近所の公園にチュウヒ(環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB指定)が飛来する姿をよく見かけますが、チュウヒのオスの全長は48cm、一方メスは58cmくらいということが知られています。・・・猛禽類の雄と雌のサイズの違いをネットで検索してみましたのでチュウヒの飛行写真と一緒に紹介しましょう。
猛禽類(ワシタカなど)は、一般的にオスよりメスの方が大きいことが知られていますが、中でも小型の野鳥を捕食するハイタカ、オオタカなどではオスとメスのサイズの違いが著しいようです。
繁殖初期の猛禽類は、体の小さなオスが体のサイズに合わせた小さな獲物をナワバリの中で捕獲して頻繁に巣に運ぶ姿が見られるそうです。
その間、体の大きなメスは巣に留まってヒナを守り、小さなオスがヒナに与える餌をせっせと運ぶようです。
大切なヒナのいる巣は、体が大きいメスが守り、体の小さなオスがヒナが食べやすい小さな獲物を数多く獲って与え続けることで猛禽類は生存してきたのでしょう。
さらにオスが孵化したばかりの小さなヒナを襲う危険性もありますが、体が大きく母性本能の強いメスがヒナを守っていれば、オスも諦めざるを得ないのでしょう。・・・V字飛行がチュウヒの特徴
ヒナがオスと同じくらいの大きくなると、餌も大量に必要となるためメスも狩に出かけるようになります。
体の大きなメスが狩を始める時期には、オスが捕らなかった大型の獲物がナワバリの中に数多く残っており、メスはそれらを捕まえてヒナに与えるので、ヒナが飢えることなく育つのです。
また、ワシタカ類ではオスの鋭い嘴や爪が交尾の際にメスを傷つける恐れが有ります。交尾で興奮したオスの爪でメスが負傷するような猛禽類は進化の過程で絶滅したのでしょう。オスの嘴や爪でも容易に傷つかない頑丈な体(厚い羽毛も)を持った大きなメスのいる種だけが淘汰されたのでしょうね。