令和6年5月5日(日)に「緑もさもさベランダ茶会」をしました。
お客さまは東京からいらしてくださったSEさまとYMさまです。
3人のお客さまを予定していましたが、お一人が前夜に高熱を出され急遽欠席され、2人になりました。何が起こるかわかりませんが、ステキなお客さまと膝を交えてお茶を差し上げ、親密なお話が出来てこれはこれで良かったかしら・・・。
八畳の茶室を待合(椅子席)にし、こちらで冷たいレモングラスをグラスに入れてお出ししました。
好いお天気でしたが、なんと!横浜の気温が28℃の予報です。それで、朝早くからベランダにパラソルを広げて少しでも涼しくなるように・・・と。
庭の掃除は一応しましたが、狭い割には木が多く、もさもさと葉が生繁っています。このもさもさの緑とその陰でひっそりと咲いている茶花がご馳走の一つなのですが・・・。
蹲を使ってベランダ席へ座っていただき、初炭から始めましたが、失敗ばかりでお恥ずかしいです。それでも炭がパチパチと音をたてだし、湯も沸いてきたようです。
立礼の薄茶点前で薄茶を点て始めてから、お菓子を出していないことに気が付き、慌ててお菓子をお出ししました。主菓子は「唐衣」(石井菓子舗製)で菓子器はサクラの木の鉢(須田二郎作)です。干菓子は花七宝、薄氷のサクラ、蕎麦板の3種を大内盆でお出ししました。
いつも茶事では半東さんに頼っていたことを思い出し、大いに反省です。
それでもお客さまは和やかに笑みを浮かべて、お菓子と薄茶を賞味してくださいました。
私の薄茶をお二人が交代で点ててくださり、ご一緒に頂戴しました。薄茶は金輪です。
・・・待合から、そして薄茶を頂きながら、次々とお話が尽きずに楽しいお席となりました。
忘れないように簡単な会記のようなものを書いておきます。
待合の床 「日日是好日」 柳生紹尚師の御筆
ベランダ席 煤竹のスイハツに短冊「薫風」(紫野 総見院久祐師の御筆)と花
加茂川の籠花入に木葉のズイナと紫蘭をいけましたが、水揚げが今一つで・・・ショボン!
風炉は眉風炉(灰形は5月1日の灰づくり勉強会で奮闘したY氏の労作です)、真形釜は高橋敬典造、炭斗は松山籠、灰器は琉球焼、香合は花笠でした。
茶道具ですが、水指は高麗青磁三島、薄器は木製の小壷で「百姓、須田二郎の木工ロクロ作品」です。見立てですが、小壷の胴はサクラ、蓋はゼブラウッド、摘みはクルミで、すべて材が違っている木のコラボレーション・・・と作者の百姓、須田二郎さんが嬉しそうに語っていました。
茶杓は銅の打出しのある茶杓で、竹の茶杓を用意していましたが、風で落ちたり回ったりするので、急遽重みのあるこちらへ変えました。ベランダは外と同じなのでいろいろな工夫が必要になり、準備が楽しかったり慌てたり・・・でした。
もう1つ、建水は銅製の打出しで、作者は小林健太氏です。売り物ではなく植木鉢として使われていたのを、建水に使いたいので是非・・・とお願いして入手したものです。槍のさや建水のような形で、深さもあり、使いやすかったです。
(何の変哲もない畑の風景がひろがっています)
12時過ぎに茶会が終わり、車でカフェレストランへ。予約していたテラス席は目の前に畑が広がっている田舎の風景が料理よりお気に入りなのでお二人をご案内しました。
暁庵はカレーのプレートとリンゴジュースを注文しました。プレートには野菜も多く、けっこうボリュームがありましたが、おしゃべりしながら完食です。
(薔薇だけでなく、もさもさの緑が嬉しい!)
ランチ後、また車で近くの「薔薇園」へ寄りました。いつも心を揺さぶる「薔薇の詩」が浮かんできます。
薔薇ノ木ニ 薔薇ノ花ガ咲ク
ナニゴトノ不思議ナケレド (白秋)
今年も何事もないように薔薇の花が美しく咲きそろい、私たちの目を楽しませてくれました。
まるで「秘密の花園」に来たみたい・・・そんな声が聞こえます。
薔薇の茶会の時に使ったガゼボ(西洋風あずまや)の椅子に座って、またまた茶談義が始まります。
(またまたガゼボでおしゃべりとくつろぎの時間)
まさに薫風、心地よい風に吹かれながら、近い将来歩みたい気宇壮大な茶の道のお話しをするSEさま、ロバが好きで素敵な本の話を語ってくださるYMさま・・・・ず~っとお二人のお話を聴いていたいと思う、平和で閑かで幸せな時間でした。
「緑もさもさベランダ茶会」へ来てくださって、本当にありがとうございました!