昨日の記事からの続きです。さて、終戦のエンペラーの主人公フェラーズ准将の実際の行動は、来日後真っ先に河井道の安否を尋ね、健在であることを知るとすぐに手紙を出して間もなく二人は再会しています。・・・キバナコスモス
フェラーズが河井道にどうしても聞きたかったことは、「天皇がもし戦犯として処刑されたとしたら日本国民がどんな反応を示すか」ということでした。・・・キバナコスモスとクマバチ
クリスチャンである河井道は「日本人は、そのような事態を決して受け入れないでしょう。もし陛下の身にそういうことが起きれば、私がいの一番に死にます」と答えたそうです。・・・ツマグロヒョウモン
この答えを聞いたフェラーズは「日本人にとって天皇が処刑されることは、アメリカ人にとってキリストが十字架に架けられることと同じ」と後の論文に書いているので、マッカーサーにもそう報告した可能性があります。・・・アゲハチョウ
マッカーサーとフェラーズが厚木に降りた8月30日の時点での日本陸海軍兵力は、約700万人、その700万人が天皇の停戦命令で直ちに戦闘を停止したことが重要でした。・・・アオスジアゲハ
西欧の近代戦争では、700万人の軍隊が命令一下戦闘を停止し、戦火がピタリと止むことなど全く理解できない、天皇だけが為し得る神業だったのです。・・・アゲハチョウ
フェラーズは、もし天皇を処罰すれば、日本国内で血なまぐさい反乱が各地に発生し収拾がつかなくなるとし、天皇の力は何十万ものアメリカ兵の力に優る、その威光を利用しない手は無いと、マッカーサーに報告したようです。・・・アゲハチョウ
天皇の戦争責任を追及せよというアメリカ世論と連合国の意向を回避するためフェラーズは獄中の東条英機にも工作し、東京裁判で天皇に責任の無いことを証言させています。・・・アゲハチョウ
岡本嗣郎氏は著書に「天皇免責工作は、政治の表と裏の両舞台で水も漏らさぬ周到さで展開され、その強引さ、露骨さ、生々しさ、隠密ぶりは、フェラーズの知られざる一面をのぞかせている」とし・・・アゲハチョウ
また、「フェラーズは、温和な文人肌の理知的人間であったと同時に、怜悧で非情で、有能な現実的政治家でもあった」とも書いています。
陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ 岡本嗣郎著