今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1157 読谷(沖縄県)私好みの「やちむん」を訪ねる

2024-02-29 14:46:11 | 沖縄
読谷村(よみたんそん)は沖縄本島中部の東シナ海に面し、全国の「村」で最も多い41634人が暮らす。座喜味城跡や残波ビーチといった豊かな歴史と美しい風光の村だが、沖縄戦では米軍の最初の上陸地になり、集団自決など多くの住民が命を落とす悲劇の村であった。敗戦で村の95%が米軍に接収され、現在も東部を嘉手納弾薬庫が占めるなど36%が基地のままだ。それでも村民は村づくりの目標に「いちゅいゆんたんざ」を掲げている。 . . . 本文を読む
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1156 本部(沖縄県)フクギを抜けるとエメラルドグリーン

2024-02-25 16:39:30 | 沖縄
沖縄には「樹」を眺める楽しみがある。土地の人にはごく見慣れた風景であろうが、北の人間にとっては枝の広がりや気根の荒々しさなど、自由奔放としか言いようのない亜熱帯の樹木は見上げていて飽きない。見つめ過ぎると、枝が人の腕のように動き出して、捕らえられそうな怖い錯覚に襲われる。例えば本部半島先端の備瀬崎の、遠浅の海に沿って延びる備瀬集落は、すべての家々がフクギに埋もれ、集落全体が濃密な緑に絡め取られている。 . . . 本文を読む
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1155 今帰仁(沖縄県)やんばるの歴史を語る今帰仁城

2024-02-24 19:37:21 | 沖縄
沖縄に「やんばる」という地域名がある。沖縄本島北部の緑豊かな森林地帯のことで、「やんばる国立公園」が広がる本島最北部の国頭村など三つの村を「やんばる3村」と呼ぶ。ただもっと広く、名護市以北の、東シナ海に大きく突き出している本部(もとぶ)半島一帯も含めて呼ぶこともあり、そのエリアは、14世紀ころの古代琉球・三山鼎立時代の「北山」にほぼ重なる。「中山」「南山」に対抗した北山王の拠点が、今帰仁(なきじん)城であった。 . . . 本文を読む
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1154 名護(沖縄県)市庁舎の日陰に入り海風当たる

2024-02-22 17:08:03 | 沖縄
名護市部瀬名の万国津梁館などを会場にして、九州・沖縄サミットが開催されたのは2000年7月だった。私はその直前、ブセナのホテルに滞在して周辺を見て回った。名護市役所では市長さんに会い、米軍普天間基地の移設先として国が求める辺野古沖について、賛否が割れる市民の様子を訊いた。そのあと辺野古岬を望む展望ポイントに案内され、ジュゴンの海の対岸に広がるキャンプ・シュワブを確認した。それが私の「初めての沖縄」だった。 . . . 本文を読む
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1153 那覇(沖縄県)コロナ乗り越え国際通りは人の波

2024-02-21 09:25:28 | 沖縄
日中はさほどの人出とも見えないのに、暮れなずむころになると「どこから湧いて来るのか」と思うほど通りは雑踏となる。那覇の国際通り。牧志市場界隈で連日、私もその一人になる。ほとんどが海外からの観光客と見受けられ、たまに修学旅行の高校生らが交わす日本語の会話が耳に入って来るとホッとする。「2月は今や繁忙期ですよ」とタクシー運転手さんはご機嫌である。コロナ禍を脱し、沖縄はようやく賑わいを取り戻したのだろうか。 . . . 本文を読む
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1152 広島(広島県)なぜだろう転出超過の120万都市

2024-02-13 06:11:57 | 岡山・広島
13年ぶりに広島市を訪れた日の前々日、総務省は「住民基本台帳人口移動報告」2023年報を発表した。そこでは広島県が3年連続で転出超過日本一になったと明らかにされた。市民に衝撃が広がっているのか雨のせいか、13年前より行き交う人が少ないように感じる。県は「統計の取り方がおかしい」と息巻いているようだが、中国地方1の大都会である広島市でさえ、全国トップクラスの転出超過だ。この街にいったい何が起きているのだろう。 . . . 本文を読む
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1151 岩国(山口県)ゆるゆると濡れながら渡る錦帯橋

