今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1178 ハワイ⑥【米国】

2024-07-20 09:02:34 | 海外
今回のハワイ旅行で、強く記憶に残った家族がいる。パールハーバーに隣接するアロハスタジアムで開催されるフリーマーケット「スワップミート」に行った際のことだ、マーケットのはずれ辺りで食べ物の露店を出す母親と、姉・弟の家族を見かけた。前夜から準備したのであろうパックを並べ終え、「さあこれから店開き」といった緊張の一瞬に私は通りかかったようだった。髪を整え、精一杯こざっぱりした服装の3人に、「生きる覚悟」を見たのだ。 . . . 本文を読む
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1177 ハワイ⑤【米国】

2024-07-19 12:57:47 | 海外
オアフ島南部の中心域に、内陸へ大きく広がる入江がある。パールハーバーだ。日米の歴史で忘れてはならない「真珠湾」である。日本時間1941年12月8日未明、ここは12月7日、日曜日の穏やかに晴れた午前8時前だった。島の北西から侵入してきた日本の大編隊が、停泊中の米艦船に襲いかかった。写真上空の、青空部分からだったかもしれない。写真奥には、1177人の兵士と共に撃沈された戦艦アリゾナの、白いMemorialが見える。 . . . 本文を読む
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1176 ハワイ④【米国】

2024-07-16 09:32:30 | 海外
「ハワイに来るのに、水着を持ってこない人がいるなんて」と呆れられ笑われてしまったけれど、私は「もう、泳ぐ年齢でもあるまい、浜辺で足首を海に漬けていれば結構」と考えていたのである。ところが「すっごく綺麗なビーチがあって、魚がたくさん見られるんですって。やっと予約が取れたんですから」と、引きずられるようにしてやってきたのはオアフ島南東端のハナウマ・ベイだ。海に入るのに予約が必要なビーチとはどんなところなのだろう。 . . . 本文を読む
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1175 ハワイ③【米国】

2024-07-14 18:32:26 | 海外
ホノルルでは週末になると、あちらこちらでファーマーズマーケットが開催される。地元の人には欠かせない買い物の場らしいが、観光客にも人気らしい。私たちはホテルに近いアラ・モアナ公園に行ってみる。まだ開場前のはずだが、すでに店開きしている店は多く、賑やかな笑顔が溢れている。トラックやバンで乗り付けた農家が、定められたテントに車を横付けして果実や花卉などを並べている。揃いのテントが並ぶ会場は、清潔で涼やかである。 . . . 本文を読む
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1174 ハワイ②【米国】

2024-07-12 08:23:08 | 海外
ホノルルに滞在した1週間、連日よく晴れた。暗いうちに降った雨が街を濡らして、毎朝「今日こそ曇るかな」と期待?させられるのだが、雲はたちまち海から山側へ追いやられて青空が広がり始め、午前7時ころにはパラパラと落ちていた雨もすっかり上がって虹が架かるのだ。午前9時にもなれば陽射しは痛いほど強くなって、慌てて部屋のエアコンを点ける。私たちはハワイの乾季(夏)の旅行者なのだ。熱帯の気象変化は単純で新鮮である。 . . . 本文を読む
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1173 ハワイ①【米国】

2024-07-09 15:10:27 | 海外
ハワイは大海原に生まれた火山列島だ。500万年前から50万年前にかけて隆起した海底が、8つの島になって2400キロの弧を描いている。太平洋に「ポイント・ネモ」という地点がある。世界の海で、最も陸地から離れた地点のことで、南半球のチリとニュージーランドの中間点あたりがそれに当たる。もし島になっていなかったら、ハワイは北半球の「ポイント・ネモ」だったかもしれない。それほど日本からも米国からも遠く、孤立している。 . . . 本文を読む
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1172 南会津(福島県)遥かなり南会津に風わたる

2024-06-21 06:00:00 | 山形・福島
山並みを遠望する時、山上の風景や山麓の暮らしは連想するのだけれど、では「山の向こう側はどんな世界なのだろう」と考えることはあまりない。新幹線で栃木・福島県境あたりを通過する時がそうだ。雄大な那須連山の風景を楽しみながら、思いを馳せるのは那須高原の記憶であり、向こう側のことはと考えた試しがない。そこは奥会津と呼ばれる広大な山地が広がっているらしいのだが、行ったことがないから想像しようがない。地図を開く。 . . . 本文を読む
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1171 檜枝岐②(福島県)奥山に秘境は遠く檜枝岐

2024-06-20 06:00:00 | 山形・福島
緑に埋まる大山塊の、伊南川(檜枝岐川)の谷をわずかに引っ掻いたような平地に営まれる檜枝岐村。集落の中程に架かる前川橋に「オコジョの母子像」が置かれている。オコジョはイタチ科の哺乳類で、尾瀬にも生息しているものの準絶滅危惧種に指定され、尾瀬ビジターセンターは目撃者に発見証明書を発行している。檜枝岐村はロゴマークにこの山の人気者を採用し、大自然と共に生きる暮らしの意気込みを示している。今日も山は快晴である。 . . . 本文を読む
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1170 檜枝岐①(福島県)陽を浴びて語ることなし六地蔵

