人間は社会的動物だからか、群れて街を造る。だがその時「街の場所」はどうやって選ばれるのだろう。文明の発達と共に適地は変化してきたのだろうけれど、海・川・山などの自然の地勢に影響されることは昔も今も変わらないはずだ。しかし要因はそれだけだろうか。私には「街と街の距離」に何らかの法則があり、無意識にせよ、街はその法則に従って形成されていくのだと思えてならない。人の日常的行動半径とでもいう法則によって。
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陶磁器産地に対する私の執心はいよいよ募り、スケジュール変更で空白が生じた今日は、駆り立てられるように東海の常滑を目指すことに。常滑焼は、日本六古窯の内でも最古最大の歴史を有し、すでに平安末期から鎌倉時代には、膨大な壺や甕を全国に出荷する大窯業地だったという。かつての主要製品である巨大な土管や焼酎甕が坂道の土止めに転用され、独特の佇まいを残す街らしい。「滑らかな粘土層(床)の地」がその名の由来だとか。
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