府中市に「分倍河原」という駅がある。京王線とJR南武線が接続する駅で、京王線府中駅の隣駅だ。駅名は通常、その所在地名から採られることが多いけれど、府中市に「ぶばいがわら」という町名はない。採用された駅名は、太平記に登場する中世の古戦場に所以する。従って駅前ロータリーでは、新田義貞の騎馬像が凛々しくいななきをあげている。街全体が、近世を飛び越えて中世とつながっているような趣がある。
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墓参りに行く。わが家の墓は横浜市最南部の霊園にあって、むしろ鎌倉に近い。大船からバスに乗って行く便の悪いところなので、つい足が遠のくのだが、今回は「自作の骨壺がちゃんと納まるか」を確認する必要に迫られてのことだ。事前に墓の寸法を確認しない粗忽さが私らしいのだが、焼き上がってみると大き過ぎるような気がしてならない。いざ納骨の段階になって「納まらない!」というのでは喜劇ではないか。
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