小笠原日記

夫婦で小笠原に移住予定です。どんな生活が待ち受けているか?とりあえず小笠原の生活を綴って見ようと思います。

雷雨

2006-02-28 17:40:46 | Weblog
早朝よりゴロゴロと雷の音がした。朝ごはんを食べ始める頃、雨も降り出した。昨夜はエイチャンのバースディパーティーを家でやったのでNHKの天気予報はチェックしてなかった。今日は天気が悪いのか。インターネットの天気予報を見る。矢張り今日は雨の予想だ。雷も雨も次第に強くなってきた。島に来て初めての悪天候、それでも心のどこかで変りやすい島の天気に期待していたが結局一日中降り続いた。

多少の雨なら出掛ける事も出来るが、マジ降りなのだ。島に来る時に折りたたみ傘をそれぞれ一本しか持って来なかった。午前中は狭いアパートの部屋で交代しながらストレッチする。その後は妻は読書、僕は釣り道具の手入れをする。本は島に来る時に娘の愛読書を数冊貰ってきた。今日の妻はその中の一冊、重松清の「流星ワゴン」を読んでいた。僕は既に読んだが、この中に出てくる車がこの島に来る時に廃車にしたオデッセイでしかもその車に乗っている人が僕と同じ苗字なのだ。この作者の本を娘は好きで、読み終わると私達に回してくれる。「その日の前に」と言う小説は超泣ける。一家で回し読みして、みんな号泣した。

午後になって、雨も小康状態になったようなので妻と町へ行く。郵便局で手紙を出し、農協でお金を引き出す。町は観光客の人達がパラパラとこの天気に困ったように小雨の中、散策していた。今日、ツァーの人達はどうしているのだろう。エイチャンも今日は団体さんが入っているって張り切っていたのに。
こんなに一日中、雨が止まないなんてテンションが下がりまくる。

テンションと言えば、昨夜のパーティーはテンション上がりっぱなしだった。エイチャンの40歳の誕生日を妻の手料理とカズチャンの手作りケーキで祝った。
相変わらず楽しいエイチャンの楽しい話でみんな笑いっぱなしだった。みんな大食漢なのでいつもボリューム満点の妻の料理もペロリとたいらげ、カズチャンのケーキもビッグサイズにカットしたにもかかわらず完食。サティスファクション!
アツイ男、エイチャンのアツイ夜は終始ハイテンションであった。

ずっといい天気だったので、すっかり悪天候の島は想定の範囲外だった。雨でも楽しく過ごせる術を探さなくてはいけないと思う今日この頃である。

島遊び

2006-02-27 16:43:49 | Weblog
風は朝には収まっていた。昨夜、食事の後でひとりで散歩に出た。青灯台を覗くとバート・ランカスターとパイプのオジサンが暗闇にヘッドライトをつけメアジ釣りをしていた。浮きもライト付きだ。掛かるとその浮きが暗い海にググーッと引き込まれる。面白そうだ。メアジはムロアジよりお腹周りがやや太い。本当に彼らは釣り好きである。年中ここで釣り糸を垂れる。それでも全然飽きないのだ。少し釣りをかじった僕なんかの想像を遥かに超えた凄いものがこの海の中にはあるのだ。彼らにはそれが判るのだ。

今日は雲が多いながらも晴れ間も覗く。お気に入りのコペペ海岸へ行く。妻は今日は潜らないが僕はシュノーケリングと泳ぎ釣りの道具を背負って行く。ビーチには既にエイチャン達がカヤックツァーの準備をしていた。今日の海は凪いでいるのでカヤックには最適だ。カズチャンも相変わらずの癒しパワー全開でお客さんにカヤックのレクチャーをしていた。カズチャンはエイチャンの最高のパートナーである。二人のツァーは本当に楽しい。今日も元気に出艇して行った。

ビーチで遊ぶ若いお父さんと赤ちゃんがいた。ふたりで本当に楽しそうに海遊びしていた。見ているこちらまで幸せな気分になれた。特別なものがある訳ではない。ただ、青い海がふたりをユッタリと受け入れる。自然に生きることはこんなに簡単な事なのに、なんで人間はわざわざ不自然に生きてしまうのだろう。この素敵な親子を見てそう思う。

今日のコペペはツーリストが多かった。若い女の子達が水着でシュノーケリングしていた。まだ2月だと言うのに、若さには敵わない。こっちはしっかり着込んで潜る。ダイビング船もコペペと小港の間に入ってきて、お昼休みを取っていた。
中山峠に目をやるとハイカーが上から見下ろしている。扇浦の方向からカヤックも入ってきた。沖ではお客さんを乗せた船が行きかう。みんなそれぞれに島で遊ぶ。

