寺」に決まりました。

               

               

圓光寺は、曼殊院から詩仙堂へ下りる道の中ほどにある臨済宗の寺です。
高台にあるので、此処から眺める京都の街の風景もなかなかです。
門をくぐると、一面の紅葉のじゅうたん・・・です。
ここは穴場ですが、それでも名残りの紅葉を愛でる人で溢れていました。

               

               
                     水琴窟
               
                     散紅葉に埋もれて・・・


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