暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

涅槃会の日に・・・東京教室の稽古

2022年02月26日 | 稽古備忘録・・・東京教室の稽古

 

2月15日はS先生の東京教室の稽古でした。

この日はお釈迦様が80歳で入滅した日とされ、涅槃会(ねはんえ)の法要が行われます。

点前担当だったので、少し早めに到着しました。

門近くのしだれ梅が丁度見ごろです。すっかり葉を落とした大銀杏の貫禄ある裸木を横目に茶室へ急ぎます。

 

 

床に「春来草自生」(春来れば草自ずから生ず)の御軸、和かなお筆ですが筆者が・・・。

稽古が始まり、最初に暁庵が真之炭をご指導いただきました。正客はRさん、次客はIさんです。

お点前だけでなく、炭や炭斗のお話、羽箒の清め方、そして見事に整えられている炉中の灰についてもお話があり、ず~っとS先生のお話を拝聴しながらお点前をしていたい・・・と。

香合は17世紀(明末~清時代)の古染付の木瓜香合写で、お持ち出ししました。香は「〇〇〇のお祝いに茶友から頂戴した黒方(松栄堂)でございます」

・・・さてここで、真之炭に使う炭道具について調べておくのを忘れました。幸い、お尋ねがなかったので切り抜けましたが、真之炭にふさわしい炭道具を炉と風炉で勉強して臨むべきだったと反省しています・・・。

見事な白鳥の座箒を使って、久しぶりに座履きをしました。こちらも細かくご指導いただき、とても嬉しかったです。ありがとうございます!

この日は真之炭、真之行台子、盆点、茶碗莊、逆勝手入子点(絞り茶巾)、逆勝手平花月、茶通箱付き花月と、充実したお稽古が続きました。

 

      (逆勝手平花月の点前座)

      (本堂へ向かう途中の庭の敷松葉が美しい・・・)

稽古途中でご住職がS先生にご挨拶に来られ、

「今日は涅槃会なので本堂横に茶席を用意しました。お稽古が終わりましたら、どうぞ皆さまでいらしてください」

・・・それで終了後、紅白の梅が咲き、敷松葉の美しい庭を見ながら本堂の茶席へご一緒させて頂きました。

 

       (涅槃会の茶席)

ご住職から涅槃会のことや茶席の設えのお話を拝聴しながら、趣のある逆勝手のお席で干菓子(熊本の「松風」)と薄茶一服を美味しく頂戴しました。

「涅槃(ねはん)」とはさとりの境地、苦しみが消滅した状態を意味しているそうで、お釈迦さまの入滅を「涅槃」と称しています。

「涅槃会」では、入滅された時の様相を描いた涅槃図を掲げ、ありし日のお釈迦さまを偲んで法要が営まれるそうで、法要後に茶席で茶をふるまわれているとか。

 

       

本堂には墨絵の大きな涅槃図が掛けられ、紅梅がお釈迦さまを偲ぶかのように満開でした。

思いがけず「涅槃会」のお茶をお相伴出来て、心温まる時間を過ごさせて頂きました。合掌!