今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1017 直島(香川県)瀬戸内の陽が燦々と南瓜かな

2022-04-10 12:45:34 | 香川・徳島
瀬戸内海には周囲100メートル以上の島が727あるのだそうだが、面積が8平方キロあって、約3000人が暮らす香川県直島町の直島本島は、大きな島の方なのだろう。宮浦港から町営バスに揺られて行くと、道幅の狭さが離島であることを思い出させるものの、落ち着いた家並みは暮らしの豊かさを感じさせる。島の北部に大規模な銅精錬所があり、南部は岡山資本による「直島文化村構想」のホテルや美術館が建つ。恵まれた島なのだろう。 . . . 本文を読む
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728 脇(徳島県)静かなり藍より青き空の下

2016-10-24 11:34:04 | 香川・徳島
「高松に藍染めの店はないでしょうか」と、妻がホテルで訊ねている。織りに関心のある彼女は染めへの興味も強い。翌日はジョージ・ナカシマの木工記念館に寄ってから高知に向かうことにしているが、地図を確認すると、記念館からまっすぐ南下して徳島県に入ると脇町に通じることに気がついた。脇からは、徳島道が高知に繋がっている。脇町に行って藍染めを見ようとコースを変えた。これで彼女も四国4県に足跡を残すことになる。 . . . 本文を読む
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727 屋島(香川県)源平は庵治石磨く艶の素

2016-10-23 18:32:31 | 香川・徳島
「庵治(あじ)石」という石材がある。正式名称を「黒雲母細粒花崗閃緑岩」といい、石英と長石を主成分にした花崗岩と閃緑岩の中間に位置づけられる石で、屋島の東側に、屋島と対峙するように瀬戸内海に屹立する五剣山の麓で産出するーー。資料を見ながら書いてはみたが、素人の私には見当がつかない。だが彫刻には最高の石材で、だからイサム・ノグチや流政之がアトリエを構えたのだと知ると、どこか納得できるからおかしなものだ。 . . . 本文を読む
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726 高松(香川県)静寂と清潔に漂うカフカ君

2016-10-22 21:05:52 | 香川・徳島
「四国に行こう」ということになった。 彼女にとって四国は、瀬戸大橋を渡って丸亀駅前の猪熊弦一郎美術館に立ち寄った、その1時間ほどの経験しかない未知の国なのだ。何度か旅している私にしても、 知らない街はまだたくさんある。5日間の日程で、できるだけ四国を感じ取れるようにと「まず高松に入り、高知に出て四万十川を遡り、西海岸から松山へと回る」コースを考えた。直撃が心配された台風は、日本海に逸れて行った。 . . . 本文を読む
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335 丸亀(香川県)・・・瀬戸内を朝に渡って昼帰り

2011-04-18 18:02:49 | 香川・徳島
まず広島に行き、岡山へと戻りながら途中の街を見物する今回の旅のプランを、立てたのは私である。山陽路は行ったことがないという彼女に、尾道や倉敷を案内したいと考えたのである。行程を練りながら、最終日に余裕があることが分かった。そこでひらめいたのが瀬戸内海を渡って四国に行くという大胆なアイデア。だが岡山から電車に乗れば1時間足らずで丸亀に着く。瀬戸大橋のおかげで大胆でもなんでもないことだった。 . . . 本文を読む
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295 善通寺(香川県)・・・讃岐路の空にこだます大師様

2010-09-03 11:33:10 | 香川・徳島
善通寺の誕生院をひと巡りして東院に戻り、お遍路さんの集団に巻き込まれて金堂にお参りし、五重塔を見上げて南大門を出ようとすると、学校帰りの小学生4人に出会った。黄色の帽子に赤いランドセルの、小学4、5年生とみた。ああ、お大師さんもこのころは、こんな具合にあたりを駆け回っていたのだろうと微笑ましく眺めた。1235年前にこの地に生まれた佐伯真魚は、後に弘法大師空海という日本史の巨人になったのである。 . . . 本文を読む
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279 琴平(香川県)・・・石段を登り切れれば讃岐富士

