goo blog サービス終了のお知らせ 

今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

383 武蔵境(東京都)自転車は専用レーンをスーイスイ

2011-09-27 23:36:41 | 東京(都下)
舗装に関しては、日本の道路はほぼその整備を完了したのではないか。めったに人が通りそうもないのに簡易舗装されている田んぼ道に差し掛かった時など、つくづくそう思う。ちょっとした街では歩道の分離が進み、並木も増えた。だがそれで歩行が快適になったかといえば、必ずしもそうではない。狭い歩道に電柱が立っていたり、自転車がちょろちょろうるさい。舗装を終えた道路の次なるテーマは、自転車問題と電線地中化であろう。

東京西郊の武蔵野市に武蔵境という駅がある。そこから南へ「かえで通り」という道路がまっすぐ延び、三鷹市の東八道路に通じている。近年、その車道の両端に自転車専用レーンが整備された(写真)。味も素っ気も無い柵で仕切られただけの通路だが、自転車族にとっては車とセパレートされ、歩行者に迷惑をかけることも少ない快適なレーンだ。車の通行量の割に道路幅に余裕があったから設置できたのだろうが、東京では珍しい例だ。

50年も昔のことだから、いささか記憶が曖昧になっているのだが、私が初めて自転車専用レーンという仕組みを見たのは、山口県の宇部市だった。中心部の大通りだったのだろう、歩道は緑地で分離されていて、さらに歩道と車道の間にもう一筋のグリーンベルトがあった。ここは何かと尋ねると、自転車用の通路だという。ずいぶん豊かな街だと、高校生の私は感心したものだった。

現在の宇部市はどうなっているだろうかとネットで検索すると、おそらく民間の団体なのだろう「宇部市地球温暖化対策ネットワーク」というグループの自転車利用促進活動が見つかった。熱心な取り組みながら「宇部市に於ける安全で快適な自転車走行空間確保の道はまだ遠い」などという感想も見られる。私が記憶している自転車先進地・宇部、あれは幻でも見たのだろうか。

武蔵境のような応急的自転車専用レーンは、少しずつ増えて行くだろう。しかし狭い道路が多い日本では、限界が見えている。むしろ自転車の扱い方を変える社会活動の方が現実的かもしれない。自転車も歩道を通行することを認めている日本は、世界的に見るとヘンなルールの国らしい。どうも自転車に甘かったのかもしれない。自転車も「車両」である以上、「車道」を走るべきであり、厳格に交通ルールを守らせなければならない。

もう一つ、道路の障害物は電柱である。道が持つ機能として最も肝心な「人が移動する場」という役目を、著しく阻害している。それと頭上に張り巡らされた電線は鬱陶しい。これほど成熟した社会である現代日本に、蜘蛛の巣状の電線を放置していて電力会社は恥ずかしくないか。企業間競争のない電力会社が、あえて社会貢献に乗り出す企業文化など持ち合わせていないことは、福島原発の事故対応をみていればだれにも察しが付く、が。

となれば行政が、税金を使って取り組んだらいいのではないか。街の景観を改善する公共投資はりっぱな「コンクリートから人へ」である。その投資をうまく活用すれば、景気浮揚につなげることも可能であろう。

武蔵境は駅近くにブドウ園が残っているような、東京が急に田園っぽくなる街だ。大学に向かう学生たちはバス停に列を作り、買い物帰りのおばさんはゆったりとママチャリ専用路を行く。そして私は、近くの赤十字病院へ白内障の手術を受けに歩いている。それぞれがそれぞれのレーンで、一日を送っている。(2011.9.13)

        





コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 382 城ヶ崎(静岡県)吊り橋... | トップ | 384 桐生(群馬県)アアーア... »
最新の画像もっと見る

1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (佐藤)
2011-11-16 23:51:47
日本は先進諸国と比べてあまりにも自動車及び自動車ドライバーが我が物顔なんですよね。道路行政も未熟の極みと言えます。
http://d.hatena.ne.jp/delalte/searchdiary?word=%BC%AB%C5%BE%BC%D6
http://www003.upp.so-net.ne.jp/hirotakz/bike/ab_gmbike3.html
http://zuccha.blogspot.com/2011/11/blog-post.html

自転車を車道に出すのなら、自動車への制限強化、自動車ドライバーへの指導啓蒙、取り締まり強化、道路行政も車線を潰してでも歩行者や自転車のことを考えた道路整備をするなどが必要です。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

東京(都下)」カテゴリの最新記事