近所の公園にスズメよりやや小さいノビタキ(全長13cm・オスの冬羽か?)が渡来してきました。バードリサーチの生態図鑑からノビタキを紹介しましょう。
ノビタキは春に渡来し、本州中部以北の高原や北海道で繁殖、今の時期(秋のはじめ)に越冬地の東南アジアなどに渡る鳥です。
ノビタキの<非繁殖期は単独から数羽で行動、大きな群れになることはない。開放地内の灌木の頂など目立つところに止まることが多い> ・・・このときも1羽だけでした。
ノビタキは<一夫一妻で繁殖期の雄は,渡来直後からなわばりを確保する。このなわばりは雛の巣立ち時まで維持される。つがい相手の雌は主にこのなわばり内で行動する。一回目の繁殖に成功したつがいの約70%は2回目の繁殖を行なう>
ノビタキは<多岐にわたる昆虫類を食べる。採食方法は主に2種類あり,空中を飛ぶ昆虫を食べるときは見通しの良いところからフライキャッチを行なう。一方,地面を這う昆虫を食べるときは,目視で対象を見つけ地面を歩いてついばむ>
<ジオロケータをつかって北海道石狩平野で繁殖するノビタキの雄12個体の秋のルートを追跡したところ,10月初旬に繁殖地を発ち,直接大陸に渡り,沿海地方南部に一時滞在その後,華北平原を通過し,中国南部からインドシナ半島で越冬していた>・・・本州で繁殖するノビタキの渡りルートは別
<本種の春の北上ルートの追跡はできていはないが,春の初認日は全道的に4月10日過ぎと共通していること,本州以南での春の渡り期における本種の観察個体数は多くはないことから,春も大陸から直接北海道に渡来している可能性がある>
<北海道勇払原野での研究では,チュウヒの巣立ち雛の数が多い湿地では,ノビタキの巣立ち雛の数も多かった>・・・ノビタキの繁殖をチュウヒが助けているようです。
<その理由は、勇払原野のチュウヒは営巣する湿地でほとんど狩りをしないこと,チュウヒが小鳥類の捕食者(ハヤブサなど)を追い払うためにノビタキの繁殖成功率が上がることが考えられる>