今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

864 西都原(宮崎 県)王たちの夢の跡かや西都原

2019-02-22 12:49:00 | 大分・宮崎
宮崎県に「西都市」という街があることは知らなかったのだけれど、しかし「西都原(さいとばる)」と聞けば反射的に「古墳群」と口を突いて出るほど、私の記憶の引き出しにこの歴史遺構が収まっているのは間違いない。しかしその引き出しは随分小さいようで、所在地、実態ともはっきりしない。わが国最大級の古墳群だということだが、いったいどんなところなのだろう。宮崎旅行の最終日、綾町から回り道してみる。 . . . 本文を読む
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863 綾(宮崎県)吊橋を照葉樹林に渡る先

2019-02-20 14:39:17 | 大分・宮崎
若いころに夢中で読んだ本を探そうとするのだが、このところご無沙汰の書架は様々な異物で埋まり、なかなか見当たらない。「本棚とは、自分の嗜好の変遷を饒舌に物語るものだ」と、わが乱読の果ての人生を振り返って苦笑いが浮かぶ。それでも『照葉樹林文化』(上山春平編・中公新書)、『稲を選んだ日本人』(坪井洋文著・未来社)など数冊が見つかった。綾町に行ったことで、かつての興奮を思い出したのである。 . . . 本文を読む
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862 小林(宮崎県)駅伝の強豪校は立志鍛錬

2019-02-17 13:16:37 | 大分・宮崎
私たちは霧島から、宮崎県の綾という町に行こうとしている。少し回り道になるが「小林市」に立ち寄る。街の名と人の姓は重なることが多いが、これほどありきたりの姓と同じ街の名は、高知県の中村市(現・四万十市)くらいしか思い当たらない。だから私の記憶に留まったのかもしれないけれど、ここには高校駅伝の強豪校・小林高校があるのだ。甲子園で活躍した中村高校から中村市の存在を知った経緯と同じである。 . . . 本文を読む
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860 都城(宮崎県)図書館は島津発祥の街リニューアル

2019-02-06 11:16:00 | 大分・宮崎
それは実に気持ちのいい図書館だった。快適に読書ができる、というだけでなく、居ること自体が心地良さそうなのだ。都城市立図書館である。開館してまだ1年を経ていないようだが、グッドデザイン賞を受賞しているというから、すでに高い評価を得ているのだろう。私は旅先で図書館に出会うと、なるべく入館してみる。短時間の印象だから運営面まではわからないけれど、居心地の良し悪しは伝わってくるものだ。 . . . 本文を読む
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858 都井(宮崎県)冬陽浴び枯れ草を食む都井の馬

2019-01-29 09:41:03 | 大分・宮崎
犬や猫の可愛いさは理解できるものの、私は特段の動物好きというわけではない。むしろ関心は植物に向きがちで、動物はどちらかといえば付き合いが苦手なのだろう。しかし「在来種」とか「野生」「希少」といった注釈が付いたら話は別だ。宮崎県最南端の都井岬には、絶滅さえ危惧される天然記念物の御崎馬が、野生のままに生きているという。陸地の先端に孤立する馬のコロニー。これは会いに行かねばなるまい。 . . . 本文を読む
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857 飫肥(宮崎県)東風吹かば故地を想へよ伊東桜

2019-01-25 11:05:03 | 大分・宮崎
飫肥を「おび」とは読めなかったし、日南市に飫肥という古い城下町があって、古風な街並みがよく保存されている、ということも知らなかった。雪国育ちにとって九州は遠く、ましてや南九州となると歴史や地理にはとんと疎くなる。日南海岸で国産みの神話世界を彷徨っていた私たちは、コースを内陸側に変えたことで中世へとタイムスリップすることになる。1月だというのに、城址の陽だまりで「桜」が咲いている。 . . . 本文を読む
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856 日南(宮崎県)国産みの神話の道は眼に眩し

2019-01-23 21:24:37 | 大分・宮崎
青島から南へ、私たちは晴天無風の日南海岸を走っている。七草粥の日の午前、往き交う車は少ない。入り江に回り込むと小さな漁村が現れ、そして再び岬に出て海を見晴らすことを繰り返す。漁船は陸に揚げられ、船体や漁網が水洗で浄められている。まるで伊豆の海岸を行くようだけれど、ヤシやフェニックスが日向国にいることを思い出させる。静かな海に照り返す陽の光は、伊豆よりも眼に痛いのではないだろうか。 . . . 本文を読む
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855 青島(宮崎県)ハネムーン今は昔のやっぱり青島

