今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

883 ヨセミテ【アメリカ】

2019-08-11 10:27:52 | 海外
私たちは米国・ヨセミテ国立公園のグレイーシャー・ポイントに登り、渓谷を挟んだ向こうの山に屹立する「ハーフ・ドーム」を望んでいる。自然の創造にしてはいかにも奇妙な岩球が、真っ二つに裂かれた姿でそそり立っている。それも紺青の空を従えての標高2693メートルの峰である。あまりに巨大で剥き出しの自然に対峙していると、迫ってくるのは「美しい」などを超えた、圧倒的な「自己の卑小さ」である。 . . . 本文を読む
コメント

882 オリンダ【アメリカ】

2019-08-08 14:58:27 | 海外
サンフランシスコのダウンタウンから東へ、ベイ・ブリッジで湾を横断するとオークランドになり、そのまま東へ丘陵のトンネルを抜けると、オリンダという街に入る。私たちは、そこで暮らす妻の妹宅にお世話になった。海外を旅する都度、できるだけその土地の暮らしに近づいてみたいと思っているだけに、これほどありがたいことはない。そこは森の中に家々が隠れているような、大都会近郊の緑豊かな住宅地である。 . . . 本文を読む
コメント

881 サンフランシスコ【アメリカ】

2019-08-03 16:45:13 | 海外
バンクーバーからサンフランシスコへ、北米大陸西海岸を南下する私たちの旅は、ちょうどカスケード山脈の北端から南端まで、富士山よりも高い火山群の連なりに沿って移動していたことになる。つまり西の日本列島から東のハイ・カスケーズへと、環太平洋火山帯(Ring of Fire)の上を動いていたのだ。火山は怒ると怖いけれど美しい景観を生む。ポートランドからサンフランシスコへの空路がそれを実証してくれた。 . . . 本文を読む
コメント

880 ポートランド③【アメリカ】

2019-08-02 06:00:00 | 海外
街の西側に延びる丘陵に「ポートランド日本庭園」がある。動物園や博物館、バラ園などがあるワシントンパークの一角で、市街地が一望できる急峻な丘を伐り拓いて造園されている。池に枯山水に坪庭と、なかなか本格的な日本庭園だ。向かいのバラ園では賑やかなイベントが開催中のようだが、こちらの庭園を目指す人も結構いる。様々な肌の色をした人たちが入園料を支払っていることが、日本人としては嬉しい。 . . . 本文を読む
コメント

879 ポートランド②【アメリカ】

2019-08-01 13:22:53 | 海外
シアトル滞在を1泊に抑えてまで、週末をポートランドに合わせたのは、この街で毎週末「サタデーマーケット」が開かれるからだ。地元アーティストによる全米有数規模のクラフトマーケットだという。土曜日の午後、Amtrakの遅れにハラハラしながら街に着くや、ホテルでの荷ほどきは妻に任せ、私はウィラメット川の緑地公園を目指す。マーケット会場は道路を挟んで2カ所に分かれ、なかなかの賑わいである。 . . . 本文を読む
コメント

878 ポートランド①【アメリカ】

2019-07-31 13:23:27 | 海外
その街の名からして、ポートランドは海沿いの港町だと思っていた。しかしオレゴン州・ポートランドは太平洋からコロラド川を遡り、さらに支流のウィラメット川に入り込んで到達する、かなり内陸部の街である。ただその名は、街を拓いた開拓者の故郷で、大西洋岸の港湾都市、メイン州・ポートランドにちなんで命名されたという。確かに「川のポートランド」ではある。米国の街の成り立ちは日本と大いに違う。 . . . 本文を読む
コメント

877 シアトル【アメリカ】

2019-07-29 15:10:25 | 海外
坊やは妻の膝上がいたく気に入ったらしい。母親が「ご迷惑でしょ」と抱き取るのだが、またヨチヨチと歩いて来て繰り返しよじ登る。妻があまりの可愛さにホホズリなどするものだから、もう抱かれたまま離れようとしない。手に負えなくて母親は、スマホでパパを呼び出し、様子を実況中継して見せている。スマホのパパは大笑いだ。シアトルのキングストリート駅。私たちはポートランド行きの特急列車を待っている。 . . . 本文を読む
コメント

876 スティーブストン【カナダ】

2019-07-24 13:11:45 | 海外
バンクーバーの南、もう米国との国境が近いフレーザー川の河口にスティーブストン(Steveston)という漁港がある。今ではリッチモンド市に含まれるが、19世紀末からおよそ100年間、サケ漁とそれを缶詰に加工する水産業で大いに栄えた土地だ。漁民として、あるいは缶詰工として、日本からも多くの労働者が海を渡った。勤勉な彼ら彼女らは大戦の荒波を乗り越え、大きな日本人コミュニティを形成した。 . . . 本文を読む
コメント

