今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1025 躑躅ヶ岡(群馬県)花にも香りにも酔って元少女

2022-04-30 11:28:13 | 群馬・栃木
ツツジを「躑躅」とは、随分難しい文字を当てたものだが、いつの時代かの知恵者が考えたのだろう、「数歩行っては止まる」状態を表す「躑躅(てきちょく)」という言葉を、ちょっとひねって「ツツジは人がつい足を止めるほど美しい花だから」と当てはめたらしい。ツツジは庭や公園の植え込みなどで生活には馴染み深い花木だ。見慣れたツツジについて改めて考えているのは、つつじ祭りで賑わう館林の「つつじが岡公園」に来ているからである。 . . . 本文を読む
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1024 岡山(岡山県)穏やかな街に激しい商戦が

2022-04-26 13:20:13 | 岡山・広島
岡山駅からまっすぐ西へ延びる「桃太郎大通り」は、岡山のメインストリートなのだろう、駅前広場から桃太郎が望むのは、大通りの先のお城である。私は2010年2月と2011年4月にこの街に来ているから、ほぼ11年ぶりの再訪だ。路面電車が行き交う大通りの風景は、記憶の岡山と変わりないのだが、どこか「綺麗になった」という印象だ。どこが変わったのだろうかと見回すのだが、よくわからない。この間の岡山に、何があったのだろう。 . . . 本文を読む
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1023 津山(岡山県)美作・津山は春爛漫

2022-04-22 10:26:25 | 岡山・広島
旅から帰ると、まず写真を確認する。今回の岡山旅行でも、900枚近い写真をパソコンに取り込んだ。すると津山で撮った中に、覚えのない1枚が紛れ込んでいるではないか。被写体として選ぶはずもない爺さんで、下から見上げるアングルも不自然だ。そういえばと思い出したのは、左手にぶら下げているカメラのシャッターを、人混みの中で誤って押してしまったことがあった記憶だ。どこの爺さんか、花に埋もれる笑顔は呆れるほど屈託がない。 . . . 本文を読む
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1022 玉島(岡山県)若き日の良寛が立つ円通寺

2022-04-20 16:51:52 | 岡山・広島
倉敷市玉島の円通寺公園から瀬戸内海を見晴らし、私は越後・出雲崎の日本海との違いをしみじみ思っている。日本海だって凪いで穏やかに晴れる日はあるけれど、瀬戸内ではあの冬の荒海はおそらく見られないだろう。丘の頂の狭い境内に堂宇を収めて、円通寺は花に埋まっている。1779年、22歳の良寛は師の大忍国仙に従い、越後から善光寺・江戸・京都を経て玉島にやってきた。この風光の故郷との隔たりの大きさに、何を思っただろう。 . . . 本文を読む
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1021 真備(岡山県)吉備路にはカタカナの祖真備さん

2022-04-17 19:12:04 | 岡山・広島
高梁(たかはし)川は岡山・鳥取県境を発し、岡山県西部の吉備高原に深い渓谷を刻んで南下、倉敷平野を貫流して瀬戸内海水島灘に注ぐ全長111キロの大河だ。以前、松江から岡山へ、伯備線の「特急やくも」で移動した際には、車窓は常にこの流れと絡み合っていた。中国山地を縦断する、数少ない道筋なのだろう。新見、高梁の街を下った急流が、平野部に出てようやく緩んだ辺りが総社市だ。そして対岸の小盆地が倉敷市の真備町になる。 . . . 本文を読む
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1020 総社(岡山県)吉備路なり花の向こうの五重塔

2022-04-16 08:29:50 | 岡山・広島
「総社」という地名は全国にたくさんある。7世紀に律令制による国の形が整えられたころ、国府近くにその地の神々をすべて集めた神社を建てたり指定したりした。新任の国司はそこに詣でれば、国内の神々には挨拶を終えたことにするという横着な目的で建てられたというから、必ずしも歴史的に重きを置かれているわけではない。だが地名は長く暮らしに刻まれるもので、その地は「総社」「惣社」「国府」「府中」などとして生き続けている。 . . . 本文を読む
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1019 鬼城山(岡山県)満開の眺め満喫鬼ノ城

2022-04-15 09:32:08 | 岡山・広島
本州西端部の中国地方は、「陰陽地方」とも呼ばれるのだそうだ。山陰と山陽のことなのだろう。その陰と陽を分ける脊梁が中国山地で、そこから陽側に広がる高原地帯は吉備高原と呼ばれる。兵庫県西部から広島県東部にかけての広大な地域で、古代の吉備国と重なる。岡山平野やそれに続く総社平野はこの高原の南端に縁取られ、標高400メートル前後の丘陵が緑の生垣のように続く。だから平野部の風景は広々として明るく、圧迫感がない。 . . . 本文を読む
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1018 吉備(岡山県)今や遥か「吉備の中山」桃太郎

2022-04-13 18:51:32 | 岡山・広島
私には歴史妄想癖がある。なかでも魏志倭人伝に記述された3世紀の倭国のクニグニが、次第にヤマト王権に収斂されていった4、5世紀のこの国の姿を妄想しがちである。近畿にヤマト、山陰にイズモ、九州にツクシ、そして山陽にキビ。東国にはケヌという地域王権もあった。ただ私はこれまで、キビを歩いたことがないものだから、妄想するための材料がない。そこで「キビ探索」へ、岡山市の西、総社市との境近くの「吉備の中山」を目指す。 . . . 本文を読む
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1017 直島(香川県)瀬戸内の陽が燦々と南瓜かな

2022-04-10 12:45:34 | 香川・徳島
瀬戸内海には周囲100メートル以上の島が727あるのだそうだが、面積が8平方キロあって、約3000人が暮らす香川県直島町の直島本島は、大きな島の方なのだろう。宮浦港から町営バスに揺られて行くと、道幅の狭さが離島であることを思い出させるものの、落ち着いた家並みは暮らしの豊かさを感じさせる。島の北部に大規模な銅精錬所があり、南部は岡山資本による「直島文化村構想」のホテルや美術館が建つ。恵まれた島なのだろう。 . . . 本文を読む
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1016 宇野(岡山県)静寂の連絡船が去った港町

2022-04-09 09:55:18 | 岡山・広島
岡山駅前のホテルに連泊し、吉備路の東西南北へ足を延ばそうと考えている。東は伊部を訪ねたから、次は南の瀬戸内の島に渡ろうと思う。そこで思いついたのがアートで評判の直島だ。地図を確認すると、玉野市宇野港に近く、フェリーで20分ほどだ。それなのに香川県である。岡山駅から「宇野みなと線」に揺られて40分余、宇野駅に到着する。吉備路はもとより四国にも縁の薄い私だけれど、それでも「宇高連絡船」は耳に馴染んでいる。 . . . 本文を読む
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1015 伊部(岡山県)一輪の「色」が似合いの備前かな

2022-04-07 10:25:38 | 岡山・広島
東京・三鷹駅の「みどりの窓口」で、用紙に「三鷹―伊部」と書いて往復切符を求めたところ、窓口の若い男性職員は分厚い時刻表をひっくり返したり、女性の同僚に応援を求めたりしてなかなか作業が進まない。とうとう諦めて「この駅は何と読むのでしょうか」と問うてきた。「いんべ」だと答えると、「あっ、あった。赤穂線ですね」とホッとした表情を見せた。それほど東日本では認知度が薄い街であるのに、私は3年足らずして再び訪れている。 . . . 本文を読む
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