今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

036 三次(広島県)・・・善き町は山の中でも川の街

2007-04-28 21:00:54 | 岡山・広島
見知らぬ土地に関心が湧くきっかけとは何だろう。私にとって広島県三次市は①「みよし」という読み方が珍しい②中国山地の深奥部にあって深い霧に包まれがちな街――というロマンチックな理由に始まって、③ワシントンからの帰りの機内で賑やかなおばさんと隣り合わせたことがあり、成田まで共に飲みながら話が弾んだのだが、そのおばさんが三次のお方だった、ということが決定的な要因とな . . . 本文を読む
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035 雲南(島根県)・・・新緑のたたらの里は燃え尽きて

2007-04-26 23:57:50 | 鳥取・島根
新緑の丘陵に向けて棚田が連なる高台に、集落が日を浴びて静まり返っている。「桃源郷」という言葉が浮かんで来る。それを口に出してしまえば、「山村の暮らしを知らない都会者めが」と顰蹙を買うであろうことは承知である。訪問者が抱く牧歌的イメージとは異なって、山間地の多くが過疎と高齢化の厳しい現実の中にあるからだ。出雲空港から車で1時間、ひたすら南下して来た私がいま立っているのは、島根県雲南市吉田町である。 . . . 本文を読む
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034 調布(東京都)・・・街づくり駅ごと地下に埋めてまで

2007-04-18 17:44:52 | 東京(都下)
律令の時代、調布は特産の布を調(税)として納めた土地だったのだろう。市内には布田(ふだ)、染地(そめち)など、織物に関連した地名が今も健在だ。多摩川を下れば砧(きぬた)、等々力(とどろき)もその範疇だし、田園調布は同様の由来である。それから時代は下って、調布は世田谷区に隣接する甲州街道の宿場町として拓けていったが、今はむしろ京王線の1日10万人超が乗降する拠点駅のある街と言った方が分かりがいいだ . . . 本文を読む
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033 ミリ(マレーシア)

2007-04-16 23:59:24 | 海外
サラワク州のミリ(Milli)に行く。TownからCityに昇格したばかりの小さな街だ。中国系の人たちが「美里」と表記するように、小さいながら緑の濃い美しい街である。イギリス統治時代から石油開発が行なわれていて、Shellの看板を見かけたから、現在はオランダ系の資本で掘削されているのかもしれない。材木の積出港でもあり、T君はこの街の住民だ。ボルネオで一番古いゴルフ場があり、名門コースとして知られているのだそうだ。 . . . 本文を読む
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032 コタキナバル①②(マレーシア)

2007-04-16 17:53:34 | 海外
クアラルンプルから南シナ海をひとっ飛びしてコタキナバルに渡る。東マレーシア(ボルネオ島)北西部を占めるサバ州の州都だ。ボルネオは世界で3番目に大きな島で、日本の感覚で見れば「島」のイメージを超えている。その東南3分の2ほどはインドネシア領で、マレーシア領にはサバとサラワクの2州がある。この2州の間にある小さな王国はブルネイだ。コタキナバルは、豊富な森林資源の積み出し港として大きくなった街だ。 . . . 本文を読む
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031 クアラルンプル①②③④(マレーシア)

2007-04-15 11:39:05 | 海外
「定年」が視野に入る年齢になって、定年後を考えることが多くなった。昨今流行の「海外で年金暮らし」といった本やテレビ番組に接する機会が増えて、しばし外国で暮らしてみるのも面白そうだ、といった気分になっている。だが調べると、私のような非労働居住希望者にビザを発行する国は案外限られている。フィリッピン、タイ、マレーシア、オーストラリア、スペイン、ポルトガル、コスタリカなどが比較的制約が緩い国々だ。 . . . 本文を読む
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030 勝浦(千葉県)・・・黒潮は鰹とともに学生も

2007-04-08 12:22:03 | 茨城・千葉
南紀和歌山の那智勝浦には行ったことがある。だから南房総の勝浦も行ってみたい街だった。南紀と房総には「勝浦」や「白浜」といった同じ地名がある。黒潮が文化を運び、紀伊から移り住んだ人々が故地と同じ名を付けた。そんなことを読んだ記憶があって、常々、人間の「動線」を不思議に思っていたのである。そういえば熊野灘も九十九里浜も、目の前は太平洋であり、6200キロメートル先にはハワイがあるという。似た土地柄な . . . 本文を読む
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029 館山(千葉県)・・・房総を廻れば花と八犬伝

2007-04-08 09:53:44 | 茨城・千葉
房総半島は、太平洋の高波から東京湾を守るかのように外洋にそっと手を添えた形で延びている。その指先部分は軽く鍵型に曲げられ、内側の平地に生まれた街・館山を包んできた。花冷えの数日が過ぎ、東京にも再び穏やかな春が戻った日、JR内房線の特急で東京駅から2時間、鏡ヶ浦とも呼ばれるらしい館山湾は、その名にふさわしい静けさの中で春の陽を映していた。そして館山の駅前では、花壇のポピーが風に揺れ、「八犬伝の里」 . . . 本文を読む
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028 札幌(北海道)・・・八角に睨み効かせて箸を入れ

2007-04-03 13:33:55 | 北海道
北海道格安ツアー最終日は、札幌「すすきの」のホテルで目覚めた。函館のホテルで懲りた目には、まずまず満足できる設備だった。夜8時過ぎに新千歳空港を発つ便まで、たっぷり一日自由行動である。多くのツアー客は旭川の動物園見物というオプショナルツアーに参加したらしいが、自由を欲するわれわれは格安に徹し、札幌の街歩きを決め込んだ。 暖冬のせいで路面に雪はない。市営電車で街の東南部をぐるりと回ってみる。する . . . 本文を読む
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027 小樽(北海道)・・・暮れなずむ雪の運河でMay I help you?

2007-04-02 18:07:54 | 北海道
「北海道格安ツアー」について、函館のことを書いた(2007年1月13日付け)まま放置していたので、以下、その顛末を続ける。函館のホテルの、畳表が磨り減ってささくれ立っている大広間での朝食を済ますと、小樽経由札幌という長距離バスツアーとなった。説明書通りではあるのだが、ほぼ終日バスで移動するという強行軍である。行程にいささか無理がある。「格安」はやはり、「格安」の理由があるらしい。 渡島(おしま . . . 本文を読む
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