コペペの海は今日は魚が沢山いた。午後泳ぎ釣りでアズキハタを4匹釣り上げる。
もうすっかり泳ぎ釣りのコツを掴んだ。料理する妻の希望としてはもっと大物を釣り上げて欲しいみたいだが、そこまではまだ無理だ。今日もウツボが針を食いそうになって、ひとり海の上で焦っていた。島遊びと言うより、島に遊ばれてばかりだ。

今夜はエイチャンの40歳のバースディパーティー。賑やかな声が瀬掘アパートに響き渡ることだろう。

強風とスコール

2006-02-26 19:50:28 | Weblog
昨夜はガタガタと風が窓を揺らした。何度も目が覚めた。その風は朝になっても収まる様子はない。オガ丸は定刻通りに到着するだろうか。
風が強いので今日の予定が立てにくい。決めかねていると妻は家の中でストレッチを始めた。まあ今日は近場で過ごす事になるだろう。
結局、青灯台で釣りをする。妻はパン屋さんに出掛けたので先に釣り場に行く。今日は日曜なのでウィークデイとは違うメンバーだった。いつもの端っこのポイントへ行く。ユースのイトウ君も釣りをしていた。ナルオ君も顔を覗かせた。今日も島の若者は元気ハツラツである。

釣りだして早々、1匹掛かる。そのすぐ後、妻が到着した時に今までで一番デカイムロを釣り上げた。35センチはある。ちょっと、感動。
強風の中での釣りも手馴れてきた。今日は沢山釣れるのかなと取り越し苦労していたら、そのあとはプッツリ掛からなくなった。でも懲りずに糸を垂れる。最近はこの一見、空虚に思えるこの時間がたまらなく愛おしい。波と戯れる。

ところでオガ丸は予定の到着時間を過ぎてもまだ姿を現さない。今日は遅れているようだ。という事は揺れたのだろうか。26時間の長い航海、ただでさえ大変だ。
結局、一時間遅れで無事到着した。二見港に入って来たときデッキの人達に手を振った。本当にお疲れ様である。そうして島はまた賑やかになった。

午後、妻は仕事の面接に行く。カズチャンが仕事を紹介してくれたのだ。戻ってくると4月から働く事になったらしい。とりあえず良かった。髪結いの亭主にならぬ様、僕も頑張ろう。気持ちだけは前向きである。島の女神は微笑んでくれるだろうか?せっせと履歴書の作成に励む日々である。

夕方、妻と恒例の入港日のお買い物バトルに行く。明日はエイチャンのバースデーを家で開くのでお買い物にも気合が入る妻である。僕はボーっと外で待つ。今日も知り合いの人に会いまくる。挨拶されてもすぐに誰だか思い出せない人もいて、とりあえず笑顔で挨拶を返してゆっくり後で考えてみる。あー、年は取りたくないのだ。面倒くさいったらありゃしない。そんな事を考えていると急に雨が降ってきた。まったく島の天気は変りやすい。家路を急ぐ。

今日、前浜で三週間前くらいに貨物船の共勝丸で島に来てランドナーで島めぐりしていた男性に久し振りに会う。建設現場の仕事を見つけ、寮に入って島で暮らすそうだ。また島にハマッタ奴がいる。

ジョン&ジニー

2006-02-25 18:54:25 | Weblog
今朝、用を足しに町に出ると自衛隊の船が沖に停泊していてその乗組員達で町が賑わっていた。父タクのレンタルのビアンキのマウンテンバイクや原チャリでみんな意気揚々と出掛けて行った。長い航路の一時の休日を楽しんでいるようだ。

僕達は今日は久し振りに山歩きしようと言う事になった。行き先はジョンビーチとジニービーチを目指す。途中の小港海岸へは村営バスに乗る。バスを待っているとマッチョのジロー君がワゴンにお客さんをいっぱい乗せて、私達に手を振っていた。今日は自衛隊の人達とカヤックツアーみたいだ。屈強な人揃いで今日はいいね。

小港からまず中山峠へ向かう。秘境トレッキング以来の山歩きに最初足が慣れるまで時間が掛かった。しばらく登るとようやくエンジンがかかって15分くらいで中山峠に到着。ここから見渡す海は素晴らしい。青い海だが場所によって微妙に色が異なる。僕の貧しいボキャブラリーでは説明し難いが海は色んな青を湛えている。
ここでずーっと海を見ていたいところだが先へ進む。

ブタ海岸に到着する。ここは見た感じ地味な海岸ではあるが、サンゴ礁や海中生物が豊富なのだそうだ。いずれここでもシュノーケリングに挑戦しよう。
そこからまた山を登り小一時間、ジョンビーチに到着する。ピーグル犬を連れたオジサンやその他に二組のハイカーがいた。今日は土曜だから人出がある。
ジョンに降りてすぐジニーを目指す。ジニーへは僕は以前島に観光で来た時に一度陸路から行ったがビーチに下りるのが大変な場所だ。妻はカヤックでは2度行っているが、陸路は初めてだ。

