小笠原日記

夫婦で小笠原に移住予定です。どんな生活が待ち受けているか?とりあえず小笠原の生活を綴って見ようと思います。

テント

2010-05-29 15:00:01 | Weblog
5月最後の週末、今日出港して行ったオガマルの荷役を終え、夕方高校の警備の仕事へ出かけるまでのちょっとした時間パソコンに向かっている。

今週の父島は変わりやすい空模様。週の前半は南よりの風が比較的強く、小学校の社長と「どうして仕事の時には、良い風吹くのかな」と苦笑い。先週の日曜日、これくらいの風が吹いてくれればウィンドバッチリだったのに、中々お休みと風のめぐり合わせは間々ならない。自然が相手、こればっかりは我々の力ではどうにもならず「いずれ、当たる日が来ますよ」とお互い自分を納得させるしかない。

それでも昨日の金曜日、天気予報は雨の予報だったが、嬉しい事に午前中から小笠原の太陽が久々にお元気。北東の緩やかな風と言う事もあって、前浜の海は平水面、絶好のスイム日和。今週から始まったオガ高の体育の授業ウインドを楽しむ2年生の生徒達にはやや風が足りなかったようだが、顔見知りの生徒さんは「久々のウインド楽しかった」と満足そうだった。

僕も今週2度目の前浜スイム。前浜スイムフリークの面子も時の流れと共に少しずつ変化し、内地に引き上げた人もいれば、新しく加わったメンバーもいる。と言っても僕が勝手にスイムフリークと言っているだけで「コンチハ!」「お疲れス!」と挨拶する程度の、昼休みの前浜でしかお会いしない人がほとんどだ。

昨日の前浜は、この時期にしてはGoodと言えるコンディション。週初めの強めのオンショアで透明度はもう一つだったが、水温もそこそこ上がり、泳いでいて「気持ち良い~!」てな感覚。スイムの後も強い陽射しとそよ風、上半身裸でランチにシエスタ、ここならではの贅沢である。

「今日は、最高でしたよ」学校に帰って僕の言葉に、ある先生は「そうですよね、羨ましい~!」と絶句していた。

所で小学校のグランドにはテントが二張り。6月に予定されている5年生の小港キャンプに備え、テント張りの実地体験と言った所だろうか。父島は全域キャンプ禁止と言う事で、小学校の行事の一つとなっている5年生の小港キャンプは、島内で唯一経験できる貴重なキャンプ体験である。僕も小学校の用務の仕事を始めてから、都合が付く限り、荷物運びをしたりとお手伝いをさせていただき、生徒さん達のキャンプを楽しむ姿を目の当たりにしてきた。

娘や息子が矢張り小中学生の頃、我家でもキャンプに良く出かけていた。薄い布一枚だが、不思議とその下にいるだけで何とも言えぬ安心感と言うか、居心地の良さを感じてしまうタープの魅力。蛍光灯や家庭の電球では味わえない、ガソリンランタンの暖かな軟らかい光。そんなタープとランタンの下、家族で楽しむ手作りの食事。そして決して広いとは言えないテントの中、デコボコした土の温もりを感じながら、寝袋に包まっての睡眠。今にしてみれば本当に楽しい、懐かしい一時だったと思う。

今年の5年生の生徒さん達にも、父島で味わえる貴重なキャンプ体験だし、是非楽しい時間と沢山の思い出を作ってもらえればと願っている。

そう言えば偶然だが荷役仲間の一人が、最近自宅のベランダ(彼の家は森の中の斜面にあり、広いベランダの有る素敵なお家)にテントを張って息子さん(確か3歳くらい)と寝ている話をしていた。

「そろそろ、母親と離れて寝る練習させないとネ」

なるほど、テント、そんな使い方もありだな、と納得。

写真は、昨日グランドに張られたテント。

久々の快感

2010-05-26 15:58:12 | Weblog
またまたブログ投稿ずいぶんと御無沙汰してしまいました。今年の父島例年に無くシロアリさんの活動が早く、先週末辺りから毎夜のようにシロアリが発生。それに伴い我家は毎夜の空襲警報発令。明るいうちに夕食を済ませ、その後は灯火管制の元シロアリの空襲が去るまでじっと耐え忍んでいる状態。

