今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

897 朝来(兵庫県)古き世の城は滅びて街残る

2019-12-31 06:00:00 | 大阪・兵庫
令和元年、新時代の始まりだと世の中ははしゃいでいるけれど、そんな単純なものではないだろうと年寄りは一人、丹波から但馬へ、師走の旅を続けている。これから播磨灘に出て備前焼の里を目指すのだが、豊岡から山陰線で南下、途中でローカル線に乗り継ぐことになる。つまり兵庫県を北から南へ縦断するわけで、地図を見ると八鹿、養父、朝来といった街を通過する。どの地名も読めない。古希を過ぎた身が恥ずかしい。 . . . 本文を読む
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896 城崎(兵庫県)城の崎でぬくぬくとして氷雨かな

2019-12-30 11:44:59 | 大阪・兵庫
城崎温泉のお湯の感想を最初に言っておくと「実によかった!」となる。冷たい雨模様の朝だったから、余計に良かったのだろうか、外湯の「一の湯」に浸かっていると、ぬくぬくと、身体の深いところから温まって来るテンポがわかる。私は上州・草津温泉近くの工房に通って8年になるから、温泉についてはうるさい。そんな私をして「ああ、いい湯だ」と詠嘆せしめるのだから、城崎の湯は折り紙をつけて間違いない。 . . . 本文を読む
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895 豊岡②(兵庫県)若者よ羽ばたけ故郷コウノトリ

2019-12-29 06:00:00 | 大阪・兵庫
但馬国の北部は日本海に近く、冬至前夜のこの季節は氷雨がぱらついたと思うと青空が覗き、しかしまたすぐに暗く厚い雲に覆われるといった具合で、子供のころの新潟の冬を思い出させる。そんな日の朝8時の豊岡駅。列車から降りて来る高校生はさすがに寒そうだが、健気な彼ら彼女らを眺めていて、私は豊岡がとても良い街のように思えてきた。鞄という地場産業やコウノトリの繁殖地があるから言うのではない。 . . . 本文を読む
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894 豊岡①(兵庫県)懐かしい柳行李の鞄かな

2019-12-28 15:08:49 | 大阪・兵庫
私は鞄が好きだ。いや、そのデザインに関心があると言う方が正確だろう。ランドセルが学生鞄に成長し、やがてバックパックに親しんだと思ったら、いつの間にかビジネスバッグが戦友のようになっている。そして今はショルダーバッグが離せない老いの日々。単なる持ち運びの道具ではあるが、鞄は人生の年輪そのものであり、個人の好みで選べる楽しみがある。知恵と技量が詰まった鞄の、豊岡は国内最大の産地なのだ。 . . . 本文を読む
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893 福知山(京都府)時は今水を治めて福知山

2019-12-26 16:47:17 | 滋賀・京都
由良川は京都・福井・滋賀の府県境に発し、京都府北部をうねうねと西へ、旧丹波国に点在する盆地を繋いで潤して行く。流れは福知山で大きく北東へカーブし日本海を目指すのだが、私は川面が曲がるちょうどその辺りの堤にいて、下校する自転車の高校生を見送っている。彼らと川面を隔てるように、土手と並行して雑木林が延びている。ただの藪に過ぎないけれど、実は由緒正しく「明智藪」の名が付けられている。 . . . 本文を読む
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892 伊勢山(神奈川県)古式なり文明開化の七五三

2019-12-03 10:27:44 | 埼玉・神奈川
横浜に伊勢山という山はないけれど、伊勢山皇大神宮というお宮がある。街としてわずかに150年ほどの歴史しかない横浜のくせに、随分と仰々しい名称を冠していると思ったものだが、幕末の開港で異国の文明と対峙することになった横浜の、アイデンティティー確立のためにお伊勢さんから招かれた神様だと聞けば、なるほどと納得できなくもない。今日は七五三の参詣ラッシュらしく、境内は大変な混みようである。 . . . 本文を読む
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891 北軽井沢(群馬県)浅間山別荘ライフを見下ろして

2019-12-01 08:52:55 | 群馬・栃木
ここは標高1300メートルの浅間ハイランドパーク。浅間山(2568m)の北面に広がる北軽井沢リゾート地域の、最も標高が高いあたりだ。今日は秋恒例のクラフトフェアが開かれ、澄んだ光が集う人々と芝を照らしている。森の向こうに頭をのぞかせる浅間山は、近づく冬を前に日向ぼっこだろうか、山塊を陽に曝し、長閑な噴煙をうっすらたなびかせている。フェアに集う別荘族は、行く秋を笑顔で送っている。 . . . 本文を読む
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