織物には知識も関心も薄い私が、唐突に《銘仙》とは何かという思いに捕らわれてしまった。《めいせん》は母が若かったころ（つまり私が幼かったころ）、女性たちの衣服に関する会話によく出て来ていた。しかしそれが布の織り方を指す名前か、絹や綿といった糸の素材で区別されるものなのか、考えると今も曖昧である。秩父で、伝統的銘仙と北欧デザインによる「織と柄のコラボ展」が開かれていると知った。さっそく出かけてみる。 . . . 本文を読む
「小山田二郎展」を観ようと、府中に出かけた。寒い日が続いているけれど、今週末で終了する展覧会なので、天気予報で「よく晴れる風の弱い日」をチェックし、「本日がラストチャンスだ」と決行したのである。近隣の街に行くのに何を大げさな、と笑われそうだが、車を持たない私にとって、片道１時間の自転車の旅なのである。途中、武蔵野台地のハケの坂道という難所もある。絵に疲れたのか自転車に疲れたのか、とにかく疲れた！ . . . 本文を読む
「城南」「港南」「駅南」といった町名の名付け方はよく見られるが、「Jinnan」といえば渋谷区の中心域のことだと私などは思う。ここで言う「神」は明治神宮のことで、その南側の地域が「神南」だ。かつて渋谷駅を「擂り鉢の底に位置する」と書いたが、渋谷は周囲の高台が渋谷川に向かって落ち込む街で、神南は代々木公園からその底までの南面を形成している。渋谷を代表する華やかな街だったが、賑わいは薄れて来たようでもある。 . . . 本文を読む