勿論灯火管制下でのブログの投稿は不可能と言う事で、御無沙汰してしまいました。今日はオガマル入港の荷役を終え、夕食までの時間を利用してキーボードに向かっているところ。しかも先ほどから横殴りの雨、基本的にシロアリさんは雨の日はお休みと言う事で今夜は大丈夫かも。

さて話は先週の日曜日、前日夕方からの高校での夜警の仕事を終え帰宅したのが8時過ぎ。そして9時からは、このブログでもチョコット触れた青灯でのノロ落とし。小中のPIA総出で青灯付近の堤防の大掃除、そして青灯にはブイとロープが張られ、9月一杯子供達(勿論大人もOK)の遊び場となる。釣好きの我々には非常に辛い所だが、普段からずいぶんとお世話になっている青灯、そのお掃除に知らん振りも出来ず、僕もノロ落としのお手伝い。

約1時間の作業だが、矢張り人海戦術と言うのは凄い。子供から大人まで、頑張って堤防をこすり、見違えるように青灯付近はお色直し。毎週のように釣りでお世話になってきた青灯、これぐらいの事はして当たり前かもネ。

さてその後、妻はお喋り仲間とランチ&おしゃべりにお出かけ。フリーの僕はオガマル桟橋での釣りも考えたのだが、ネットの予報、12時頃南南東の風6メートルの情報に期待し、久し振りに前浜でのウインドサーフィンに挑戦。前回いつやったか思い出せないほどの御無沙汰。セッティングしようとセールを広げていたら、顔見知りの小学生から「橋本さん、穴が開いてるよ」と厳しいお指摘。「ほんとだ、直さないとネ」とテープで補修を始めたのだが、細かい傷があちこちに。一応気が付いた所は補修したのだが、セールは正にツギハギだらけ。

何とかセッティングを終え海に出たのだが、ネットの情報はどうやらガセだったようで風が足りない。それでもたまに吹くブローでは、何とかプレーニング。ストラップにも足が入り(この辺の表現はウインド経験者じゃないと分からないと思うので、適当に流してください)本当にお久し振りにあの‘快感’を味わう事が出来た。気が付けば2時間以上も前浜の海を行ったり来たりで流石にヘトヘト、と言うか心地のよい疲労と言う奴。ウインドはヤッパ面白いネ。これからは暖かくなるし、釣だけじゃなく、ウインドも頑張ります。

可哀そうだったのは、内の社長(小学校の校長先生)僕がプレーニングしているのを見て出艇したようだが、僕より20キロ以上体重のある立派な体格の社長のボードは、走らなかったようだ。それでも社長は新品のガストラのセイルの筆降ろし、お互い歳を忘れ童心に帰ったようにウインドサーフィン談議に花が咲いた。

写真は、妻のお喋り仲間&ランチの様子。

釣収め?

2010-05-18 18:16:45 | Weblog
御無沙汰しております。特別変わったことも無く、すこぶる健康的な毎日を過ごしているのだが、気が付けば10日ぶりのブログ投稿。

このブログでも触れたと思うが、4月から毎週土曜日の夜、高校の警備の仕事が僕の生活に加わった。土曜日の夜6時前から、翌日曜日の朝8時までの勤務。勿論土曜日の午前中はフリーだし、日曜日も8時過ぎには帰宅し、それ以降はフリー。しかし逆に考えると、土日両日とも完全フリーの日では無くなってしまうと言う事。

そんな訳で、ふと今月のカレンダーに目を向けてみると、5月中24時間完全フリーな日は、5月3日の祝日一日だけ。しかもこのところオガマルの運行が水曜入港の土曜出港と言う事で、土曜日はオガマル出港の2時まで荷役、その後高校の夜警と結構忙しい。

