今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

122 世田谷(東京都)・・・ボロ市は目利き無用の蚤の市

2008-01-29 22:04:45 | 東京(区部)
毎年12月と年明け1月の15、16日に開催される「世田谷ボロ市」は、420年も続く関東屈指の伝統行事なのだ。年齢相応に、骨董品に惹かれ始めていた私は、一昨年の開催初日、勇んで東急世田谷線に乗り込んだ。その顔つきは「掘り出し物を見つけてやろう」という下心が剥き出しだったに違いない。しかし期待は肩透かしに遭い、私の欲望は失望に変った。恥かしながら以下は、徒労に終った「私のボロ市」紀行である。 ここ . . . 本文を読む
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121 阿騎野(奈良県)・・・人麿が踏み締めおりし丘に立ち

2008-01-28 22:14:34 | 奈良・和歌山
東(ひむかし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ――とは、御存知・柿本人麻呂の万葉秀歌である(巻一48)。そのリズミカルな調子に酔って、天空と一体になったスケール感を楽しんでいるうちはいい。しかしいったん「野」とは何処だ、「炎」とは何だ、などと気になり出すと、心が捕らえられてしまう厄介な歌なのである。挙句の果ては、奈良の山中まで出かける羽目になる。 行き先は「阿騎 . . . 本文を読む
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120 旭山(北海道)・・・童心に還って飽かず動物園

2008-01-25 13:41:47 | 北海道
旭川市の東郊に「旭山」と呼ばれる丘がある。山頂にはテレビ塔が林立し、全域が市民の憩いの公園らしい。その一角に、日本で最も北にあって、ひょっとするといま、日本で最も人気が高いのかもしれない動物園がある。旭川市営の旭山動物園である。旭川に行くと言うと、だれもが「動物園に行くといい」と薦める。「ペンギンの散歩だけは見逃すな」と念を押す人も。余りにうるさいから立ち寄ってみることにした。 動物園におじさ . . . 本文を読む
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119 旭川(北海道)・・・シバレルはこのことなのだ咽返り

2008-01-24 13:05:19 | 北海道
機内アナウンスが「旭川はマイナス11度。出発地との気温差は15度でございます」と告げた。それでようやく「日本で一番寒い街」にやって来たのだという実感が湧いた。空港ビルを出る。日差しがあって風はなく、「なあんだ、寒さはさほど感じないではないか」と駐車場を歩いて行くうちに、手の甲がグングン痛くなってきた。「これがシバレルということです」と迎えの土地人。私の甘い心の内を見透かされてしまった。 どうせ . . . 本文を読む
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118 原宿(東京都)・・・雑踏もいまや陳腐な表参道

2008-01-07 14:45:40 | 東京(区部)
この雑踏はいったい何だ! 青山から表参道に回り、緩やかな坂を下りながら人込みにもまれているうちに、場違いにも「竹下通り」に紛れ込んでしまった。正月の4日、ここばかりは「仕事始め」とは無縁である。畑の芋のように野性味溢れた娘たちが、それこそイモを洗うような混雑をむしろ楽しんでいる。還暦過ぎにはいたたまれない熱気であったが、私は「野仏」になった気分でこの不思議な街を観察したのだった。 先ず、売る側 . . . 本文を読む
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117 渋谷(東京都)・・・擂り鉢の底に溜まって公園通り

2008-01-05 23:10:22 | 東京(区部)
「ハチ公」前のスクランブル交差点を眺めていると、信号が変わるたびに入り交じる群集の動きが、「谷」に合流しようとしてぶつかり合う水の流れのように見えてくる。それもそのはずで、ハチ公が主人の帰りを待った渋谷駅は、東は宮益坂、西は道玄坂、そして北からは公園通りの坂道が下ってくる「擂り鉢の底」にあるのだ。渋谷という街は、この「底」を中心に増殖しながら、めまぐるしく表情を変えてきたのである。 渋谷はいつ . . . 本文を読む
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