
5月5日(土)、端午の節句の日に初風炉の茶事をしました。
お客さまは五葉会(七事式の研鑽会)の皆さま、4月20日に五事式をしたばかりですが、
「初風炉の茶事へ是非ともお出かけください」とお招きしました。
初風炉の茶事へのお呼ばれは大好きですが、しばらく初風炉の茶事をしていないのを反省しつつ・・・。
半東と水屋は社中のKさんとFさんにお願いしました。
GW中だったので外出を控え、1日は庭掃除と道具の準備、2日は半東Kさんとリハーサルの稽古、3日は掃除と買物、4日は料理と花探しの散歩、茶事支度を無理しないように少しずつ分割してやってみました。
お蔭様でとても充実したGWの過ごし方だったような・・・。

花を探して・・・・「遍路道B」と名付けた近所の散歩道

大好きな「雪の下」が満開です

「青楓に杜鵑」(奥谷秋石画)
12時の席入りでした。
待合に五月人形を飾り、掛物は「青楓に杜鵑」(奥谷秋石画)です。
いつの間に皐月来ぬらむ
あしひきの山ほととぎす 今ぞ鳴くなる (古今集・詠み人しらず)
草深き横浜の我が家でも未だ杜鵑の鳴く声を聞いたことがないのですが、この御軸を掛けたら「もしや聞けるかも・・・」と期待しながら掛けました。
板木を打つ音が高らかに聞こえ、半東Kさんが白湯をお出ししました。
汲み出しは福島県の相馬焼。
初めて茶事に使う母の形見の品で、中に金の馬が駆ける如く描かれています。
(ここで茶事のハプニング・・・茶室からふと外を見ると、庭や露地の露が乾いてしまっているのに気が付きました。
お客さまが腰掛待合へお出ましになる前に・・・と、あわてて水を撒き、ホースを再び筧用に切り替えるつもりが上手く外れません。
仕方なく筧からの水無しで蹲踞をつかって頂くことになりました(トホホ・・・

お客さまがお帰りになってから再びやってみると上手くできましたので、もうもう焦って力ばかり入れていたようです

若葉がきらきらと光り、木々の濃淡の影が心地好く感じる露地でお客さまをお迎えし、最初のご挨拶を無言で交わします・・・誠に清々しく嬉しく初風炉ならではの素晴らしい一瞬でした。

床は「遠山無限碧層々」
雄渾の書は紫野・太玄和尚の御筆です。
遠く山々が果てしなく続き、山の碧もあさみどり、うすみどり、みどり、ふかみどり、群青となり連なっている・・・誠に雄大かつ深遠な風景が眼前に広がり、茶禅一味の世界でしょうか。
遥か遠いけれど山の高みを目指して、一歩一歩、一山一山辿って行く茶の道のように思われました。
日頃、五葉会で真摯に研鑽を重ねているお客さまお一人お一人と、心新たにご挨拶を交わしました。
正客宗里さま、次客宗真さま、三客宗悦さま、詰宗智さまです。
懐石は待合の椅子席へ動座して頂き、そちらで召し上がっていただきました。
右膝の負担を少なくするための苦肉の作ですが、ベテランのお客さまには椅子席が好評のようです。
今回は水屋Fさんと半東Kさんに懐石の準備盛付を一任したので、暁庵がうろうろするよりスムースに進み、お二人に感謝です。

盛付準備中をパチリ・・・
懐石献立(懐石は暁庵とFさんで手分けして・・・)
向付 鯛昆布締め 酢茗荷 蕗 山葵加減酢
飯 一文字
汁 粽(ちまき)麩 赤味噌 辛子
飯 青豆飯
煮物椀 竹の子と海老の真蒸 竹の子 ワカメ 木の芽
焼き物 鰆の西京漬
炊き合せ 里芋 鳥治部煮 青楓麩 オクラ
和え物 茸 長芋 春雨 酢味噌
箸洗 梅ジャム
八寸 甘エビ鱈子和え 蕗
香の物 沢庵 胡瓜 柴漬
湯斗
酒 越後桜
初風炉の茶事を楽しんで・・・その2へつづく