小笠原日記

夫婦で小笠原に移住予定です。どんな生活が待ち受けているか?とりあえず小笠原の生活を綴って見ようと思います。

涙、ナミダ。

2006-02-15 17:05:13 | Weblog
今日は息子、風太の出航日だ。10日間、本当に3人でよく遊んだ。この島で暮らしたお陰でこうして大学生の息子と一緒に過ごす機会が得られた。ケータイもほとんど用を成さないこの島で、都会育ちの息子は飽く事無く楽しんでいた。もともとシャイなので口には余り出さないが、その様子から島がとても気に入ったようだ。
真っ黒に日焼けした顔が眩しい。

出航は午後2時なので、午前中は二見港の前浜でのんびりする。今日はベタ凪で海の透明度も凄い。港の海を覗き込んだだけですぐそこに魚を見る事が出来る。息子がサヨリを見つけた。釣竿を持ってくるんだった。ちょっと、後悔。
前浜では今日のおが丸で帰る人達が出航までの時間、海と空の青さを目に焼き付けている様だった。

来る時、息子は船室がDデッキと果てしなく船底に近い場所だったので今日はCデッキを取る為早めに乗船する。デッキに姿を現した息子にどうだった?と大声で聞いたらCデッキが取れたそうだ。Cデッキは窓もあるので長い航路、気分的に少しは救われる。26時間は余りに長い。

エイチャンとカズチャンが見送りに来てくれた。記念の写真とハイビスカスのはなを持って来てくれた。入り口の所まで出てきた息子と熱いお別れをした。
ハイビスカスの花を船が出港して湾を出るまでに海に投げるとまた島に戻ってこれるという言い伝えがある。私達も観光で来た時、そうした。そしてここに居る。

蛍の光の曲が流れる中、おが丸は静かに出港する。4人で「風太くーん、いってらっしゃーい。お元気でー!」と叫ぶ。手を振る妻の顔は涙でグシャグシャだ。
みんなで走る。するとエイチャンとカズチャンが「船に乗せてもらいましょう。」と言った。おが丸の出航の時には地元のツァーの人達がそれぞれの船を出して湾の外まで見送るのだ。最後、船からガイドが飛び込むというパフォーマンスをする。
何とそれに乗せてもらえるらしい。みんな必死で走って船に乗り込む。

ゆっくり出航して行くとはいえ、おが丸は離れていく。私達の乗った船はグングンスピードをあげる。傍までいったが私達の存在に息子は気づくだろうか。叫びながらとにかく手を振り続ける。気づいた。少し、驚いた様子だが手を振り返した。
良かったー。またまた妻は涙でグシャグシャに。
そして、もっと素晴らしいことにエイチャンとカズチャンが最後海に飛び込んだ。なんて素敵な見送りだろう。息子にとってかけがえの無い思い出になるだろう。
エイチャン、カズチャンありがとう。

風太、お父さんとお母さんはいつもこの島にいるよ。また、遊ぼう。