野鳥・旅行・観光・テニスなど趣味の写真ブログ
ROSSさんの大阪ハクナマタタ



松坂屋のHPによれば、織田信長の家臣であった伊藤祐道が、信長の没後30年近く経った1611年、名古屋に移り呉服小間物商「いとう屋」の看板を掲げたのが創業というので、400年近い歴史を誇る会社である。

北から見た旧松坂屋大阪店



江戸期に老舗といわれる呉服商であった白木屋、岩城升屋、三井越後屋(三越)の創業がそれぞれ、1662年、1672年、1673年というので、松坂屋は日本最古の呉服商かもしれない。

路地から見た旧松坂屋大阪店



1736年には、岩城升屋、三井越後屋と同じ「現金掛け値なし」という正札販売をはじめたことで商売が軌道に乗り、1768年には上野にあった老舗呉服店「松坂屋」を買収して屋号を「いとう松坂屋」と改め、江戸に進出している。

旧松坂屋大阪店



江戸店の屋号を「いとう松坂屋」としたのは、既に江戸市中に呉服店「松坂屋」の名前が知れ渡っていたためであろう。

大阪でも、1875年(明治8年)、四ツ橋北西の新町通にある老舗「ゑびす屋呉服店」を買収して、「 ゑびす屋いとう呉服店」 として開業している。

旧松坂屋大阪店正面



その後、全店舗で屋号を統一する事となった際、東京で使用されてきた「松坂屋」が採用される事となったようである。

1910年(明治43年)には、名古屋本店の事情で大阪から一時撤退したが、1923年(大正12年)になってから堺筋の日本橋に、新店舗を建築して松坂屋大阪店を再開している。

旧松坂屋大阪店の前の歩道



しかし、松坂屋大阪店は堺筋の衰退によって1966年に天満橋へ移転、その天満橋店も2004年5月には閉店しているので、大阪は松坂屋にとって縁の薄い都市であったようである。

今も堺筋となんさん通りの交差点の南東角に建つ、旧松坂屋大阪店の記録を見ると1934年に完成とあるので、恐らく完成の1年前から大阪での営業を再開したのであろう。

南側から見た旧松坂屋大阪店



松坂屋大阪店は、高島屋東別館として今もクラシックな外観をそのまま残しているが、こういう歴史のある建物は、できるだけ永く保存して欲しいものである。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )