いつも野鳥撮影している場所(マイフィールド・略してMF)に渡り鳥ツルシギ(環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類指定)が(時期外れですが)渡来してきていました。

最近読んだ本に「渡り鳥の渡り」を説明していたので紹介しましょう。<・・>が引用部・・・下写真のアカアシシギとよく似ていますがクチバシの形状が少し違います。

<複数の世代を含む群れで渡るのはガン類やハクチョウ類、ツル類などのわずかなグループだけで、それ以外のほとんどの鳥類は親など成鳥の助けを借りずに渡りを行う>・・・ツルシギのクチバシは細く長い、下クチバシの基部が朱色、先端部がやや下向き。

<鳥の渡りという進化の原因は、抵抗力の弱いヒナのリスクを低減するため、食物が豊富だが病気にかかりやすい熱帯地方から逃れるためだったという説がある>・・・アカアシシギのクチバシは上下ともに基部が朱色で直線的でやや短い。

<渡る鳥たちはある方向へ、ある一定の時間、1年のある時期に飛ぶように遺伝的に決定され、夜の北極星、昼の太陽の動き、人の眼には見えない偏光、数百キロに渡る揮発性物質のにおい、地球の磁場などを利用している>・・・ツルシギが飛びそう

<鳥が地球の磁場を利用して方向を判断していることは1950年代から知られていて、1960年代には確認された>・・・ツルシギの飛び出し

<その働きをしていいたのは意外にも視覚だった。鳥は地球の磁場を視覚化していると考えられている>・・・ツルシギが飛行する際の翼上面は全体が褐色

<渡り鳥の眼の中(網膜の中の複錐体と呼ぶ視細胞)には、地面に対する鳥の体の位置あるいは地球の磁力線に対する角度によって変化するシミができる>・・・アカアシシギの翼は次列風切が白色

<渡り鳥には頭の中に地図を描くことで方角と進むべき道を知る(磁力を利用した)能力があり「生物学的機能の不明な第二の磁気感覚」を持っていることが判っている>・・・アカアシシギが飛ぶと翼後方の白が目立つのでツルシギとの識別が容易にできます。

参考文献:世界を翔ける翼(渡り鳥の壮大な旅)スコット・ワイデンソール著