Amazonプライムビデオの映画『エル・プレシデンテ ~南米・チリ サッカー界の闇を知る男~』には国際サッカー連盟(FIFA)の第7代会長を1974年から1998年まで12年間務め、ゼップ・ブラッターを後任の会長に指名したブラジル人「ジョアン・アヴェランジェ」とその豪邸も出てきます。ハイビスカスの花と一緒に紹介しましょう。
アヴェランジェは、国際オリンピック委員会のメンバーでもあったため、IOCがFIFA会長時代の不正について調査を進め、IOC理事会で追放を含めた厳しい処分を下すはずでしたが、本人が辞任を申し出た為に処分は見送られています。
2015年7月、FIFAのジェフリー・ウェブ元副会長(英国とケイマン諸島の二重国籍)は、収賄額の一部1000万ドル(12億円)の保釈金を納め釈放されています。元会長アヴェランジェの収賄は、当然それ以上だったのでしょう。
2015年12月、スイスは、南米選手権やFIFAワールドカップ予選の利権に絡んで賄賂を受け取った疑いでFIFA副会長だった南米サッカー連盟会長のフアンアンヘル・ナポウト(パラグアイ)、北中米カリブ海サッカー連盟会長アルフレド・アウィト(ホンジュラス)の2人を逮捕しています。
また同月、ペルー警察は、ペルーサッカー連盟のマヌエル・ブルガ元会長を逮捕、マーケティング会社からFIFA関係者に渡された賄賂やキックバックは2億ドル(日本円でおよそ245億円)を超えるとされています。
2015年12月、アメリカ司法省はウェブFIFA元副会長(英国とケイマン諸島の二重国籍者)やスポーツ関連企業幹部など8人が収賄を認め、50億円分の資産の没収に同意したことを明らかにしています。
同月、スイス司法当局はFIFAの賄賂の受け渡しに使われたスイスの銀行口座情報をアメリカ司法省に提供、賄賂に使われた13の口座の資産(96億8000万円)を凍結しています。
2016年12月、アルゼンチンの大手スポーツ代理店がアメリカのニューヨークの連邦裁判所に、FIFA贈収賄にからむ罰金1億1280万ドル(およそ130億円)の支払いを合意しています。アルゼンチンの会社からFIFA幹部への贈収賄は明らかでしょう。アルゼンチンだけで130億円、他の国を合計すると一体いくらになるのでしょう。
2016年、FIFAはワールドカップの開催国を決める投票で、当時のFIFAの理事らに渡った金銭は、最低でも数千万米ドル(日本円で数十億円)になると発表。FIFAワールドカップの招致で票の買収が行われていたことを認めています。映画には「サッカーの国際試合を見たいと熱望している世界中に楽しみを届けているのがFIFA幹部で、それに伴う報酬を受けるのは当然」というセリフが出てきます。