今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1133 新潟(新潟県)喜寿のジジババ同級会ではしゃぐ

2023-10-23 20:36:08 | 新潟・長野
新潟市の美術館に、『読書』と題するレジェのモザイク画が展示されている。私はその二人を15歳だと推察している。15歳といえば中学3年生である。大雑把に言えば「多感なお年ごろ」であろうか。本人たちは「もう子供じゃないモン」などと背伸びしているのだろうが、それから60年も経って卒業写真を眺めてごらんなさい、「ああ、こんなに幼気な可愛さであったか」と自分で自分に感動するに違いない。その新潟で、中学の同級会が開かれた。 . . . 本文を読む
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1132 函館(北海道)朝市に運ばれカニも泡を吹く

2023-10-17 07:49:17 | 北海道
ホテルの朝食バイキングは飽きたから、函館は朝市で食べようと駅前の市場街をブラブラする。そこへ小型トラックがやって来て、市場の働き手と判る男たちが集まってきた。どさどさと、保冷庫から黄色いプラスチックケースを道路に投げ下ろす。「わー、蟹だ!」「泡を吹いているから生きているのね!」などと歓声を挙げているのは観光客ばかりだ。寡黙な男たちは朝市の稼ぎ頭だろうに、蟹を存外乱暴に扱い、仕分けしてどこかに運んで行った。 . . . 本文を読む
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1131 白老(北海道)ウポポイでさあ歌いましょうと虹の橋

2023-10-16 11:09:39 | 北海道
「ウポポイ」はアイヌ語で「(大勢で)歌うこと」の意味だという。正式呼称は「民族共生象徴空間」と難解な国立施設だ。愛称が優しい響きのウポポイとなったのは良かったけれど、「アイヌ文化の復興・創造等のナショナルセンターです」と、役人的表現の自己紹介はいただけない。もっと素直に「長く不当にアイヌ民族を差別してきた日本政府が、謝罪と和解のために設けました」と言った方が解りいい。道央・白老町のポロト湖畔、広大な空間である。 . . . 本文を読む
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1130 余市(北海道)雷鳴の伴奏付きでリタロード

2023-10-15 10:31:38 | 北海道
札幌行きのバスに大粒の雨が叩きつける。水たまりに突っ込むタイヤから、窓まで水しぶきが飛んでくる。岩内からの帰り、まだ「画家になった漁師」のことを考えている。有島武郎は「芸術は実生活の上に玉座を占むべきもの」と書くが、今ここに、一家の生活がある漁師・木田金次郎には、そんなことでは解決できない悩みが「生まれ出づる」のである。芸術を玉座だと特別視してはいけない。漁とも農とも同じ列に並ぶ、人間の生き様の一つに過ぎない。 . . . 本文を読む
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1129 岩内(北海道)寂しさを隠し抱いて時雨かな

2023-10-14 10:10:38 | 北海道
直行バスの「高速いわない号」でも札幌から2時間半と遠い。しかも予報は嵐が近づいているとしきりに警告している。それでも岩内に行きたい私は、早朝のバスに乗る。小樽を過ぎ、余市に着く前には海を離れ、原野のような樹林を行く。積丹半島を横断しているのだろう、遠く稲光りが暴れているものの、雨はまだ本降りではない。半島を西に抜けると平野が広がり、雨に濡れる岩内に着く。ニシン漁最盛時には、小樽を凌ぐ賑わいをみせた漁師街である。 . . . 本文を読む
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1128 芸術の森(北海道)彫像を眺めせっせと栗拾い

2023-10-13 07:58:09 | 北海道
札幌を再訪する機会があれば、必ず行ってみようと思っていた。「札幌芸術の森」である。市の中心部から南へ約15キロ、地下鉄の終点・真駒内駅からバスで真駒内川を遡る。ずいぶん遠いと感じたけれど、さほど山の中というわけではない。「芸術の森」は南区のれっきとした町名なのであって、40ヘクタールに広がる芸術公園と、札幌市立大学がほぼ全域を占めている。アートが点在する森の小道。私はこうしたロケーションにめっぽう弱い。 . . . 本文を読む
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1127 札幌①(北海道)開拓使よごらんなさいなこの夜景

2023-10-11 15:00:48 | 北海道
藻岩山から札幌の夜景を楽しんでいると、東の空に月が昇った。顔を出したばかりの天球はオレンジ色に怪しく燃え、人口197万の大都会を照らし始める。中秋の名月からさほど経っていないのに、もう半分近く欠けている。時の移ろいの何と早いことか、などと言うのは年寄りくさいから止す。それよりも、開拓の拠点となったころは暗闇に覆われていたらしいこの大地の夜が、わずか150年で、これほど果てしない煌めきになったことに驚く。 . . . 本文を読む
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