今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

680 浜松(静岡県)ものづくり粗々しくも野面積み

2016-02-29 08:30:11 | 静岡・山梨
この荒々しい石垣は、浜松城の天守台である。無闇と積み上げただけのように見えるものの、「野面積み」という理に適った工法なのだそうだ。400年の風雪に耐えてなお緩みはなく、加工痕のない自然石を積み上げた姿は粗っぽいけれどむしろ美しい。私は訪ねた街に城跡があれば、なるべく見に行くようにしているけれど、城マニアというほどの熱心さはない。ただ20年前に見たこの石垣は、もう一度ゆっくり眺めたいと思っていた。 . . . 本文を読む
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679 二俣(静岡県)山中に鎮まりて好し白い雲

2016-02-28 06:46:20 | 静岡・山梨
日差しがあるとはいえ、風は冷たい。山あいの小さな街の駅前。女性たちが黙々と花壇の手入れを続けている。最も彩の乏しい季節だからこそ、わずかな花も愛おしいと、枯葉をそっと取り除く。山里と街をつなぐ天竜浜名湖線・天竜二俣駅の駅前広場だ。「ようこそ天竜市へ 天竜花の会」の看板が立つが「天竜市」はもうない。合併して浜松市になったのだ。しかし女性たちにそんなことはどうでもいい。わが街を美しくとの想いが勝る。 . . . 本文を読む
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678 掛川(静岡県)茶畑を走り回るは石松か

2016-02-27 12:08:31 | 静岡・山梨
「今日は、掛川にいます」というのは、いくらなんでも横着が過ぎると自分でも思う。何しろ掛川滞在は、東海道線から天竜浜名湖線に乗り継ぐ40分間ほどに過ぎず、ただ駅前通りをうろついただけなのだから。掛川から北西へ45分の二俣が本日の目的地。ここでは掛川から二俣までの沿線の記憶を綴ることにする。冒頭写真に抜擢したのは、そのエリアの中ほどに位置する遠州森駅だ。まだこんな懐かしい風景を残す街があるのだ。 . . . 本文を読む
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677 静岡(静岡県)せっかくの綺麗な街も人口減

2016-02-25 17:15:02 | 静岡・山梨
私が静岡市で2年間の単身赴任生活を始めたのは1994年4月だった。日本経済はバブルがはじけて3年ほど経っていたものの、それから今に至るまで、長期のデフレに苦しむとはまだ誰も思わない、繁栄の余韻が微かに燻っているころだった。それから20年、久しぶりに懐かしい街を歩いた。すぐに感じたことは「きれいになった!」だった。この街に「失われた20年」の影響はなかったのだろうか、再開発が着々と進められたようだ。 . . . 本文を読む
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676 登呂(静岡県)登呂人は富士を眺めて何想う

2016-02-24 11:39:59 | 静岡・山梨
復元された竪穴式住居の前で、古代の火おこし体験会が開かれている。参加者は1家族だけだが、博物館員の指導を受けながら、顔を紅潮させて「はずみ車」を回転させているお母さんは真剣だ。コートを脱いで本気で取り組んでいるのだが、摩擦熱による着火は一向に成功しない。しっかり体得したのは古代人の苦労と器用さのようだ。静岡市南部の登呂遺跡。住宅地の向こうに銀嶺が聳えている。登呂人も富士山を眺めていたわけか。 . . . 本文を読む
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675 真鶴(神奈川県)半島で地中海の「青」を見る

2016-02-23 14:10:46 | 埼玉・神奈川
真鶴駅から半島の先端に向かう路線バスは、坂道を下ると湾に沿って「傾斜地に張り付いた港街」を走る。やがて道は上り勾配となり、松や広葉樹の森に入って視界が暗くなった。乗客は私一人である。だから若い運転手は気軽に観光案内をしてくれる。ぼんやり聴いていると「ここで降りるんじゃないんですか」とバスを停めた。「中川一政美術館前」だった。15分も乗っただろうか、鶴の姿に似ているのだという半島は、実に小さい。 . . . 本文を読む
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674 三鷹(東京都)100号の絵画掲げる大騒動

2016-02-10 14:44:48 | 東京(都下)
わが家に100号の絵がやって来た。何しろ100号(F)だから、古いマンションには運び込むのもやっと。リビングで最も広い壁面に収まるには収まったものの、天井ギリギリまで掲げられ、絵はなんだか窮屈そうだ。いつか5、60号を懸けたいものだと考えてはいたのだが、それがいっぺんに100号になったのだから、絵も私自身もビックリしているわけだ。ただ「ヴェネチア」と題されたそのテンペラ画には、すっかり魅了されている。 . . . 本文を読む
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673 吉祥寺(東京都)この街にシカゴがあると知ってるかい?

2016-02-07 09:36:16 | 東京(都下)
吉祥寺は私の散歩コースにある街だから、路地に至るほとんどを知り尽くしている。ただ「そこ」に佇むたびに、私は不思議な思いに囚われる。「ここはシカゴではないか?」と。米国第3の都市シカゴ。それはJR吉祥寺駅北口からハモニカ横丁を抜け、ダイヤ街のアーケードを横切って突き当たる、コピス吉祥寺前のT字路だ。左手(西側)に目を向けると、通りの先を東急百貨店のタワーが塞いでいる。ここはシカゴの「あそこ」だ! . . . 本文を読む
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