山階鳥類研究所のHPには<我が国では8科76種ものシギ・チドリ類が記録されており、そのほとんどは長距離の渡りをすることが知られていますが、我が国で観察されるシギ・チドリ類の個体数は近年著しく減少してきています>とありました。・・・大和川河口に飛来した6羽のシギ
そこで<シギ・チドリ類を保護するため、彼らがどこを中継して渡るのかが明らかになれば、効果的な保護計画がたてられる、という観点から1991年以降、鳥類標識調査の際に、金属リングに加えて脚にフラッグ(プラスチック製の旗)を付け始めました>・・・大和川河口のオオソリハシシギ
<フラッグは、調査場所別に位置や色、形が決められているので、観察するだけでその鳥がどこで足環を付けられたのかが判り、これまでに13万羽以上のシギ・チドリ類がフラッグを付けて放鳥されました>・・・手前のシギの右足に金属リング、上に曲げられた左足にチラッと青いフラッグのようなものが見えています。
<また、個体識別を目的としてカラーリングやフラッグに大きな字で番号等を彫り込むこともあります。そういうフラッグの付いたシギ・チドリ類を観察した場合は、フラッグの位置、組み合わせだけではなく、出来る限りカラーリングの有無、足環・フラッグ・カラーリングの位置関係や番号等も記録し、その結果をご連絡下さい>・・・やはり左足に青いフラッグがありますね。
大和川河口で撮影したこの写真を山階鳥類研究所にメール送信したところ、早速下記の返信がありました。<・・・>部分
<山階鳥研でシギ・チドリ及びアジサシ類のフラッグ観察データベースを担当している○○と申します。この度は大阪の大和川河口で観察された刻字フラッグ付きオオソリハシシギの観察記録をお送り下さり、ありがとうございました>
<この鳥は、2013年5月4日に宮城県亘理町「鳥の海」(仙台空港から15km南の湾)で放鳥されています。放鳥時、メス・成鳥と判定され、7A-06008の足環を装着されました>・・・そこまで判ることに驚きました。
<オオソリハシシギのオスは、繁殖期にはかなり赤っぽくなります。また、嘴はメスより細めです。お送りいただいたフラッグ個体もメスと判断できます>・・・やさしい眼をしていますね
<宮城県亘理町「鳥の海」では、青/白のフラッグを付けたのですが、白フラッグが脱落したようです。データベースには20150046のIDで登録いたしました。なお、この個体は4月14日に愛媛県の重信川河口(松山空港から3km南)でも観察されています>・・・しばらくすると6羽のオオソリハシシギは飛び立ってしまいました。
このメスのオオソリハシシギは、2013年5月に宮城県→アラスカ(繁殖)→秋にニュージランドかオーストラリア→2014年(春・発見されず)→アラスカ(繁殖)→秋にニュージランドかオーストラリア→2015年4月14日愛媛県→4月18日大和川河口ときて(ここからは予測)→宮城県→ベーリング海横断→アラスカ(繁殖)という大旅行をするようです。