2024-06-19 11:10:36 | 山形・福島
紅い頭巾と涎掛けのお地蔵様が並んでいる。その前を駆けて行く子供たちは村の中学生だろう。揃いのトレーナーには大きく「桧枝岐」の文字が見える。ここは福島県の最南西端、尾瀬の麓の檜枝岐村だ。奥只見・奥利根・奥日光と、奥山に抱かれた「秘境」についにやって来たのである。いったいどんな歴史と暮らしがあるのだろうと興奮を噛み締めながら歩いている私に、子供たちは明るく軽く「こんにちはー」と挨拶を送ってくれるのである。 . . . 本文を読む
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1169 御池(福島県)尾瀬の口で芳しい涼風に包まれる

2024-06-14 14:39:00 | 山形・福島
湿原の水の溜まりに初夏の白雲が映り込み、濃い緑の中に真っ白な光を放って水芭蕉が群生している。私が撮ったこの写真を観れば、誰もがここは「尾瀬」だと解るであろう。そう、尾瀬なのだ。だからといって「尾瀬に行ってきた」とは、いくら図々しい私でも言いそびれる。福島県側の尾瀬への登山口である「御池」から木道を500メートルほど歩き、「田代」と呼ばれる小さな湿原に分け入っただけなのだから。それでも尾瀬である。空気が芳しい。 . . . 本文を読む
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1168 榛名(群馬県)山の淋しい湖に‥‥たたずむ

2024-06-06 14:56:22 | 群馬・栃木
群馬の人は東の赤城、西の妙義、そしてその中程に聳える榛名を、親しみを込めて「上毛三山」と呼ぶ。このうち榛名山は、今でこそ最高峰が1449メートルの、さほど高山とは呼べない山容を県域の真ん中に横たえているけれど、50万年前には標高が2500メートルに達する富士山のような火山だったらしい。秀麗な姿はその後の噴火や山体崩壊で、悪い歯並びの見本のような姿に落ち着いてしまった。せめて山頂に登って榛名富士を眺める。 . . . 本文を読む
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1167 伊香保(群馬県)湯煙は懐かしさと淋しさを超え

2024-06-05 08:40:01 | 群馬・栃木
ブログ『すずめ通信』の読者から「このブログが開設されて20年になりますね。こんなに続くとはすごい」とご指摘をいただいた。確かに創刊は2004年7月だから、いつの間にか20年を経たことになる。「すごい」と言われると面はゆいけれど、雀たちに「これを機に20周年総会を開催しようか」と呼びかけた。Nagano雀とChiba雀は即座に「いいね!」の返信。Tokyo-e雀からは「群馬あたりの温泉に浸ってみたい」と提案があった。 . . . 本文を読む
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1166 芝山(千葉県)房総のご先祖様は埴輪顔

2024-05-16 12:28:37 | 茨城・千葉
「芝山町」の位置が知りたくて、銚子駅と千葉駅・船橋駅をそれぞれ直線で結んでみる。「房総半島の付け根」と言う場合、東端は銚子だろうが、西端がどこになるのか迷ったからだ。すると芝山町は、みごとにその2本のラインの中間位置に収まった。つまり「芝山町は房総半島付け根の真ん中」と言っていいのだろう。北総台地の南端が九十九里平野へと降っていくあたりの半島深部で、北側は成田空港が食い込み、町の中央を「はにわ道」が貫いている。 . . . 本文を読む
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1165 銚子(千葉県)銚子のイワシは確かに美味い

2024-05-14 08:38:56 | 茨城・千葉
千葉駅午前6時30分発の総武本線各駅停車銚子行きは、パラパラと空席が残る程度の混み具合だった。佐倉で隣のボックス席が空になったので移ろうと腰を上げると、前方から小走りにやって来た小柄な女性が、手にした袋をサッと放り投げ、私を押し退けるようにして席を占めた。そして靴を脱ぐや両脚を前の座席にドサッと延ばし、残った席をコートやバッグで塞ぐ。おもむろに汚れた紙の束を取り出し、足元に並べて1枚1枚点検し始めた。 . . . 本文を読む
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1164 屏風ヶ浦(千葉県)地球の鼓動を聴きながら赤はげ道

2024-05-12 22:02:32 | 茨城・千葉
日本中が快晴だというこの日、銚子市の屏風ヶ浦海岸は穏やかな潮風が吹き抜け、散歩者の気分を心地よく弾ませてくれる。剥き出しの地層が巨大な崖を形成し、10キロも太平洋と対峙して続くという屏風ヶ浦の景観を見に来た私は、崖下の遊歩道をゆっくり進みながら地球の歴史に耳を傾けている。だが聞こえてくるのは微かな潮騒くらいで、たまに名も知らぬ野鳥が飛んで来てチチッと鳴いて去って行く。地球の歴史は大きく余りに遠い。 . . . 本文を読む
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