2010-05-12 17:34:38 | 香川・徳島
香川県は、47都道府県の中で面積が最も小さな県なのだそうだ。だからというわけではないが、私にとって最後に残った未踏の地であった。高松に行く用ができ、好機とばかり讃岐路を巡ろうと考えた。調べてみると、小さな県だが見どころは多い。東の屋島か西の金比羅さまか、迷ったあげく西を目指した。面積が狭いということは訪ねる者には都合がいいもので、ローカル列車にのんびり揺られていると、1時間足らずで琴平に着いた。 . . . 本文を読む
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267 高松(香川県)・・・自転車がアーケード街をレースして

2010-02-12 16:13:30 | 香川・徳島
高松市の中心部に「丸亀町」という商店街がある。古くからの高松を代表する繁華街で、四国商人にとって「丸亀町に店を構える」ことが悲願だとされた時代があったのだとか。だからよく知られた街なのだろうが、47都道府県で香川県が最後に残った未踏の地である私に、そんな知識があろうはずがない。ただ、商店街が失ってはならない「歩く楽しさ」を感じることが心地よくて、キョロキョロぶらぶら歩いた。 その特徴ある町名の . . . 本文を読む
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258 丸亀(香川県)・・・城郭と現代美術のコラボかな

2010-01-18 12:24:34 | 香川・徳島
美術館の街をもうひとつ。私は美術の才はないけれど、観ることはめっぽう好きだ。だから美術館巡りを旅の大きな楽しみにしている。どこの街に行っても大なり小なり美術館という名の施設がある今日、私のようなものにとっては、この国に流行したハコもの行政はまんざらでもない恩恵を残してくれたことになる。今年もそうやって多くの美術館を訪ねたが、なかでも心地よかったのは香川県丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館だった。 こ . . . 本文を読む
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256 坂出(香川県)・・・瀬戸内を広めの川と見立てれば

2010-01-18 11:51:03 | 香川・徳島
瀬戸内海に架かる3本の本四架橋のうち、真ん中で香川県坂出市と岡山県倉敷市児島を結んでいるのが「瀬戸大橋」だ。道路の下に鉄道が走る2階建てということで、坂出市番の州にある架橋記念公園に出かけ、まじまじと見上げてみた。なるほど、ごっとんごっとんと線路の音を響かせて、2輛ほどの列車が遥か頭上を通過して行く。澄んだ海と空の接するところに重なる島々。この絵のような自然美を打ち砕いて居座る、人造の迫力美に圧 . . . 本文を読む
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192 徳島(徳島県)・・・空広く心も優し吉野川

2009-01-25 20:25:41 | 香川・徳島
徳島は総じて地味な土地柄だ。阿波踊りという、日本屈指の文化があるとはいえ、それ以外ではあまり全国的なニュースが発信されることはない。街の規模も人口27万人とささやかなもので、県庁所在の地方都市としては下から数えた方が早い。しかし今回再訪して、この街には大きなキャッチフレーズがあることに気づいた。《日本一空が広い街》である。吉野川の河口に広がる街は、その川幅によって広大な空間が確保されているのだ。 . . . 本文を読む
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191 脇(徳島県)・・・いつまでもうだつ上がらず脇歩く

2009-01-24 16:38:45 | 香川・徳島
暮れもだいぶ押し迫っているというのに、乾いた陽が燦々と降り注ぎ、微かな川風がむしろ心地よい。高校生の下校時に重なって、遊歩道のような土手で男女それぞれの生徒たちに巻き込まれる。自転車の一団に進路を譲ると「すみませーん、ありがとうございまーす」とかわいい挨拶が通り過ぎて行く。遠い上流部の山の端には白雲が浮かんで、これではまるで《青い山脈》ではないか。私は四国・吉野川の中流域、徳島県脇町にいる。 . . . 本文を読む
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073 徳島(徳島県)・・・阿波に行き踊る阿呆になりたしや

2007-08-17 22:55:10 | 香川・徳島
阿波踊りを踊り終えて徳島の街は、夢から覚めて虚脱の中にいるのではないだろうか。私は映像でしか観たことがないのだけれど、あの踊りのしぐさと人の波を眺めればおのずとその興奮が伝わってきて、街を包む熱気にいつも圧倒される。その街を私が訪れたのは、桜がちらほら蕾を開きかけたころで、市民はその樹の下で静かにお弁当を開いていた。全ては踊りの日へと、エネルギーを蓄積しつつあるのだろう。 小さな街である。徳島 . . . 本文を読む
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