今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

826 ロンドン⑦(英国)

2018-07-25 06:00:00 | 海外
薔薇を嫌いだという人はあまりいないだろうが、英国人はことのほかこの花を愛しているのではないか。公園や花屋の店先で、主役はどこもバラだ。早朝のリージェンツ・パークを散歩して、色とりどりの薔薇たちと窃やかな交歓を交わす。これだけでもロンドンまでやってきた甲斐がある。イングリッシュガーデンは西洋の庭園様式の一つで、自然美に重きを置く構成だから、フランス式より日本人は馴染みやすい。 . . . 本文を読む
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825 ロンドン⑥(英国)

2018-07-24 08:50:09 | 海外
芝生はママたちのおしゃべりの輪で埋まり、中央の池ではちびっ子がずぶ濡れになって水遊びに夢中だ。まるで街なかの公園のようだが、ここはヴィクトリア&アルバート・ミュージアムの中庭である。入館は無料であるうえ、これほどまで開放的であることに、私は驚き感動している。ロンドンの主な美術館・博物館は、5ポンドほどの寄付を募る箱が置いてあるだけで入館自由だ。日本も真似できないものだろうか。 . . . 本文を読む
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824 ロンドン⑤(英国)

2018-07-23 09:28:53 | 海外
ヴィクトリア駅の火曜日午前8時前。郊外からの電車が着くたびに吐き出される人々は、広大なホールを横切ってそれぞれの地下鉄に吸い込まれていく。東京と同じ光景だが、ロンドンに「ロンドン駅」は無い。鉄道網は発達しているけれど、ロンドンを目指してやって来る郊外電車は、中心部を取り巻くように点在するターミナル駅までだ。ロンドンに特色があるとすれば、そうした駅名に聞き覚えが多いことだろう。 . . . 本文を読む
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823 ロンドン④(英国)

2018-07-22 08:13:27 | 海外
ロンドンの繁華街の一つ、オックスフォード・サーカスの近くで、女性たちが盛んにカメラを向けている建物がある。黒い木の梁を際立たせる、ヨーロッパの田舎家のような外観が目立つリバティ百貨店だ。百貨店といっても日本のそれとはだいぶ異なって、店の名前が繊細なデザインの生地の代名詞になるほど、世界中の女性に愛されているらしい。奥方は持参した「リバティ」に着替え、すでにSaleに挑戦中だ。 . . . 本文を読む
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822 ロンドン③(英国)

2018-07-21 08:48:16 | 海外
ロンドンの6月下旬は、すでに夏真っ盛りということらしい。朝晩は上着が欲しくなるほどの涼やかさなのだが、午前9時を過ぎるころには日差しは容赦なく肌を刺して、夕方5時ころまで気温が上昇し続ける。私たちが滞在した10日間は快晴が続き、最高気温は28度に達する日もあった。日本ほど湿度が高くないからか、木陰に入ると心地いいのだが、炎天下は東京の猛暑日の気分だ。暗くなるのは午後9時近い。 . . . 本文を読む
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821 ロンドン②(英国)

2018-07-20 06:17:09 | 海外
今日のバッキンガム宮殿には、ユニオンジャックが翻っている。ということは、エリザベス女王はご不在らしい。こちらに滞在されているときは、女王旗が掲げられるからそれと知れるのだという。それでも正面広場はたくさんの観光客である。お目あては、間もなく始まる衛兵の交代パレードだ。そんなものを見て何が楽しいか、と思わぬでもないけれど、せっかく来合わせたのだからと、私も群衆の一人になっている。 . . . 本文を読む
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820 ロンドン①(英国)

2018-07-17 14:56:20 | 海外
テムズ川左岸で柵にもたれ、タワーブリッジを眺める男がいる。私だ。ロンドンに来ている。118年前、私とは逆に、塔橋からこちら側を眺めている男は夏目漱石である。33歳だというから私よりかなり若い。漱石はこちら側の「地城(じしろ)」に「長い手で引っ張られるような気分」で川を渡って来る。彼を鉄屑のごとく吸い付けた磁石は「倫敦塔」である。それは私の背後で、118年前と変わらぬ石積みを晒している。 . . . 本文を読む
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