何が言いたいの?どう見てもグログ久し振りの投稿の、醜い言い訳にしか聞こえませんな。

一昨日の日曜日、そんな高校の夜警の仕事後、青灯でのムロ釣りへ。実は今週の日曜日、我々釣好きには嬉しくないイベントが。‘ノロ落とし’と言うやつなのだが、青灯周辺の岸壁に付いた貝や海藻等の付着物を取り除く作業。そしてその後、青灯にはロープとブイが張られ島民の水泳の場となる。つまり釣は事実上出来なくなってしまう。

このロープ、ブイが撤去されるのは9月の末。約4ヶ月の間、父島の釣のメッカ青灯での釣りはお預け。釣好きには大変厳しい状況だが、子供さんたちが楽しみにしている青灯での海遊び、小学校の用務員と言う立場を考えると、非常に微妙な心境だ。

そんな訳で日曜日はいつにも増して気合を入れてのムロ釣だったのだが、結果は散々。朝から夕方までコマセ2本使って、釣果は夕方餌が無くなり掛けた頃に釣れたムロ1本のみ。しかも午後からやって来た顔見知りの6年生の女の子が、僕が道具を片付け出す頃から、ムロを連発で上げだす始末。

そして帰宅後、夕方6時頃だっただろうか、ピンポーンと我家のチャイム。その女の子が「橋本さん、9本釣れたからこれあげる」とムロ4本をわざわざ持ってきてくれた。嬉しいやら、悔しいやら、非常に複雑な心境。でも彼女の気持ちはとっても嬉しかった。

Aチャン、サンキュウー、ありがたくいただきま~す。

かくして青灯でのしばしの釣収めは、合計5本のムロをゲット?メデタシ、メデタシ・・・
今後は桟橋での釣りで是非リベンジだ。

写真は昨日の前浜、ちょっと違った角度から。このところの父島、天気は良いのだが、北よりの風で、朝晩はヒンヤリ。今日も昼休み前浜スイムしたのだが、水温も低く、やや肌寒かった。暖かな内地が羨ましいこの頃だ。

悪天候のGW

2010-05-08 07:29:44 | Weblog
今年は曜日の並びで大型と言われたGWも、明日の日曜日でメデタク終了。皆様のGWは如何でしたか?

TVのニュースに因れば今年のGW、記録的な好天に恵まれたようですネ、内地では。

例年この時期小笠原のお天気はあまり芳しくないのだが、今年はそれこそ記録的な悪天候続き。4月29日から始まったGW期間中、まともに一日中晴れた日は、5月6日(木)の一日だけだったと思う。もしかしてGWは5月5日までで、6日は正確にはGW期間中ではないのかもしれないが。

まあ、細かい事は抜きにして、本当に小笠原のお天気は良くなかった。5月2日のオガマルでこの島にやってきた700名を越える観光客の皆さん、一般的には5月5日の船で内地に帰る人がほとんどだったと思うのだが、この人達、小笠原の太陽を拝めたのは、正に小笠原を後にする5日の日の午前中、ほんの僅かな時間だけだった。

いつも思うのだが、小笠原への旅は本当にリスクが高い。片道25時間以上の船旅と高額の運賃、やっとの思いでやってきても、今回のような悪天候続きでは小笠原の魅力も半減、いや、それ以下かもしれない。

そして今回など、内地は真夏日を記録する程の素晴らしいお天気。皮肉なことに、せっかくやってきたお客さんたちは、雨と曇り空、そして肌寒い小笠原から、真夏日の内地へと帰る事になってしまった、

このGW初めて小笠原にやって来た人達、もう二度とゴメン、と言う人もいれば、次は是非素晴らしい小笠原をと思う人もいることだろう。晴れて凪の小笠原は本当に素晴らしい所。ハイリスクもいとわないと言う人々、最高の小笠原を信じて是非又お越し下さい。

