今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1009 飛鳥山(東京都)江戸なのに飛鳥山とはこれいかに

2022-01-30 16:29:19 | 東京(区部)
(オミクロンのため暇を持て余し、1年前の散歩を記す) 東京北区の飛鳥山公園である。江戸のころから続く庶民の行楽の場ということだが、越後の農民の子孫である私には馴染みの薄い公園だ。ただ高校を卒業し、新潟と上野駅を行き来することが多くなると、東京に着いたことを教えてくれるランドマークのような存在になった。そんな懐かしい想いもあって、この日の千住散歩の帰り、都電荒川線を「飛鳥山」で下車したくなったのである。桜がほころんではいるものの、人出はまださほどではない。 . . . 本文を読む
コメント

1008 池之端(東京都)財貨とも学問とも無縁の吾坂を行く

2022-01-17 12:03:11 | 東京(区部)
(書き忘れていた10年ほど昔のことを、書き足しておく) 不忍池から本郷台の方向へ、緩い上りの坂がある。坂道には「無縁坂」と名が付いている。前日は柴又から押上へ、川向こうの東京散歩を楽しんだ昔の中学生5人組は、森鴎外ゆかりだという池之端の水月ホテルに宿を取り、今日は「鴎外散歩」を続けている。無縁坂は登り切ると東京大学に突き当たる。医学生であった森林太郎は、その近くの下宿屋に止宿する。明治13年(1880年)、18歳のころである。鴎外は後年、この坂道を舞台に『雁』を書く。 . . . 本文を読む
コメント

1007 生田(神奈川県)さあどうだTAROと向き合い考える

2022-01-14 11:33:29 | 埼玉・神奈川
私が向き合っているのは、岡本太郎が「ノン」と名付けた作品である。仏語で「Non」つまり英語の「No」であろう。顔と思われる造形は不気味で、眼は釣り上がり、大きく裂けた口は鋭い牙で埋まっている。胸の位置に、手のひらをこちら側に向けて並べているのは拒絶するポーズだろうか。「太陽の塔」と同じ1970年の制作で、大阪万博で展示されたらしい。作者の狙いや意図はともかく、私が注目したのは「顔が作者に似ている」ことなのだ。 . . . 本文を読む
コメント

1006 谷中(東京都)七福神笑顔で巡る墓地の街

2022-01-12 09:29:26 | 東京(区部)
谷中は「寺町」だと言うが、むしろ「墓地の街」と言った方がよさそうだ。戦災を免れた古い町並みを歩くと、確かに寺は多いけれど、面積で言えば圧倒的に墓地が占めている。「谷根千」の一角として若い女性らにも人気の観光地とはいえ、今日はいつになく人通りが多い。正月らしく「谷中七福神めぐり」のグループがそぞろ歩いているからだろう。天王寺の大仏前では、後期高齢者と見受ける30人ほどの一行が、記念撮影の整列に笑い興じている。 . . . 本文を読む
コメント

1005 永福(東京都)鬱々と冬陽を浴びて水道路

2022-01-06 16:21:25 | 東京(区部)
抜けるような冬晴れが続き、娘に「晴れた日は散歩しなさい」と命じられている年寄りは忙しい毎日である。しかし近場はもう歩き飽きたと地図を広げると、杉並区から世田谷区にかけて、東京西部の住宅地を北東から南西へまっすぐ貫く奇妙な道路がある。都道428号線で「荒玉水道道路」と呼ばれているらしい。その道が善福寺川と交差する和田堀公園には杉並区の郷土博物館もある。今日の目的地はここだ。京王井の頭線を永福町駅で降りる。 . . . 本文を読む
コメント

1004 山下(神奈川県)ガンダムはおじけることなく寒立す

2022-01-02 09:28:30 | 埼玉・神奈川
強い北風になぶられた波が、飛沫を浴びせようと打ち寄せて来る。先ほどまでちらほらと、雪が舞うほどの冷え込みなのだ。それでもじっと佇む二人は、何を見ているのだろう。視線の先をたどると、ガンダムがいた! テレビアニメのヒーロー・機動戦士ガンダムの「実物大」が造られたと聞いてはいたが、あれがそれかと目を凝らす。背景のデッキに並ぶ見物客との比較から、その巨大さがわかる。2021年の大晦日。横浜・山下公園の岸壁で凍える。 . . . 本文を読む
コメント