今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

641 美祢(山口県)もしやもし美祢とは「嶺」か花吹雪

2015-04-30 15:54:15 | 山口・福岡
今日は4月1日。新しい年度がスタートする日だ。山口県県央部の美祢市の桜は8分ほど咲きそろい、週末の「さくら祭り」に備えている。厚狭川の橋の上で花を撮っている私の前を、女性が一人、軽く会釈して渡って行く。時刻からして、橋の先の市役所へ出勤するところなのだろう。地方創生が叫ばれても、地方困難は今年度も続く。彼女にとってはいい年でありますようにと、余計なことを考えてしまう。花が余りに美しいからだろう。 . . . 本文を読む
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640 秋吉台(山口県)カルストの神秘に口をあんぐりと

2015-04-29 08:41:31 | 山口・福岡
宇部でのインターハイに出場した際、帰郷する前にみんなで秋吉台見物に出掛けた。半世紀が経つからどうやって行ったかは憶えていないが、地図を確認すると宇部からはそれほどの距離ではない。秋芳洞にも立ち寄って、初めて見る鍾乳洞に驚いた。それよりも萩を観て来るべきだったと、帰ってから地理の先生に叱られたことは以前書いたが、やはりここまで来たからにはこの天下の奇観は観ておくべきだろうと、奥方を案内する。 . . . 本文を読む
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639 長府(山口県)静かなり長府の城下繭の中

2015-04-28 16:32:37 | 山口・福岡
下関市に合併する前は長府町といった。江戸時代には長府毛利藩の陣屋が置かれ、戦国時代に遡ると西国の覇者・大内氏がこの地で滅亡した。さらに律令の時代まで跳べば、長門国の国府・国分寺の地として「長府」の呼び名が定まった。ついでに神話の時代をひもとけば、熊襲平定のため西下した仲哀天皇がこの地に「豊浦宮」を興して政を治めたというのだから、一時的にせよここは倭国の都だったのだ。私たちは大変な土地にいる。 . . . 本文を読む
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638 門司(福岡県)トロッコがレトロな街をトコトコと

2015-04-26 14:11:25 | 山口・福岡
岸壁で釣り糸を垂れる彼らに「何が釣れるの?」と訊ねると、即「イカ!」と返って来た。「たくさん釣れた?」と問うと「まだ!」と、これまた簡潔である。九州男児は一言で答えるのだ。国際貿易港の役目を終えた門司港は、レトロを売り物に観光地へと衣替えし、年間300万人の客を迎えている。下関から5分間の船旅を愉しむと、もう門司である。海峡の幅は700mしかない。われわれも車を下関に停め、フェリーでやって来たのである。 . . . 本文を読む
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637 下関(山口県)豊かさに恵まれておりフクの街

2015-04-24 14:46:24 | 山口・福岡
下関という街は、本州島の《しっぽ》の先に当たる。いささか失敬な表現だとは思うけれど、北を上部に置く地図の常識を基にすると、そう言わざるを得ない位置になる。ただわずかな幅の関門海峡を挟んで、九州島という大きなたんこぶをぶら下げているしっぽでもある。こうした特別な位置にあるからこそ、この街は様々な歴史の舞台になったし、美味しい海の幸にも恵まれて、あまり例のない存在感豊かな街になったのであろう。 . . . 本文を読む
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636 宇部(山口県)半世紀経て思い出す常磐池

2015-04-22 13:46:09 | 山口・福岡
記憶は時とともに薄れて行く。しかし同時に、薄れ行く記憶を「懐かしさ」という薄衣でそっと覆ってくれるのも時間だ。1962年8月、私は宇部市で開催された全国高校総体バスケットボール大会に出場していた。ほとんどのことは忘れてしまったけれど、「常磐公園」という名前を憶えている。会場の体育館がそこにあったはずだ。記憶が薄れた分だけ懐かしさが増幅され、今回の旅では宇部へ回り道した。センチメンタルな旅である。 . . . 本文を読む
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635 山口(山口県)防長の真ん中にいて白狐

2015-04-21 15:24:42 | 山口・福岡
山口はいつも快晴である。まだ二度目の訪問に過ぎないのだが、今度は桜の見頃というプレゼントまでついている。国宝・瑠璃光寺の五重塔は、たおやかな立ち姿に桜花を纏い、その優美さはもはや私の表現力を超えている。京に憧れ、京を真似たかつての覇者の夢の跡だというけれど、この列島で、それぞれの土地で精一杯夢を追っていたころの時代は、一極に集中して地方が寂れて行く現代より満ち足りるものがあったかもしれない。 . . . 本文を読む
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634 津和野(島根県)日溜まりにアンペルマンの城下町

2015-04-20 16:15:19 | 鳥取・島根
山陰に行こうと思い立ち、いろいろプランを練っているうちに、山口路を廻ってみようということになった。なぜ山口なのかは説明が難しいが、滅多に行く機会がないから、という思いがあったのだろう。萩・石見空港から山口県をぐるっと回る計画で、島根県南部のその空港からは津和野を通って山口に向かうことになる。閑散とした地方空港だろうと想像していたら、行きも帰りも飛行機は満席だった。年度末、世間は慌ただしいのだろう。 . . . 本文を読む
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