今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

466 釧路(北海道)雨に濡れ旅の終わりの釧路にて

2012-07-15 14:53:41 | 北海道
釧路はいつも雨が降っている。私にはそんな印象がある。ただ今回で訪問はまだ2度目だから、晴れた釧路の素晴らしさを知らないだけなのであろう。しかしこの街を思い出す時、街路は常に寒々と濡れて、うつむき加減に歩く人々がイメージされる。そのせいだろうか、釧路という街は奇妙なほど強い存在感で私の記憶に居座っている。全国の天気予報が映し出されると、いつも私はこの北の街のお天気マークを確認していることに気づく。 . . . 本文を読む
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465 鶴居(北海道)タンチョウが居る湿原に近寄って

2012-07-14 17:01:59 | 北海道
美しい街の名前といえば、舞鶴や鶴岡といった「鶴」の付く名が思い浮かぶ。日本人にとってツルは、美の象徴なのだ。そしてここは鶴居村。本当に鶴が居るからこの名になったという本家である。それもツルのなかで最も美しい、タンチョウの楽園なのだ。私たちは釧路湿原国立公園・温根内ビジターセンターにいる。霧か雨か判然としない靄の中を、遊歩道が森の奥へと誘っている。この道を行けば、タンチョウに会えるのだろうか? . . . 本文を読む
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464 摩周湖(北海道)天上の水の溜まりは摩周ブルー

2012-07-12 21:28:15 | 北海道
沈着冷静な私のことだから、思いがけない遭遇があったからといって声を挙げたりすることはまず無い。ところがこの時ばかりは、意識するより先に「オオッー!」と声が出てしまった。摩周湖の外輪を登り切り、眼下に真っ青な湖面を観た瞬間のことだ。何よりもまず、その蒼さに驚いた。これはいったい何だ! と、全身が戦いたのである。快晴の日輪がやや傾く時刻、私たちはその日差しを背に、光を映す湖面を展望したのだった。 . . . 本文を読む
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463 阿寒(北海道)精霊とマリモコタンが舞う夜かな

2012-07-09 10:41:29 | 北海道
阿寒湖畔のホテルにチェックインすると、「今夜から千本タイマツが始まります。ご参加いただけるようでしたら8時にロビーにご集合ください」と告げられた。宿泊客に松明を提供し、温泉街にあるアイヌコタンまで行進するのだという。観光協会の客寄せイベントなのだろうが、アイヌの人たちと交流できるのは、最大のコタン(集落)がある阿寒ならではの趣向だ。私たちは行進は遠慮したものの、アイヌの「古式の舞」を観に出かけた。 . . . 本文を読む
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462 帯広(北海道)早朝のパークゴルフに笑顔満ち

2012-07-07 20:13:30 | 北海道
雨が降った気配はないのに、芝はしっとり濡れている。ひょっとすると霧が立ち籠めていたのかもしれない。ここは帯広の緑が丘公園。街の中心部と大通りで結ばれる広大な市民広場だ。園内に点在する帯広百年記念館や道立美術館は開館までまだ間があるのだが、公園の芝生エリアは早くもお年寄りが大勢集まって賑やかだ。パークゴルフの愛好者たちで、仲間と楽しむゆとりを持った健康な高齢者なのだろう、笑いが弾けている。 . . . 本文を読む
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461 中札内(北海道)柏葉の森に流れるフーガかな

2012-07-07 10:20:59 | 北海道
「なかさつない」という村に、美術館が点在する森があるという。そのことを美しく紹介したテレビ番組を観たものだから、いつか行ってみたいと思っていた。日高山脈の裾野、カシワやミズナラが空を覆う原野で、厳しい自然と戦いながら開拓が進められてきた土地だと、村のホームページは誇らしく書いている。人口4000人は、北海道では一番大きな村だといい、住民は隣接する帯広市との合併を拒み、独自の村づくりを進めている。 . . . 本文を読む
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460 新得(北海道)開拓の汗に咲く花ソバの花

2012-07-06 15:52:05 | 北海道
北海道への出張の折り、大雪山系南麓の鹿追という町に行きたいと思い、電車とバスによるアクセスをずいぶん調べたことがある。神田日勝の絵を、彼が生きた開拓の地で観たかったのだ。しかしずいぶん不便なところで、車でなければ立ち寄り難いと分かり断念したのだが、その際、近くに新得という町があり、根室本線の駅があることを知った。今回は富良野から車で深い樹海を抜け、狩勝峠を越えると初めての街が新得だった。 . . . 本文を読む
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459 富良野(北海道)中心のへその周りは空洞化

2012-07-06 10:18:10 | 北海道
富良野高校前を通りかかると、生徒たちが校庭にグループを作り、様々な仕草で踊っていた。陽はすでに山の端に隠れ、近くのカフェではテラスのテーブルを片付け始める時刻だったが、高校生はグループダンスに夢中である。帰宅して学校のホームページを開くと「学校祭開幕!」の特集が組まれていた。「クラスアピール」という場があるようで、どうやらその練習だったようだ。旅先で若者の笑顔に出会うと、こちらまでうれしくなる。 . . . 本文を読む
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458 美瑛(北海道)開拓の汗が刻んだ丘の華

2012-07-04 22:40:07 | 北海道
見渡す限りの大地が緩やかな曲線に縁取られ、登って下り、再び登って斜めに流れ、稜線を重ねていく。電線一つない空とは、こんなに気持ちいいものだったかと感心し、深呼吸する。これが美瑛の名高いパッチワークの丘なのかと、今度は感動とともに深呼吸する。快晴の丘陵に流れるわずかな風に、いいところだなあとただ感嘆する。だがこの大地を伐り拓いた人々の苦労はいかばかりであったかと考えると、感極まる思いにもなる。 . . . 本文を読む
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