大阪大正区鶴浜にオープンしたIKEAは、スウェーデンの大手家具店で2006年度の売上高は、173億ユーロ(1ユーロ162円とすれば2兆8千億円)、従業員は世界各国で10万人を超えという巨大企業である。
しかしIKEAグループ全企業の親会社は、オランダで登記されている非公開企業で、その企業も、オランダ籍免税非営利法人スティヒティング・インカ財団の所有となっている。
出口に陳列された商品のオブジェ
この企業支配の複雑な仕組みは、高福祉高負担で有名なスウェーデンの税制から逃れ、創業家の支配を安定させるために考えられたようであるが、IKEAの家具にはすべてスウェーデン語の名前がつけられて北欧製品であることを強調している。
IKEAの由来は、1943年に雑貨店を創業したイングヴァル・カンプラードのイニシャルIKに、彼が育った農場と町の頭文字をつなげ合わせたもので、そのIKEAは1951年頃から家具販売店に変身している。
店舗内の通路
IKEAは、同業他社との深刻な価格競争に巻き込まれたことをキッカケに自社のデザイナーによる商品企画・製造・販売・梱包(フラットパック)方式を考案し、消費者自身が簡単に車で持ち帰ることができるようにしたことで飛躍的な業績向上が始まったようである。
その後もコストを徹底的に削減しながら、優良デザインの格安組み立て式家具の販売を続け、ヨーロッパ全域と北米をはじめ、世界の36国と地域に合計278店舗(2008年4月現在)を展開している。
難波行きの無料シャトルバス
本来IKEAは、客が商品を自ら持ち帰り、組み立てることを前提とした販売をしているが、この方法は、1974年に最初に日本に進出した際に失敗(1986年に一旦撤退)していることから、現在の日本の店舗では配送・設置・組み立てのサービスを別料金で用意している。
また、販売のコストを削減するため、店員の配置は最小限としていて、広い売り場で店員を見つけるのに苦労するほどである。
IKEAの店舗では、新規オープンに伴う来場者の殺到が見られ、中国上海店で1日8万人、日本再進出1号店の船橋店(2006年4月の平日)で、3万5千人を超える来場者があったという。
大阪に8月オープンしたIKEA大阪鶴浜店に先日行って見ると、やはり客を入場制限していたが、冷房の無い屋外で長時間待たされるのは辛い。
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