前3回に続いて鷹狩りに用いられたハイタカの飛び出し写真と一緒に最近読んだ本から江戸時代の鷹狩りについて紹介しましょう。<・・・>が引用部
<江戸時代前期には将軍から御鷹之鳥として下賜される鳥はツル、ガン、ヒバリの3種で、ツルの格が最も高かった>
<人物の家柄や官職に応じて、どの鳥が下賜されるか決められていて、徳川御三家や大大名で少将以上の官職に任ぜられた者はツルを拝領した>
<その他の国持大名や老中、若年寄、大阪城代などは、次のランクのガンを拝領していた>
<将軍が鷹狩りで捕った御鷹之鳥を拝領することなど、普通の大名ではあり得ない。ほんの限られた者だけがその栄誉に与れた>
<それは当時の武士にとって非常に名誉なこととされ、下賜の知らせを伝える使者の接遇や、御鷹之鳥受け取りの挨拶作法が厳しく決められていた>
<御鷹之鳥を拝領した大名は、それをお披露目するために他の大名を招待し、家中の重臣を集めて大々的に振る舞った(鳥開きという)>
<大事な御鷹之鳥は、庖丁人達が礼法に則って儀礼的に慎重に調理し、その宴席へ招待された者は非常な名誉と受け取っていた>
鷹が捕った鳥(御鷹之鳥)1羽をうやうやしく大勢で有り難く頂く、江戸時代には今から思えば奇妙な慣習があったという話でした。
参考文献:鷹将軍と鶴の味噌汁 菅 豊著