875 バンクーバー③【カナダ】

2019-07-23 04:20:40 | 海外
この美しいご婦人方は、何のグループなのだろう。お揃いの黒のパンツで勢ぞろいし、先住民芸術の前で記念撮影に興じている。ここはバンクーバー・スタンレーパークのトーテムポール広場。この地には、遥か昔ベーリング地峡を経てアジアからやって来たファースト・ネーションやイヌイットの長い生活があるのだが、ヨーロッパ文明が進出して来たのは17世紀になってからだ。建国は1867年、実に若い国だ。 . . . 本文を読む
コメント

874 バンクーバー②【カナダ】

2019-07-21 22:31:32 | 海外
市章ではないようだが、Vancouver City Hallの標識に、二人の若者のプレートがはめ込まれている。一人は斧を、もう一人は網を持ち、「BY SEA LAND AND AIR WE PROSPER」と刻まれている。「この海と大地で、我らは繁栄を目指す」とでも訳すのだろうか。船と砦や先住民のトーテムポールも描かれ、海を越えて移住してきた人々が、この地の先住者とともに新たな生活を築く決意を示しているかのようだ。 . . . 本文を読む
コメント

873 バンクーバー①【カナダ】

2019-07-21 09:42:23 | 海外
君は「カナダ」を知っているか、と問われたら、何をバカなことをと言い返そうとするのだろうが、そこで私は思い当たるに違いない、実は何も知らないことに。週末は、妻が焼いてくれるホットケーキにメイプルシロップをたっぷり浸していただく。その時だけは私は「カナダ」を意識する。しかしその歴史は? 国の成り立ちは? となると何も知らないことに改めて気が付くのだ。だからバンクーバーにやってきた。 . . . 本文を読む
コメント

872 川崎(神奈川県)平成も令和も一気にラッパ飲み

2019-05-12 09:41:51 | 埼玉・神奈川
横浜で病気療養中の友人を見舞った帰路、川崎に立ち寄る。この街を歩いたことはある。しかしそれは、川崎球場をフランチャイズとする大洋ホエールズが去り、代わってロッテオリオンズがやって来たころだから、40年も昔のことになる。もちろんその後も、幾度も列車で通過してはいるけれど、立ち寄る機会はなかった。ただ車窓から、街がしだいに綺麗に変化しているように見受けられ、再訪したいと思っていた。 . . . 本文を読む
コメント

871 鼻高(群馬県)ドイツよりこの山河へと身を寄せて

2019-04-05 10:16:37 | 群馬・栃木
達磨寺境内の一隅に「洗心亭」という名の簡素な平屋が建っている。若き日、『日本美の再発見』や『日本文化私観』に大いに刺激をうけた私としては、達磨の寺以上に訪れたいと思い続けてきた場所である。著者で建築家のブルーノ・タウト(1880-1938)が、ナチスの迫害を逃れてたどり着いた日本で、滞在過半の日々を過ごした家なのだから。北面の傾斜地に建つ家の裏から、榛名連山へと広がる上州の山河に見入る。 . . . 本文を読む
コメント

870 少林山(群馬県)からっ風ダルマ乾かし上州路

2019-04-03 09:35:27 | 群馬・栃木
高崎市西郊に鼻高という土地がある。西を安中市に接し、利根川の支流・碓氷川の南に広がる田園地帯だ。「鼻高」と言うのだから天狗が棲んでいるのかと思ったら、居たのは達磨である。その名も「少林山達磨寺」という寺があって、「縁起だるま発祥の地」を名乗っているのだ。毎年正月、恒例の七草大祭には「だるま市」が開かれ、10万人の人出で賑わうのだという。寺は今日、その雑踏が想像できない静寂の中にある。 . . . 本文を読む
コメント

869 分倍河原(東京)弁慶と義貞が分かつ梅の香

2019-03-13 15:54:03 | 東京(都下)
府中市に「分倍河原」という駅がある。京王線とJR南武線が接続する駅で、京王線府中駅の隣駅だ。駅名は通常、その所在地名から採られることが多いけれど、府中市に「ぶばいがわら」という町名はない。採用された駅名は、太平記に登場する中世の古戦場に所以する。従って駅前ロータリーでは、新田義貞の騎馬像が凛々しくいななきをあげている。街全体が、近世を飛び越えて中世とつながっているような趣がある。 . . . 本文を読む
コメント