(初座の点前座の設え)
挨拶が終わると早や12時近くになり懐石をお出ししました。
またまた伏傘懐石です。颯々の茶事、曉雪の朝茶事、夕去りの茶事に続いて4度目ですが、社中のお客さまに経験して頂きたくって伏傘懐石にしました。
今回も小梶由香さんに懐石をお願いし、給仕は水屋のAYさんが前回の夕去りの茶事に続いて活躍してくださいました。
伏傘懐石の最初の御膳です。飯椀に2回分のご飯を入れ、蓋は汁椀をかぶせます。向付を正面に置いて持ち出します。
盆に一人二杯分の汁の入った金色(鍋)を載せて正客へ持ち出し、セルフサービスで汁をよそっていただきます。
伏傘懐石の献立を記します。テーマを取り入れてくださった向付の鯛の月見仕立て、そして今や高級魚となった秋刀魚の八寸、なめこ、南瓜、秋茄子・・・季節のシュンを取り入れた懐石料理をきっとお客さまは舌鼓したことでしょう。
献立(小梶由香作成)
飯 二杓
汁 合わせ味噌 なめこ みつば
向付 鯛 月見仕立て 浅草海苔 山葵
椀盛 南瓜饅頭 隠元 青柚子
焼物 丸茄子鳥味噌餡
預け鉢 小芋 とり オクラ
箸洗 蓮の実
八寸 秋刀魚煮 ししとう焼き
湯斗
香の物 沢庵 赤蕪 胡瓜
酒 「大七」(だいしち) 福島県二本松市 大七酒造
(椀盛 南瓜饅頭 隠元 青柚子)
(初炭に用いた玄々斎好みの松唐草炭斗)
初炭になり、玄々斎好みの松唐草炭斗を点茶盤の下段から取り出し、水指前に置き、灰器を持ちだし点茶盤下段の右側に置きました。円椅を風炉前に動かして座り、羽箒、香合、袱紗をさばいて釜の蓋・・・と社中の皆様が見つめる中、手前を進めていきました。
下火は丸ギッチョを4本入れてましたが、伏傘で懐石がスムースに進んだので十分間に合いました。下火を直し、炭を置きます。
香合は琵琶香合(山中塗の中村孝也作)、武蔵野を彷彿させるススキが原に月が上る蒔絵が描かれていて、「野月の茶事」に使わずにいつ使うの?と思いながら選びました。香は沈香(松栄堂)です。
(主菓子は「すや」の栗きんとん、銘「やまじ」です)
待合の椅子席へ動座して頂き、半東KTさんが主菓子をお出しし、中立のご案内をしました。
主菓子は岐阜県中津川市の「すや」の栗きんとん、銘「やまじ」です。水屋でお相伴しましたが、しっとりとした栗きんとんに小さな栗が絶妙に混ざり合ってとても美味しく、「すや」の栗きんとんをご用意できてヨカッタ・・・。
先ほどの通り雨で腰掛待合が濡れて使えず、銅鑼の合図で待合から露地へ出て頂き、蹲を使って後座の席入りをしていただきました。 つづく)