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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



毎朝通勤中に見る御堂筋のイチョウは、雄株の方が圧倒的に多いが、中には実をつける雌株も混じっている。

ルイビトン前のイチョウ



イチョウの実は、秋が深まるとだんだん黄色く熟して落下し始め、地面に落ちた果肉から独特の異臭を放つようになる。

この異臭のためにニホンザル、ネズミ、タヌキなどの動物は、食用を忌避するというからイチョウが子孫を残すために身に付けた進化の一部なのであろう。

難波神社前



イチョウの異臭を嫌う人が多いので、街路樹としてのイチョウは主として雄株が選ばれるが、秋に雌株にだけ実る銀杏は、季節の風物詩としての風情があって捨てがたいものがある。

1937年に植えられた御堂筋のイチョウの葉は、9月に入って濃い緑色から少し緑が抜け始めた程度であるが、雌株を良く見るとイチョウの実が大分大きくなっていて、これから色づくのが楽しみである。



イチョウの果肉に包まれる種子(銀杏)は、茶碗蒸しの具や酒の肴として人気があるが、異臭のする果肉には漆(うるし)と同じようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こすことがあるという。

また銀杏を多量に食用すると、ビタミンB6欠乏症となり、痙攣を起こす事例がいまでも年間数件報告されているので注意が必要である。



特に10歳以下の子供には注意が必要で、大人でも1日4個程度が摂食の目安とされ、20個も食べると危険といわれていて、戦後の食糧難の時代には死亡した事例も報告されているという。

その一方、喘息等の症状に対する薬草としての効力もあり、1323年に沈没した記録のある難破船を潜水調査したときに銀杏が発見されているので、当時から薬の原料として日本に輸出されていたようである。



西洋には1712年頃の書物から登場しているが、英語での表記「ginkgo nuts」は、日本人が「銀杏= ぎんきょう」と話した言葉をそのままに書き写したという説があるくらいなので、西洋には長崎から伝わったようである。

本町交差点のイチョウ



この銀杏にも栽培品種があり、1900年頃から愛知県稲沢市で銀杏採取を目的としたイチョウの栽培が始まったとされ、今も稲沢市が銀杏生産量日本一を続けているという。


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