暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

クリスマスの茶事  いそいそと茶事支度

2012年12月28日 | 茶事  京都編
                   萬壑松風供一啜 
              (ばんがくのしょうふう いっせつにきょうす)
              (一保堂に掲げられた木版に書かれた漢詩の一節)


今年は頑張ってクリスマスの茶事を二回しました。
そんなことは初めてでして、茶事の日が近づくにつれて準備もありましたが、
何よりも気持を集中したいためブログをお休みしました。

さて、いそいそと茶事支度ですが、炉になって初めての茶事なので
湿し灰作りから始めました。
湿し灰の作り方は私流秘伝(つまり、いい加減)なのでナイショです。
灰がちょうどよい具合に乾くまで時間が掛かるので、
始めたのは茶事の2週間ほど前、1週間前にはサラサラに出来上がり、
硝子瓶へ密閉保管しました。

                

それから炭、
炭手前が好きなので炭がすぐに無くなってしまいます。
近所の炭屋さんに枝炭が置いてないので、久しぶりに横浜の丸善へ電話しました。
すると、
「ごめんなさい。ただ今炭の注文は受けられません。
 炭の入手ができずに早くから注文された先生方にもお待ち頂いています」

思いがけず関東では炭の入手が困難のようですが
「置き炉なので風炉炭をお願いしたいのですが、在庫はありませんか?」
「一箱だけございます」
・・・というわけで、枝炭と一緒に送ってもらい、一安心しました。
炭は洗って干して炭籠へ詰め直しておきます。

                 

次は楽しいお菓子の試食です。
クリスマスの特別バージョンのお菓子が出回っています。
「雪餅」などの和菓子も魅力的ですが、迷わず和のテーストの洋菓子にしようと
「一善や」へ出かけました。
縁高へ入れたいので、ツリーのような脊の高い菓子は無理のようです。
リンゴと梨のタルトをそれぞれ試食しているとご主人が店に出てきました。
ご主人とは初めてお会いしますが、お茶(裏千家流)をなさっていて
和の心に学ぶ洋菓子づくりを目指していると伺っていました。

「クリスマスの茶事の主菓子に使うものを探しにきました。
 今試食したのですが、黒の縁高にアップルクリームチーズタルトを入れて
 ヒイラギを飾ったらどうかしら?」と私。
「茶事にお使いくださって、ありがとうございます!
 とても好いと思いますが、量が多すぎませんでしたか?」とご主人。
「そうなの・・・懐石後なので少量にしたいと思いました・・」
「それでは少し小さめにカットさせて頂きます」
・・・ということで予約し、ご主人と相談できてラッキーでした。

             
        

錦小路の食材など買物はいろいろありますが、茶舗めぐりも楽しいです。
濃茶は「柳桜園」、流派お好みの指定のない「錦上の昔」を買いました。
それから薄茶は、京都へ来て初めて「一保堂」にて・・と思い、
併設の喫茶室「嘉木」で試飲を兼ねて抹茶「関の白」を注文しました。
清水焼の松の絵の茶碗でとても美味しく点ててくださって、これを選びました。

                  

最後に水汲み、
いつものように自転車の荷台へペットボトルやポリタンクを積み、
梨の木神社の染井の水を汲みました。

さあ! これでやっと茶事が出来そうです・・・。

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            写真は、一保堂にて