今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

922 三鷹(東京都)静かなり緊急事態のお正月

2021-01-09 16:06:13 | 東京(都下)
新型コロナウィルスの感染拡大が深刻化して、政府はアタフタと二度目の「緊急事態」を発令した。その翌日の土曜日、私の街の午前10時は閑散としている。やはり宣言が具体的になると、皆さん家に引き籠もろうという思いが強まるのだろうか。私の場合、これが「不要不急」かどうかは分からないけれど、図書館からの「予約の本が準備できました」というメールで出かけ、ついでにスーパーで特売のヨーグルトを買って帰ったところである。



とにかく「緊急事態」なのだから、宣言下の首都圏4都県は、飲食店には営業を午後8時までとしてくれるよう「お願い」し、企業に対しては社員の7割は在宅勤務にして欲しいと「呼びかけ」ている。「お願い」と「呼びかけ」でなんとか第1波をやり過ごした(かに見えた)政府は、夏からは経済対策だとアクセルをGoToと踏み込んだものだから、年末年始の第3波は国民総真っ青といった感染拡大ぶりだ。まさに追い込まれての緊急宣言なのである。



国民が緊急だと青ざめている時に、国会は休会したままという不思議の国でもある。議員たちは「会合のルールを決めよう」「それでも飲み会は必要だ」などとそれなりに忙しいらしいが、国家緊急の折に不在の機関など、何のために存在するのだろう。彼らの職場「国会議事堂」は、直ちに「国会愚者堂」と看板を掛け替えたらよろしい。テレビニュースでは、成人式中止に若い女の子が「私の青春が削られて行く〜」と叫んでいる。パンデミックなのだ。



変形ウィルスに襲われている英国はロンドンをロックダウンし、大統領の交代が迫っている米国では暴徒が議事堂を占拠している。地球のあちこちで緊急事態が発生しているけれど、日本のそれがいささかキナ臭いのは、これを機に「お願い」や「呼びかけ」に罰則や強制力を付与しようとする動きが顔を出し始めていることだ。お願いベースでは実効性がないから、言うことを聞かない飲食店や企業は公表にとどまらず、罰則を課す考え方だ。



確かに感染が確認されても隔離を拒否するような輩には、社会の安全を図るために何らかの法的強制力が必要であろう。しかも「俺たちは若いから、感染してもどうってことない」とテレビカメラにうそぶく、どうしようもない若者(別名ウィルス運搬袋)も絶滅しそうにない。こんな若者は、いつの間にか行方不明にしてしまう国もありそうだが、そうでもしないことにはウィルスは抑え込めない、と惑わされるのがパンデミックの怖いところだ。



しかしわれわれ日本人は戦中の苦い経験がある。だから自由を尊び、国家権力の肥大を警戒してきたはずだ。にもかかわらず今この国をコロナとともに蝕んでいるのは、国会で嘘の答弁を繰り返して長期政権を続けた前首相と、その政権を引き継ぐと約束したことで派閥に担ぎ上げられた現首相に対するシラケである。国民の心に届く言葉を持たない首相。働かない国会議員。老害全開の幹事長。こんな愚者どもに法的強制力の審議を委ねて大丈夫か?



「青春が削られて行く」と嘆くお嬢さんに言いたい。君は若い、まだまだ青春は続くから元気を出しなさい、と。悲しむべきは残り少ない時間を刻々と減らしている年寄りなのだ。楽しみにしていた旅行を諦め、せいぜい図書館とスーパーを一巡りして帰る日常が続いている。そのうえ私のような高血圧・糖尿病という極め付け無職老人は、医療現場の方々に余計な負荷をかけないよう、息を殺してパンデミック消滅を待つのみなのである。(2021.1.9)







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