先ほども触れたがこのGW期間中正に最高の小笠原となった6日、用務の仕事の昼休み、久し振りに前浜スイム。真夏日の所も有ったと言う内地の暑さには敵わないと思うが、お日様が顔を出せば、その陽射しの強さは半端じゃない。今年初めてサーフパンツ一枚で泳いでみたが、泳ぎ出せば海水の冷たさも気にならず、スイム後も強い陽射しのおかげで裸でOK。これぞ小笠原と言う一日だった。

しかしその後は又曇天&雨の小笠原に逆戻り。沖縄は入梅したようだし、小笠原もひょっとして入梅?シロアリ博士の妻の信頼できる情報に因れば、既にシロアリも僅かだが発生した様で、今年は嫌なシーズン、一足早いのかもしれない。

写真は5月6日、好天の前浜の様子。

本物中の本物

2010-05-01 07:48:14 | Weblog
昨夜はボクシングの世界戦TV中継を楽しんだ。

このブログでも今まで何度かボクシングの話題に触れてきたと思うが、思い起こせば全てWBC世界バンタム級チャンピオン長谷川の試合後だったように思う。

自分で体を動かす事も大好きだが、スポーツ観戦も大好きな僕。特に何故か子供の頃からボクシングのTV中継観戦は大好きで、古くはF原田や海老原の世界戦に一喜一憂。二人が世界チャンピオンになった時には、子供心に興奮した事を良く覚えている。

当時はボクシング人気も今以上で、週3回ほどゴールデンタイムにボクシングの中継がオンエアーされていた。その後世相の変化と共に、ボクシング人気もやや陰りを見せ、TV中継は世界戦だけ、と言うのが昨今の現状だろうか。

そんな中、僕とボクシングの関係も、この島への移住を期にだんだん薄れてきてしまったように思う。内地では愛読書?だったスポーツ新聞もこの島には無く(この島には新聞自体が無い)ボクシングだけでなく、スポーツ全般に対する興味がやや後退気味である。

しかし、この島で偶然見た長谷川の何度目かの防衛戦、確か当時ランキング1位の挑戦者との指名試合だったと思うが、この試合を見て長谷川凄い!本物だと思った。恥ずかしながらその時まで長谷川と言うボクサーすら知らなかった。それくらいボクシングの情報から離れてしまっていた。

その後長谷川の防衛戦は欠かさず観戦、そして彼はKO防衛を続けその防衛回数は10回を数えた。押しも押されぬ‘黄金のバンタム’(昔はバンタム級をそう表現していた)の歴史に残る名チャンピオンの一人になったと思う。

そして今回11度目の防衛戦に選んだ相手はWBOの3階級(フライ、Sフライ、バンタム)を制覇し現バンタム級チャンピオン、メキシコのFモンティエル、こちらも本物だ。

昨夜の試合、ボクシングに多少なりとも興味のある方は既に御存知の事と思うが、残念ながら4R終了間際、長谷川はTKO負けを喫してしまった。確かに長谷川が負けてしまったことは僕も本当に残念だったが、その試合内容の素晴らしさに久し振りに感動。

本物中の本物の二人の世界戦、我家の小さなTV画面を通しても十分伝わって来る何ともいえぬ緊張感、久し振りにボクシング中継を見ていて鳥肌が立った。素人の僕が見ていても分かる、ものすごいフェイントの掛け合い、間合いの取り合い、スピード、そしてクリーンなファイト、出来る事ならもう少しあの試合を見ていたかった。ラウンドを重ね少なからずお互いにダメージを重ねスタミナを消耗した後半、どんな戦いをするのだろうか、本物中の本物の二人、想像しただけでもワクワクしてしまう。

それにしても、モンティエルの左は凄い。一発当てた後、慌てず正確に左をヒット、あそこで勝負は決まった。3Rまでの採点結果が示す通り、互角以上に戦っていた長谷川も勿論本物である事に変わりは無い。ただ昨夜はモンティエルの方がが強かった、そういう事だ。

こんな本物中の本物の戦い、もう一度見てみたいと思うのは僕だけだろうか。長谷川の再起に期待したい。

写真は、本文とは全然関係ない、先日嫌がる息子と行った時の、ハートロックの雲。