オオヨシキリ(全長18cm)が濁った声で「ギョギョシ ギョギョシ」と、うるさく鳴いていました。その赤い口の写真と共にバードリサーチの生態図鑑からオオヨシキリの記事を紹介しましょう。<・・・>が引用部

<オオヨシキリは夏鳥として,河口域,河川,湖沼のアシ原に生息する。越冬地(日本のオオヨシキリは主にフィリピン)でも同様にアシ原で過ごす>

<一夫多妻制。オスの20~30%が2~3羽のメスとつがう半面,なわばりを持っても1羽のメスともつがえないオスが15%前後いる>

<最初のメス(第一雌)がなわばり内に入るとオスはさえずりをやめ,メイトガードを行なう。第一雌が産卵を始めるころ(初卵日の前後3日間)に,メイトガードをやめて再度さえずり始め,第二雌を誘引する>

<4月中に渡来したオスは一夫多妻になる傾向が強く,5月中ごろ以降に渡来したオスはメスを1羽も得られないことが多い>

<オスは繁殖ステージが最も進んだ巣のヒナに対してのみ給餌を行ない,それ以外の巣ではメスのみが給餌を行なう>

<オスのヒナが多い巣では雄親の給餌頻度が高かった。給餌頻度を高くすると(メスを誘う)さえずりの頻度を減らさなければならない>それでも給餌するのは

<息子の場合、優秀であれば翌年の繁殖期に多くのメスとつがいになって多くの孫を残してくれることが期待できる。一方娘の場合はその質が息子の場合のように大きな差を生むことはない>

<そのため,オスのヒナが多い場合には,雄親は十分な餌を与えて「良い息子」に育てようとし,逆にメスのヒナが多い場合には,給餌には労力を割かず,さえずることでもう一羽のつがい相手を獲得することに労力を割く>と考えられる