2019-01-21 12:39:05 | 大分・宮崎
宮崎市観光協会の観光案内冊子が「やっぱり青島」特集を組んでいる。南国宮崎の魅力が最も詰まった観光地は「やっぱり」青島だということらしい。「昭和30年代後半から50年代初めにかけて、全国の新婚さんの35%が宮崎へ新婚旅行にやってきた」のだそうで、その一番のお目当が青島見物だったという。私のちょっと上の世代が、はにかむ笑顔でこの小さな島を目指したのだと思うと、何やら気分が畏る。 . . . 本文を読む
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854 宮崎②(宮崎県)神々が舞うが如しの楠トンネル

2019-01-17 06:00:00 | 大分・宮崎
宮崎の街路樹はワシントンヤシだけではない。最も多く見かけるのはクスノキだ。なかでも県庁前のクスノキ並木は、この樹特有の奔放に延びる枝がオブジェのように通りを覆い、緑のアーケードを成している。宮崎の話題になると、テレビニュースは決まってクラシックな県庁本庁舎を映し出すけれど、この並木道こそ大写しにしたらいい。あまりの見事さに、私は通行量の少ない車道に出て、何枚も写真を撮った。 . . . 本文を読む
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853 宮崎①(宮崎県)日向ではヤシ並び立つ冬陽浴び

2019-01-16 10:05:47 | 大分・宮崎
新春の宮崎・日南を廻る旅に出る。初めての地ではないのだけれど、記憶はほとんどない。この街を、最も「宮崎」だと知らしめているのは、通りの真ん中に屹立するワシントンヤシの並木であろう。25メートルにもなるという樹高をまっすぐ伸ばし、天空の冬陽を浴びる姿は、私が知らないだけかもしれないけれど、日本の他の街では見たことのない景観だ。迎えてくれた青空とヤシの木が、実に日向国にふさわしい。 . . . 本文を読む
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508 大分(大分県)街づくりまずは子育て支援して

2013-04-20 22:13:58 | 大分・宮崎
縁の薄い街、というものがあるかどうか知らないけれど、大分市はこれまで2度ほど来ているのだがゆっくり街を見たことがない。どこかに向かう途中だったのか、あるいは所用を済ませてすぐに帰らなければならなかったのか、とにかく縁が薄いのである。こんども薩摩―肥後―豊後と旅をして来て、大分空港から帰路に就くまでの時間潰しなのである。せめて中心部だけでもと、別府大分毎日マラソンでちらりと映る城跡に立ち寄った。 . . . 本文を読む
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507 臼杵(大分県)拙くも優雅にも見え岩仏

2013-04-20 15:05:15 | 大分・宮崎
若い女性二人が熱心に祈っている。臼杵石仏群の古園石仏中尊・大日如来像である。信仰心の薄い私は、仏像に向き合っても手を合わせるという衝動はめったに起きない。特に磨崖仏は、仏さまというより彫像物としての関心が先に立つものだから、つい無遠慮に観察してしまう。しかし女性たちのひたむきな姿を見ていると、なるほど、ここはこうあるべき空間なのだと思う。阿蘇の温泉郷から豊後へと下って来て、海はもう近いはずだ。 . . . 本文を読む
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506 竹田(大分県)時は過ぎ春高楼に風渡る

2013-04-19 09:46:46 | 大分・宮崎
昨日まで童謡を歌っていた幼児が、突然大人っぽい歌に接して戸惑ったというのが、私の『荒城の月』体験である。朗々として静謐なメロディーは子ども心にも心地よいものだったが、歌詞の意味はチンプンカンプンだった。作曲した瀧廉太郎という名前は響きがいいからすぐに憶えた。作詞が土井晩翠であることは、かなり後になって知った。豊後・竹田の岡城址にやって来て、催して来る感慨はその程度なのだから情けない。 . . . 本文を読む
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505 日田(大分県)天領で楕円の定理解き明かす

2013-04-18 08:06:05 | 大分・宮崎
楕円とは「二つの定点(焦点)からの距離の和が一定である図形」を言う。仮に大胆にも「九州島」を大きな楕円であるとしよう。南北に長いこの楕円の面積は、オランダ1国とほぼ同じである。その中心で噴煙を上げているのが阿蘇だ(とする)。では二つの焦点はどこにあるだろうか? 九州とは縁の薄い私がこの楕円を思い浮かべると、北の焦点は大分県日田市、南のそれは熊本県人吉市がちゃんと担っている気がするのだが。 . . . 本文を読む
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