2024-02-12 13:23:30 | 山口・福岡
明けきらぬ岩国の、小雨に濡れる「錦帯橋」を眺めている。大きなアーチがゆったり連なって両岸を繋ぐ姿は、人工と自然が調和してまことに美しい。山陽路の山かげに、隠れるように「国」を営んだ小藩は、なんと麗しい景観を生み出したのか。世に名高い天下の奇橋を一度は渡ってみたいとやって来た私は、ホテルのベランダにいて、温泉で火照った身体を冷ましているのだからいい気なものである。山襞に霧がたゆたい、雨はまだ上がりそうにない。 . . . 本文を読む
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1150 徳山(山口県)ふくの海コンビナートに追いやられ

2024-02-10 22:10:34 | 山口・福岡
小倉からの帰途、新幹線を徳山で下車する。特段の用があるわけではないのだけれど、知らない街があると歩いてみたくなる。私の行動範囲はどうしても東日本に偏りがちだから、西日本の地理は未だに疎い。特に山口県の瀬戸内海沿岸の街の並びがアヤフヤであることが、長年の気懸りになっていた。そのうえ近年の合併で、子供のころに覚えた街の名が変わるという混乱が加わる。だから徳山のコンビナートを眺めながら考えてみることにする。 . . . 本文を読む
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1149 小倉(福岡県)小倉とは梅が膨らむ城下町

2024-02-09 16:26:22 | 山口・福岡
小糠雨が烟る小倉城の庭園で、梅の膨らみを確認している若手造園業者と話す。「小倉は30年ぶりかなぁ」「東京からですか、東京は緑化に成功しましたね」「いやいや、未だに樹木伐採で揉めている街です」「東京の緑化は私らの目標です」「失礼ながら、北九州はどうも粗暴な事件が多い印象があって」「確かにそんな街でした。しかし警察が本気出してくれて、ここ何年かですっかり変わりました」。市から城跡の保全を委託されているのだという。 . . . 本文を読む
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1148 戸畑・若松(福岡県)渡船にて3分の戸畑・若松旅

2024-02-07 14:29:40 | 山口・福岡
門司・小倉・若松・八幡・戸畑の5市が合併して北九州市が発足したのは1963年2月。その半年前、若松と戸畑を結ぶ「若戸大橋」が完成した。東洋一の橋だと喧伝され、遠く離れた新潟の高校生だった私でさえ「凄いなあ」と興奮したものだった。高度経済成長が加速し、所得倍増を掲げる池田内閣が国民に期待を振りまいていた。若戸大橋はそんな時代の架け橋だった。いつか見たいものだと思って60年が過ぎ、私は今、ようやく見上げている。 . . . 本文を読む
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1147 神湊(福岡県)神よ来たれ争い尽きぬ中つ国

2024-02-06 06:00:00 | 山口・福岡
神湊(こうのみなと)は玄界灘の小さな港町で、宗像大社の辺津宮・中津宮・沖津宮を一直線に結ぶライン上にある。沖に見える島が中津宮と沖津宮遥拝所がある大島のようで、1日7便のフェリーがこの港と7キロほどの海路を20分で結んでいる。毎年10月1日には宗像大社の神事「みあれ祭」がこの海を賑わす。神輿を乗せた2隻の御座船が大島港から神湊港に向かい、それを守って100隻余の漁船が海上を、華やかにパレードするのだ。 . . . 本文を読む
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1146 宗像(福岡県)宗像の斎場に来て神と居る

2024-02-05 10:36:28 | 山口・福岡
外来文化の影響を受けていない日本民族固有の宗教といえば、それは「神道」ということになろう。源流の古神道は、この宇宙が「天上の高天原」「人間世界の中つ国」「悪霊蠢く夜見(黄泉)」が垂直に重なってできていると信ずるところから始まる。「天つ神」と「国つ神」が地下の闇と戦い、「中つ国」を光で満たしてくれるから我々がある、というわけだ。神々はいたるところに居るが見えない。私は宗像大社辺津宮の高宮斎場で、神を感じている。 . . . 本文を読む
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