上からジニーを見下ろして最初は躊躇していた妻も秘境トレッキングで少し自信をつけたのか何とか砂と崖の絶壁を下りた。このジニービーチは島で一番美しいビーチだ。美しいモノにはリスクが伴う。妻はここが大好きだ。息子とここにカヤックで来た時に自分が死んだら灰にしてここに撒いて、なんて言っていた。
そんな大好きなビーチに来たのに、急に雲行きが怪しくなり雨も少し降り出した。
また来る事を約束し、とりあえず今日は撤退する。島の天気には翻弄されてばかりだ。

ジニーの上に上がるとサーファーのチャッピーの船とパパヤの船が通りかかって手を振り合った。そう、島に来てから手を振ることが増えた。誰にでも海から山から手を振る。そうすると知らない人とでも繋がり合える。最高のコミュニケーション。
ジョンに戻るとビーチにはディンギーで出艇しようとする人がいた。ビーチから行ってらっしゃい、とここでも手を振る。大海原に気持ち良さそうに出て行った。

帰り道、隠れていた青空が再び顔を出す。また島に遊ばれた。まだまだ修行が足りないのだ。汗を掻きながら小港へ戻る。すると妻がバスだとゆっくり景色が見えないから歩いて帰ろうと言った。結局、コペペ経由でのんびり歩いて帰る。
コペペではジロー君がツァーを終えたとこだった。今日は南島へ行ったそうだ。僕達もまだ言ったことの無い南島、いいなー!今日は屈強な自衛隊の人達だから楽勝でしょう。南島を見ずして死ぬなと言うくらい素晴らしい南島、いつか絶対行こう。

村営バスは土曜、日曜は料金が半額になるらしい。知らないでいつも通り入れたら、返してくれた。ビンボー人には助かるサービスだ。


海岸ウォーキング

2006-02-24 17:57:00 | Weblog
昨夜は夕食の後、一人で行きつけの近所のバーへ行く。気のいいマスターのこの店は居心地が良い。一週間に一度の贅沢。あまり儲からない客で申し訳ない。
だから今日は少し睡眠不足である。なのに妻は早朝5時からトリノのフィギィアスケートを見ている。こっちまで目が覚めてしまった。一緒に観戦する。
妻は荒川静香が好きだ。妻曰く、フィギィアは技術も然る事ながら優雅で美しくなくてはいけないそうだ。妻の熱い声援は海を越えトリノに伝わったかどうかは分からないけど、荒川選手は何とゴールドメダリストになった。JOCも胸を撫で下ろしているだろう、なんて余計な事を考えてしまった。

今日はのんびり海岸沿いにコペペまでウォーキングする。途中、エイチャンを訪ねる。妻のウェットスーツを作る事にしたのでエイチャンの知り合いのお店でオーダーして貰う事になった。採寸表を取りに行く。エイチャンは扇浦の造成地で草刈をしているらしい。エイチャンは頑張ってそこの土地を買ったのだ。スゲエー!
造成地に行くとエイチャン、カズチャンはいた。草刈ではなく防災訓練に参加していた。そう、今日は村の防災訓練の日だ。何故か私達も参加して、おまけに非常食のお土産まで貰ってしまった。最近の非常食は素晴らしい。マフィンの缶詰である。そしてビスケットも。酒のツマミが無くなったらこれを食おう、なんて不埒な事を考える罪深き男である。

コペペに付いた頃、曇っていた空もいつもの如く晴れ渡る。そして海は凪いでいる。お昼ごはんを食べボーッとしていたらいつもここで昼休みを過ごすのがお決まりのコイケ君がやって来た。本当に海が好きなんだ。サーフィンの話とかで盛り上がる。彼が職場に戻った後、次に秘境トレッキングの時のメンバーの小笠原支庁の人もやってきた。矢張りお昼休みに海を見に来たそうだ。島のお昼休みは一時間半だ。みんなゆったり過ごす。ここはストレス社会とは無縁だ。

この島は本当に狭い。出歩いていると必ず知り合いに何人も会う。少ない人脈なのにしょっちゅう会う。コイケ君には今日は4回くらい会った。バーのマスターにも2回会うし、本当に狭い島だ。でもみんなさっぱりしているので窮屈感は無い。
歴史が30年くらいと浅いので島特有の閉鎖的なところが全く無い。そして偉大なる自然。この島ならずっと暮らしていけるだろう。

青い空にはハイビスカスの花が良く似合う。島の色とりどりの花は私達に元気を与えてくれる。