暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

2020年炉開きと口切の会・・・(3)

2020年11月12日 | 暁庵の裏千家茶道教室

(谷川岳天神平から山頂を望む・・・温度1℃、積雪10センチ  11月4日撮影)

 

(つづき)

雨がぱらつき出したので蹲を使う席入が出来ず、後座の亭主KTさんが打つ銅鑼を合図に茶道口から席入してもらいました。

待合で暫時中立の間に湯相や火相を調え、床の掛物を外し、中釘に白玉椿と照葉を生けました。

 

前日心当たりの所へ椿を探しに行くと、白い椿が見事に咲いていました。2枝選んで持ち帰りましたが、朝に蕾が開いてしまい、なかなか思うようになりませんね。照葉はN氏が自宅から持って来てくださり感謝です。

緑釉が美しい花入は兵庫県たつの市在住の揖保川焼・池川みどりさんの作です。 

あれこれ忙しく、茶壷の紐を結ぶ時間がとれずにいたところ、KTさんが飾り紐を結んでくださり助かりました(流石!KTさん)・・・こうして、後座の濃茶が始まりました。コロウイルス対策で濃茶も薄茶もすべて各服点、適宜茶巾も新しくしています。

濃茶点前はM氏とSYさんにお願いしました。

「炉開きと口切の会」の濃茶は先ずは台天目で点ててもらいます。

お点前はM氏、天目茶碗2碗(油滴天目と玳皮盞(たいひさん)天目、もちろん稽古用です・・・)で点て、正客と次客に喫んでいただきました。

茶入、茶杓、仕覆を拝見に出してからM氏が水屋へ顔を出しましたが、台天目の大役できっと緊張したのでしょうね・・・額に汗をかいていらっしゃいました。

でも、いつものようにきれいなお点前で心を込めて、美味しい濃茶を練って差し上げたことでしょう。

 

 

続いて、吉野棚と水指(平戸焼色絵)を運び出し、茶入と棗を莊りつけ濃茶点前が始まりました。

お点前はSYさん、炉の濃茶点前を稽古する時間が取れなかったのですが、濃茶2碗(黒楽「喝喰」写と飴釉茶碗)を練っていただき、三客と四客に喫んで頂きました。後の3碗は水屋から各服でお持ち出ししました。

後で伺うと、家でお点前のことを考えてはため息ばかりついていたので

「そんなに嫌ならやめれば?」と息子さんに言われてしまったとか・・・。

「いろいろ心配だったけれど、でも、お点前をしたいし・・・今日濃茶点前をさせて頂いて本当に良い経験になりました」というSYさんのお話を伺って、私も嬉しかったです。

 

最後に員茶之式を行い、全員が薄茶を頂き、お点前をしました。

我が家は亭主床なので、床に旅箪笥を置き、道庫として使いました。替え茶碗10個、茶巾落としに替え茶巾5枚を旅ダンスに用意し、さらに下座に盆を置き、使用した茶碗を置くようにしました。

員茶之式の亭主はKTさん、札元はM氏、目附は暁庵がつとめました。十種香札の絵がわかりにくかったようで、M氏が札を読み上げると「これかしら?」「これは何?」、皆で確認しながら薄茶になったのでわいわいにぎやかで、楽しいです。

 

 

和やかに薄茶を点て合う様子をみながら、「トリ(仕舞い付けのお役)は誰に当たるのかしら?」と思っていると、今年はKさんでした。きっとお茶の神さまが何らかのメッセージを伝えたかったのかもしれませんね・・・。

亭主KTさんの送り礼で総礼し、員茶之式に従って順次退席し、待合へ動座しました。

これから特別鑑賞会が行われます。(つづく)

 

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