東京で白金(しろかね)といえば、反射的にセレブとかシロガネーゼといった形容詞が付く土地柄だから、私とは無縁であるし関心を向けようがない街である。とはいえたまに首都高速で付近を通りかかると、道路に添って深い森が広がっていることに、いつも「何があるのだろう」と眺めてはいた。この日、目黒散歩を延長して高速の下を潜ると、都立庭園美術館の前に出た。「ああ、ここにこれが」と、東京の謎がひとつ解けたのである。 . . . 本文を読む
「よく晴れて、少し暑くなるが湿度は低い」と天気予報が太鼓判を押す好天の1日、目黒を歩く。目黒と言っても広いのだけれど、東横線の中目黒で降りて、区役所や大鳥神社をかすめながらJRの目黒駅の先まで歩いたのだから、ほぼ区の中心部をうろついたことになるのだろう。最初の目的地は長泉院という浄土宗のお寺である。お寺が現代彫刻美術館を運営していて、私が注目している若手彫刻家の作品が特別展示されているのだ。 . . . 本文を読む
ゴールデンウィークの子供の日なのだから、世の中総じて行楽気分であるのは当然としても、横浜・港の見える丘公園のバラ園の雑踏は尋常ではない。今や見頃と咲き誇っている彩とりどりのバラたちに引き寄せられ、肌の色も年齢も様々な男女が花に酔い、ひしめいている。そんな中で大胆にも、娘と孫のツーショットを撮ろうとカメラを向ける爺さんは、周りの迷惑を気遣う余裕も失って、もはや泥酔状態である。
. . . 本文を読む