今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1034 鯖江(福井県)駅員さんもメガネを掛けてお出迎え

2022-05-31 09:04:38 | 富山・石川・福井
JR北陸線は、金沢から米原方面が「下り」になるのだそうだが、その下り列車が鯖江に近づくと、左側の車窓に丘陵の緑を背景にした「SABAE」の大看板が現れる。そして文字と並んで、白地に赤のメガネのマークが浮かぶ。それだけでメガネの街に到着したことを知る。鯖江にはメガネマークが氾濫している。現代生活では必需品とも言えるメガネの95%が、この街と福井市にかけてのエリアで製造されているというのだから、当然のことだろう。 . . . 本文を読む
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1033 越前(福井県)北陸の土を焼きつつ越前古窯

2022-05-29 10:16:06 | 富山・石川・福井
武生駅から「越前海岸かれい崎行き」のバスに乗る。魚のカレイがよく獲れる岬があるのだろうと思ったら、どうやら「干飯」と書いて「かれい」と読むらしい。敦賀海上保安部の管内主要灯台紹介に「干飯埼灯台」とあって、「かれいさき」とルビがふってある。在所は福井県丹生郡越前町米ノ(こめの)と、これまた珍しい地名だ。越前蟹の本場らしいが、私が目指しているのは蟹ではない。途中の山中に広がっているはずの「越前陶芸村」に行くのだ。 . . . 本文を読む
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1032 武生(福井県)その辻は紫の彼女微笑んで

2022-05-28 10:35:58 | 富山・石川・福井
北陸本線を武生(たけふ)駅で降りる。初めての街だ。「私の日本地図」ではここは武生市なのだが、2005年、隣町と合併して越前市と名を変えている。隣接する越前町や南越前町と紛らわしいからと反対も多かったようだが、市長は「いずれみんな合併して越前市になればいい」と市名変更を強行したらしい。この発言のトーンからは高圧的な市長さんといったイメージが浮かぶけれど、「大越前市」を見据えてのことだとしたら中々興味深い。 . . . 本文を読む
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1031 小浜(福井県)神々しい夕陽が映える小さな浜

2022-05-25 09:53:45 | 富山・石川・福井
小浜湾と呼ぶのだろうか、若狭湾のほぼ中央部、小浜市の海岸通りの海は、東と西から伸びる半島が長い腕のように抱き込み、湖と見紛うばかりの穏やかな入り江を広げている。湾の中の湾だ。今そこに、この日の太陽が沈もうとしている。東側の半島は、蘇洞門(そとも)と呼ばれる断崖が続く景勝地だ。蘇洞門は外面のことだそうで、昔の人にとってこの入り江より先は、異国に繋がる外洋だったのだろう。西の半島には4機の原子炉が並んでいる。 . . . 本文を読む
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1030 遠敷(福井県)はるばると若狭より来るお水取り

2022-05-24 09:50:27 | 富山・石川・福井
「小丹生」なら、私でも「おにう」と読むことはできる。しかし「遠敷」となると、これを「おにゅう」と読み下すことは至難である。だが実際に「遠敷」という地域が福井県小浜市にある。若狭湾の海辺から東へ、4キロほど内陸に入ったあたりで、遠敷川が流れている。流れのやって来る南方はなだらかな丘陵に守られ、狭い谷が延びている。水が少ない割に堤は立派で、野の花がひょろひょろと伸びている。田植えを終えたばかりの稲田に白鷺が1羽。 . . . 本文を読む
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1029 敦賀(福井県)人道の港遥かにウラジオストク

2022-05-22 18:42:11 | 富山・石川・福井
薄い雲を透して水色の空が広がる、春とも夏とも定かでない曖昧な日の昼下がり、私は敦賀港に来ている。青々と芝が敷かれた金ヶ崎緑地から眺める海は、若狭湾の東端に深く入り込んで、海上保安庁の巡視艇が静かに錨を下ろしている。かつてはシベリア鉄道で欧州を目指す旅行客が、ウラジオストク航路に乗り込んで日本を離れた岸壁である。そして飢餓に苦しむポーランド孤児や、「命のビザ」を握りしめたユダヤ難民を迎えた港でもある。 . . . 本文を読む
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1028 春日部(埼玉県)彫刻と散歩しながら語り合う

2022-05-06 08:35:20 | 埼玉・神奈川
市中に多くの彫刻を配置する街は、全国に随分あるのだろう。私はそうした街を歩くことが好きで、埼玉県だけでも行田と高坂は行ったことがある。作品から作品へ渡り歩きながら、街のニオイを感じることの楽しさから、パブリックアートが充実している街だと耳にすれば、なんとか行ってみようと計画を練る。今日のそれは春日部市で、土地ゆかりの彫刻家が「春日部駅周辺ほど多くの彫刻が凝縮する街を見たことがない」と言うほどらしい。 . . . 本文を読む
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1027 久喜(埼玉県)まん丸のケヤキの葉擦れそよぐ風

2022-05-03 14:35:58 | 埼玉・神奈川
「久喜」と聞くと、脱サラをして植木職人になった知人を思い出す。仕事上の付き合いながら、同年輩ということで親しくしていた。その彼が突然「辞めることにした」と言ってきたのだ。40歳を過ぎて植木屋になるという。あまりの畑違いに驚いて「食えるのか」と問い詰めた。「何とかなるさ」と明るく去っていった彼は、久喜から東京・兜町に通勤していた。「久喜の植木屋さん」と想像してみようとするのだが難しい。第一、久喜って何処だ? . . . 本文を読む
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1026 太田(群馬県)半世紀の変貌に驚く浦島太郎

2022-05-01 08:31:44 | 群馬・栃木
太田の記憶は微かである。50年前に一度訪れたきりなのだからそれは致し方ないことだが、それにしてもこの街は、この半世紀で大きく変貌したのではないだろうか。私の記憶の中の太田は、日光例幣使街道に沿った鄙びた商店街と、やたらと「呑龍さま」を自慢する市民気質くらいのものなのだが、今回、東武伊勢崎線の太田駅に降りて、高架になったモダンな駅舎にまずびっくりし、南口に広がる現代的なオフィス街にさらに驚かされたのである。 . . . 本文を読む
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